カゼルタヴェッキア Casertavecchia
カンパニア州 カゼルタ県
カゼルタの北東へ約10km、標高414mの旧市街。テイファティーニ山脈(Monti Tifatini)のヴィルゴ山の坂にある。カゼルタ城や大聖堂が見どころ。ロンゴバルド、ノルマン、スエビ、アラゴン家へと渡ってきた。
現在ではカゼルタヴェッキア(古いカゼルタという意味)と呼ばれているが、王宮が建てられる以前はシンプルにカゼルタと呼ばれていた。Casa Hirta(丘の上の住宅群という意味)でも呼ばれていた資料も残っている。8世紀には存在していた町だが起源は不明。
サン・ミケーレ・アルカンジェロ大聖堂 Duomo di San Michele Arcangelo
12世紀。アラブ-ロマネスク様式(Arabo-Romanico)
1113年にカゼルタの司教(Vescovo Rainulfo)の命令で建設開始、1153年に完成。大天使ミカエルに捧げられた教会。翼廊、クーポラ、鐘楼はゴシック様式で13世紀に建設。1600年代後半に、ロマネスク様式だった内装を、バロック様式に改築。
大聖堂のクーポラ
南のアラブの影響がある デザイン、アラブーロマネスク様式(Arabo-Romanico)司教 Vescovo Stabile (1207-1216)が建設。
外部からは丸く見えるが、内部は八角形の構造になっている。
外部デザインはサレルノの大聖堂に共通する、シチリア文化の影響を受けている。 12世紀後期のラヴェッロの教会(グラディッロのサンタマリア、サン・ジョバンニ・デル・トロ)と類似点があります。
大聖堂の鐘楼
向かって正面右側にある高さ32mの鐘楼。1234年に、Federico II、vescovo Andreaの指揮により完成。 ゴシック様式。先頭部分にいくつかの円筒形のデザインがあるのが面白い。
大聖堂の鐘楼の尖塔アーチを抜けると左にアンヌンチャータ教会(Chiesa dell'Annunziata)があり、カゼルタ城へ続く坂道へ。
ファサード(正面)アラブ=ノルマン様式(Siculo-Normanno)
凝灰岩で出来ており、この様式は、アマルフィ、モンレアーレ、ガエータの大聖堂でも見られる。特に特徴が出てるのは、プーリア州のビトント(Bitonto)とトラーニ(Trani)の大聖堂。
動物彫刻(Zoomorfe)が多く建物から飛び出している可愛い教会。
中世の頃に動物が使われているのは、神の創造を意味するそうです。
野獣が使われるのは、美徳と悪徳、良いことと悪いことの永遠の闘争を意味します。この人は襲われているのでしょうか。
1600年代後半に、ロマネスク様式だった内装を、バロック様式に改築。
円柱のデザインが少しづつ違う。
1600年代の講壇(Pulpito)の細部。あちらこちらに動物デザインが。
大理石のコズマーティ様式の床
カゼルタヴェッキアの大聖堂
カゼルタ城
小さな町ながら、丘の一番高いところに、9世紀頃の城跡がある。現在も、その威厳が想像できるほどです。周辺は松の木が並ぶ公園です。
861年、カプアの伯爵がカゼルタ城を、 879年に立派な要塞を建設。敵のどんな侵略に対しても安全な防波堤を目指しました。 高さ32メートル、約10メートルの直径の塔があり、城への攻撃があった場合にも、堀があるためアクセスが難しくなっていました。 塔には橋を持つ入り口があり上層円形の部屋で構成。いくつかあった塔のひとつは貯水槽として役立てていました。 現在残っているのは残念ながら一棟だけ。
司教の館 Palazzo dei Vescovi
鐘楼側の建物。ベネディクトゥス13世 (ローマ教皇)も宿泊。
アンヌンチャータ教会 Chiesa dell'Annunziata
13世紀後期のゴシック様式の教会。貴族の紋章が入った1700年代の扉口。
その他の見どころ
サン・ロッコ礼拝堂 Cappella San Rocco
17世紀の城壁外の教会。
特産品
はちみつ、オリーブオイル、アスパラガス、ワイン
イベント
毎年9月に町のお祭りが開催される。
写真集
カゼルタヴェッキアからカゼルタの王宮が見える。
天気が良ければヴェスヴィオ火山も望める。
ポンペイの町を灰で埋め尽くした世界一有名なヴェスヴィオ火山。
中世の頃から変わってなさそうな小道。
長閑に家畜の鳴き声が聞こえる。
ローマ時代の大理石の彫刻の断片
交通
カゼルタまでは主要都市から電車やバスで。
バス
- カゼルタ駅前からCLP社のカゼルタヴェッキア行きの103番のバス
- カゼルタのマッテオッティ広場からMatalunaのカゼルタ行き
- カゼルタ、ガリバルディ広場からACMS社の110番のバス
- カゼルタ Piazza Vanvitelli という広場から
(という↑情報があるが確認が必要。)