「治国について大切なことは」から(令和3年7月法話)
先月の引き続きです。
国王が、国を治めるのに大切なことは何か?との質問にお釈迦様が答えられました。
「たとい身命捨てても、非悪の友に従わず、正法をもって人を化せ。
親しき者も怨者をも、差別せず愛するを、正法守る王という。
天も阿修羅も皆ともに、正法守る王者を、悦びこれを護るべし。
正法守るその時は、日月風雨度を守り、五穀の苗みのるべし。
人主の尊位にある者は、わが身命を忘れつつ、正法護持に尽くせかし。
国人ともに十善を、したがい守るその時は、国富み栄え安らかに。
国主正法を尊法し、非悪を降伏せしめるその時は、国は八千代に栄えなん」と説かれたり。
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国王は、自分の好き嫌いでなく平等に人と接することが求められています。
そしてその時、王が持っていなければならない判断基準として「正法を守る」ことがあります。
正法とは、お釈迦様(仏)の説かれた教えのことです。
仏教の教えは昔のもので、現在にはマッチしないと思われる方もあると思います。
しかし、今も昔も1人の同じ迷える人間であることに違いはありません。
人間として生活していくことの基本は、今も昔も変わらないと思います。
どうすれば悪くなるか、どうすれば良くなるか、その根本は今も昔も変わらないものです。
そして、仏教の教えが有意義であるかどうかは、仏教が2000年以上続いていることを見ても明らかだと思います。
今の世界の現状を見る時、仏の教えが活かされていればと思うのは、私だけでしょうか。
その上で、国王1人だけが正しければ良いとは言っておられません。
国人みんなが、十善を守ることも大事だと言われています。
このお話は、国という大きな話として受け取るだけでなく、
職場や学校、そして家庭における話にもなっていきます。
自分のこととして、このお話を汲み取って頂きたいと思います。