役立つ!大学の学び 〜リベラルアーツの学びとは〜
出典元:ライオン企画刊『大学研究マッチングブック』(2021年)より
現代の諸問題を解決する 総合的な教養教育
日本の大学では
一般教育と呼ばれていた
日本の大学でリベラルアーツ教育が取り入れられたのは、戦後のこと。中でも4年間一貫でリベラルアーツ教育を行う教養学部のパイオニアは、東京大学と国際基督教大学(ICU)だ。
それ以外の多くの大学は、主として1・2年次を一般教育課程(教養課程)として、アメリカのリベラルアーツ・カレッジの教育を参考にした科目を配置。3年次以降で専門科目を中心に学ぶといったカリキュラムを編成してきた。
そのため、日本の大学では一般教育、あるいは一般教養と呼ばれる分野がリベラルアーツとほぼ同様の概念を意味すると考えていいだろう。
しかし、1991年に大学設置基準が大綱化され、カリキュラム編成の制限が緩和され、大学ごとに自由にカリキュラムが組めるようになったことに伴って、ほとんどの大学が一般教育と専門教育の区分を撤廃。1年次から専門教育科目を中心に学べる体制に移行し、極端なケースでは一般教育科目、すなわちリベラルアーツ系の科目をあまり履修しなくても卒業できるようになっていった。 これは、それまでの一般教育科目が、各学問の概論的な内容に終始しており、しかも講義形式の授業が多かったため「高校の延長のようで興味が持てない」といった学生からの不満の声があがっていたことに応えたものといえる。
新時代で脚光を浴びる リベラルアーツ教育
だが、専門教育重視にシフトした大学教育で、最近再びリベラルアーツを見直そうという動きが活発化している。その背景には、18歳人口が急激に減少し、大学全入時代を迎えたことが関係している。多様な学力、考え方、志向を持った学生が大学に入学してくる中で、幅広い教養の修得を希望して大学に入学してくるケースも少なくないはずだ。
そこで、これからの大学は、多様なニーズに応えられるように、それぞれの個性や特色に応じた機能別の分化が図られていくと考えられている。
その一つの形として「総合的教養教育」、つまりリベラルアーツに特化した、新しいタイプの教養系学部・学科を開設する動きも見られるようになっている。
また、現代社会が高度に複雑化する中で、企業などからは、大学卒業者に対して、専門分野の枠を超えて共通に求められる問題発見解決能力や、人間としてのあり方や生き方に関する深い洞察力などを要求するようになっている。リベラルアーツ教育でなければ、そうした能力はなかなか養成できるものではない。その意味で、リベラルアーツ教育は、新時代においてこそ脚光を浴びる教育といえるだろう。
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