はなうたとくちぶえ

(執筆中)

2017.01.29 20:00

冬が好きだ。

しんと静まった、朝の気配がとくに。

肌がぴりぴりするほど冷たい空気、まだ暗い空、吐く息の白さ。

冷え症でないのなら、もっと好きだと思う。

冷え症すぎてたいした寒さにならないところに住んでいるのに、足がしもやけになる。


いま書いている物語は、しもやけとは縁遠い、初夏が舞台だ。

暑すぎて、喉がからからに渇くヨーロッパ。

無精髭の男と、トイプードルが主人公。

ある日突然に、彼らが私の脳内スクリーンに映し出された。

そこから彼らと一緒に旅を、続けている。

旅は、もう少し続きそうだ。

そう、初夏の頃までは。


朝の空気を吸い込んで、気持ちだけまた、初夏の日差しの中へ。