日本語は平和の言語!?
2021.07.18 02:18
数年まえ、日本語について学んでいた。日本語は、他の言語に比べて特殊な点が多い。
まず、主語がない。英語のように、いちいち「私は」「あなたは」と言わない。場合によっては「あなたは」を使うと失礼だとされてしまう。これは、言い換えれば自分と他人を分けない、お互いの立場を曖昧にし、対立を避ける文化だ。
そして、「なる」をよく使う。「結婚することにしました」ではなく、「なりました」を使う。自分の意志ではなく、自然にそうなったように表現する。「ドアが閉まります」も、他動詞「閉めます」ではなく、自動詞を使う。自然が主体と言ってもいい。
日本人の表現ははっきりしないと言われる。欧米人と比べて、日本人のおとなしさをコンプレックスに感じる人は多い。日本人がいくら英語を勉強しても、激しいディベートで欧米人と対等に勝負できないと嘆く人もいる。しかし、ディベートがそんなに重要だろうか。
参加者をテーマについて賛成、反対に機械的に二分し、論理的な議論の練習をするディベートは、目的を誤れば弊害が出かねない。何が自分の意見なのか常に考え、表現することの方が大事だと思う。
日本語は、他人の気持ちを決して表現できない言語だ。「彼は、悲しい」は誤りであり、「彼は、悲しそうだ」となる。他人のことを勝手に表現しないから、自分のことを「私は」と言う必要がなくなる。
言語には色々な側面があるが、相手を思いやり、人間活動を自然の流れの中で捉える自然中心の発想は、平和につながるのではないだろうか。日本語の発想を、日本人の持つ貴重な財産として、大切に生かしていきたいと思う。