中国に関する質問回答(三十四)
中国の「CM女王」はだれ?
【質問】
中国でも芸能人はスポンサー契約を収入の柱にしているのでしょうか? とすれば、現在の「CM女王」はだれ?
【回答】
「CM女王」は3つの視点で定義することができます。
1つ目は出演したCMの数、2つ目は出演料の金額、3つ目はCMによって生まれた利益です。 出演したCMの数から言うと、「CM女王」と呼ばれた人がたった一人でした。 陳俊君、中国の上海で生まれ、現在はイギリスのロンドンに住んでいます。撮影歴15年、400本以上のCMに出演しました。彼女は、大らかな存在でありながら親しみやすい顔立ちで、様々な国際的ブランドのクライアントから常に出演の依頼を殺到しています。 陳氏は2011年にはイギリスのロンドンでドラマや映画、テレビを学び、2016年には中国に戻り、上海で友達と共に文化・映画関連会社を設立しました。さらに、「CM女王」から女優に転身し、映画に出演・製作に携わることになりました。
CM出演料の金額を言えば、やはり人気女優のほうが高いでしょう。「CM女王」の決め手は出演の頻度より、出演料の金額によって決めるのは普通の認識です。ネットニュースによると、中国のトップ女優の範氷氷(ファン・ビンビン)の出演料は一秒で6万元、日本円で100万円ぐらいですね。これは一番高い広告の単価料金らしいです。
ほかには女優の「CM女王」は李氷氷(リ・ビンビン)、姚晨(ヤオ・チェン)、趙薇(ヴィッキー・チャオ)、蒋雯丽(ジャン・ ウェンリー)などがいます。 最高の稼ぎ手は常に女優の蒋雯丽だとみられます。彼女の人生には幸せな結婚、成功したキャリアを全部手に入れたことで、彼女に対し、世間のイメージは頗る良いので、広告主は、彼女がコマーシャルに出演することを切望しているようです。
昨年から、企業の経営者が自らテレビ、ネット広告に出演し、商品をアピールすることが広告業界の新風です。 「新型コロナを退治するため、エアコンと空気清浄機をどんどん備え付けろ」。昨年前半、中国では新型コロナの感染拡大の中、中国政府が2月に突貫工事で建設した臨時病院には中国エアコン最大手、珠海格力電器の製品がずらりと並ぶ。同社トップの董明珠社長はネット広告で、「換気に使うエアコンや空気清浄機が必要不可欠だ」と常にアピールしています。 3時間で3億元を売り上げたことがあります。それで、董明珠社長が「直播帶貨女王」に選ばれました。
(「直播」とは生中継ということ。「貨」は商品、品物。「直播帶貨」とは、ネットあるいはテレビ番組で、ライブ配信と生中継のカタチで、商品を紹介・販売すること。観衆はライブ配信あるいは生中継を観ながら紹介される気に入り商品を注文したりしている)。
(「日中楽話」第31話より )