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SOGIと〇〇を考えるプロジェクト

感想「私たちの暮らしにどう関わるの?婚姻制度と天皇制」

2021.07.18 03:40

7/4(日)【第1回】フェミニズムとジェンダー学習会として、堀江有里さんをお招きし、「私たちの暮らしにどう関わるの?婚姻制度と天皇制」についてお話いただきました。50人を超える参加申し込みがあり、ブレイクアウトルームに分かれての議論も、それぞれ盛り上がってとても良い学習会になりました。

また、アーカイブでも見れるようにしてほしいという要望にお応えし、一週間だけYoutubeで公開いたしました。当日参加が出来なかった方も堀江さんのお話を聞くことができて主催者としてもよかったです。

下記、参加者の方の許可を得て、感想を掲載させて頂きます。

これを機に、もっとこうした議論ができる場が増えることを願っています。

※ライブ配信拠点には、ぽんぽこキャンパスさんを利用させて頂きました。


参加者の感想

1

堀江さん自身もご指摘されていた(と思う)が、こうした議論を聞く機会、一緒に考える機会が、ますます希少になっている中で、とても貴重な機会でした。ブレークアウトルームでも、こういう場であったからこその、自由な話ができて、とても良い機会になりました。後半で、堀江さんが遠藤比呂途さんの近著から、宮澤俊義の「「個人の尊厳」から出発すると抵抗権を認めないことは、国家権力に対する絶対的服従を求めることであり、奴隷の人民を作ろうとすることである」という引用がありました。あらためて「自発的隷従」になってしまっていることを反省しつつ、困難だけれど、抗っていかなければと痛感しました。

ありがとうございました。

2

婚姻制度、戸籍制度、そして天皇制における身分制度や家制度、今の目の前にある暮らしや関わっている子どもたちのこととつながて考えていました。考えれば考えるほど深い(不快)状態で根付いてしまっていることに気づきます。誰一人取り残さないとSDGsでもうたっているのに、どんどんこの制度で生きずらさを感じる人が増えるんじゃないかと思いました。交差性を考える時、マジョリティ側で無自覚な特権について発信をかけ続けようと思いました。

3

数年前にもこのテーマで堀江さんのお話を伺ったり、論文をお読みしました。ぜひ今回もお聞きしたい、と思い参加しました。

今回、堀江さん自身が色々な出会いの中でこの問題を考えてこられたことがよくわかりました。また、〈反婚〉を語った時の反応について、同じく婚姻制度を疑問に思う私も、自分の意見を表明することそのものが良いのかどうかわからなくなる時があり、堀江さんと通じるものがあるなぁ、と思いました。

私も佐藤文明さんの本を読み、戸籍制度が差別の温床となっている具体的な事実、婚姻制度に乗っかったカップル特権について、もっと語られなくては、と思ったのですが、なかなかそうはなっていない現実があると思います。考えたい人たちが継続的に集まり、何か発信をめざすようなことをやっていけたら、と思いました。イシューを横断する連帯の場を作っていけるかも、と思います。

4

堀江さんのお話も、その後のグループでの話し合いもとてもおもしろかったです。

「反天皇制、反戸籍制度、反婚姻制度」と言うと、今の世の中では、何か「過激派」のように思われて周囲から距離を取られてしまい、なかなか話せる場がないと私も感じています。

でも、堀江さんのお話を伺うと、なぜこれらのものに反対するかというと、「人を差別したくない」「個人を大切にしたい」「自分の望む人間関係を大切にしたい」という、すごくまっとうで平和的な考え方が根底にあるからだと、再確認できました。

この理念を実践で示していく方法として堀江さんが挙げていらっしゃったのが「ひとりひとりの声を聞いていく」という事だと理解しています。大きな制度に反対する声を挙げていくことと、身近で具体的な関わりの中で人の声を丁寧に聞いていくことの両方が必要なのだと改めて思いました。

全体での質疑応答の質問「養護学校の生徒さんたちが天皇の訪問を受けて嬉しそうにしている事について」の堀江さんのお答え「その生徒さんたちの気持ちを否定できますか?批判の矛先はそこではなく、社会や構造のほう」というのがとても印象に残りました。

私もグループでの話し合いのときに、自分の経験(ひきこもりや生きづらさを抱える当事者などの集いに参加している)から、「世間の道をはずれてしまったと感じてしまうと、世間に反発しながらも世間から認められたいという相反する気持ちも生じる。それは無理もない」ということを話しました。

私自身、婚姻制度に乗らない選択をしており、一部周囲の無理解もあってやはり「世間からはずれた」と感じていました。しかし、いろいろな人の話を聞くうちに、自分は別の部分では、今の世の中で苦労せずに済む「特権」を持っているのだと自覚することも多くなってきました。苦労せずに済む「特権」がある程度あるから、私の場合は「大きな制度自体がおかしいのだ」という方向に意識を多く持っていけているのかも、と思うようになりました。このあたりのことはとてもデリケートだと感じています。

改めていろいろと考える機会になりました。有意義な会をありがとうございました。

5

普段はあまり共通項があるように思えない、婚姻や天皇制、パラリンピックや道徳教育について考え、話し合うことで繋がりが見出せてとてもためになりました。また、普段学生とばかり議論していたので、様々な立場の、幅広い年齢層の方々とお話し出来たのがとても新鮮でした。自分が若者の立場としてアウトプット出来ただけでなく、他の世代の例えば子育てをしている方の、入学式で抱いた保護者からの目線での違和感など、普段触れることの出来ない観点に触れることができたのがとても良かったです。

6

きちんと考えたことのないテーマについて聞く機会となり、とても貴重な時間でした。私には少し難しかったのでアーカイブを残していただきとても助かりました。天皇制と婚姻制度がつながっていることがよくわかりました。それが日々私たちが直面している差別にどう具体的につながっているのか、今回のお話をもとに考えていきたいと思います。私自身、戸籍を初めて見たときに祖父が筆頭者になっていることに違和感を持ち(無条件に年長の男が偉いとするなんておかしい)、その他にもいろいろあって(相手が在日なので手続きがややこしい等)婚姻制度を使わずにパートナーと子どもを育てています。確かに配偶者控除の対象にならないなど不利益があります。また現在、職場で労務の仕事をしているので、「家族」が前提になっている制度に気持ち悪さを感じたり、「家族」の誰かが正社員だと、家族安泰という感じになってしまっている制度設計も変だなと感じています。法的な家族を持たない人がとても不利になっている気がします。ですが、野党の立憲民主党も最近は共産党までも、天皇制を批判することがなくなっています。そんな姿に違和感を持ちます。「反天皇制」は大衆化するために一番最初に捨てなくてはいけない「こだわり」になっているのだなと感じます。堀江さん、企画者のみなさん、ありがとうございました。