鬼灯(ホオズキ)
https://horti.jp/7835 【鬼灯(ホオズキ)の花言葉|毒がある?花の種類や色、見頃の季節は?】より
鬼灯(ホオズキ)の真っ赤な実は、夏の夜を幻想的に彩ってくれます。使者を導く提灯の役割を果たすとされ、日本では古くからお盆に仏花として飾られてきました。また、平安時代から薬として利用されてきた歴史をもちます。
今回は、そんな鬼灯の花言葉や効能、毒、見頃の季節などをご紹介します。
鬼灯(ホオズキ)の花言葉は?
『偽り』『ごまかし』『欺瞞』『心の平安』『不思議』『自然美』
● 西洋の花言葉
deception:「ごまかし」
実の大きさに対して、中は空洞で、種も小さいことから、「偽り」「ごまかし」「欺瞞」という花言葉がつけられました。小さくてかわいらしい花からは、想像できない花言葉ですよね。
鬼灯(ホオズキ)とは?学名・原産国・英語名は?
鬼灯とは、ナス科ホオズキ属の多年草の総称です。日本では平安時代から主に薬として利用されてきました。
現代では鑑賞用として切り花や鉢物、食用として栽培されています。
科・属名 ナス科・ホオズキ属(フィサリス属)
英名 Chinese lantern plant Winter cherry Ground cherry
原産地 東南アジア 開花期 6~8月※実が色づくのは7~9月 花の色 白、クリーム
別名 ヌカヅキ 輝血(カガチ) 酸漿(サンショウ) 鬼橙(ホオズキ) 赤輝血(アカカガチ)
鬼灯(ホオズキ)の名前の由来は?
名前の由来には諸説がいくつかあり、実が赤く染まった頬を連想させ鳴らして遊ぶ子供たちの様子から「頬突き」と呼ばれていたことや、ホホというカメムシがつきやすいことから「ホホ付き」と呼ばれていたことがなどが有名なエピソードです。
鬼灯(ホオズキ)はどんな花や実をつける?
鬼灯は3月頃からツルを伸ばし始め、6~8月にクリーム色の小さな花を咲かせます。その花が受粉し、7~9月に実がつきます。
緑から真っ赤に色が移り変わっていく実の皮は、葉が変化したものです。中は空洞で、果実の中にはたくさんの種が入っています。
鬼灯(ホオズキ)の花の見頃の季節は?
鬼灯は6~7月に白や淡いクリーム色の小さくてかわいらしい花を咲かせます。
鬼灯(ホオズキ)の実の見頃の季節は?
花も可憐で美しいですが、鬼灯といえば提灯のような実。最初は緑色をしていた実は、8~9月頃に真っ赤に色づきます。この赤い実は、お盆に仏花として飾られることも多い植物です。
鬼灯(ホオズキ)の効能や毒は?
昔は薬草として利用されてきた鬼灯。子供の夜泣きやひきつけ、大人のお腹や胸の痛みを和らげる効能があるとされていました。
中国では、根が「酸漿(サンショウ)」という生薬名でしられ、漢方医学では咳止めや解熱、利尿の薬として熱や黄疸のときに用いられます。
また、ヨーロッパを中心にフルーツとして食べられている「食用ほおずき」は、イノシトールというビタミンBの1種を豊富に含み、体内に脂肪を溜め込まないようにする働きがあるとされています。
また、鬼灯の根には子宮を収縮させる作用があり、妊娠中に食べてしまうと流産を引き起こす恐れも。これは、株全体に含まれるアルカロイドの毒性によるもので、江戸時代には堕胎剤として使われてきました。
鬼灯(ホオズキ)の種類や品種は?
鬼灯には種類がたくさんあります。ホオズキ属に分類される種だけでも約80~100種あり、ヨーロッパから日本、北アメリカと北半球の広い範囲に自生しています。
用途によって食用と観賞用に大別され、実の大きさや形もそれぞれです。以下に、それぞれの代表的な種類や品種をいくつかまとめました。
■ 観賞用
ヨウラクホオズキ(ナギナタホオズキ)
江戸時代に日本で生み出された園芸用の品種です。三日月形の実を下に向けて垂れ下げる姿が特徴です。実が瓔珞(ようらく)という仏の首にかける飾りに似ていることが名前の由来です。
タンバホオズキ
草丈が100cmほど高く、大きな実をつけます。切り花に向いている人気の品種です。
サンズンホオズキ
名前の通り草丈が15~20cmと小型な品種で、鉢植えとして人気があります。小さな実をよくつけ、大鉢だと数10個実ることもあります。
センナリホオズキ
熱帯アメリカが原産の、一年草の品種です。名前はたくさんの実をつけることに由来します。熟しても赤くならず、淡い黄色をしています。
■ 食用
シマホオズキ(ゴールデンベリーホオズキ)
ペルー原産の品種で草丈が90~120cmに生長します。淡い黄色の実は独特の甘酸っぱさがあり、美容によいフルーツとして、近年は人気が高まっています。
ショクヨウホオズキ(ストロベリートマト)
北アメリカ~熱帯アメリカが原産の品種です。完熟した実は淡い褐色になり、中に2cmほどの黄色い果肉があります。ベリー類に似た濃厚な味わいが特徴です。
オオブドウホオズキ(トマティーヨ)
メキシコ料理によく使われる、南米原産の品種です。緑色をした実は、直径3~5cmほどで、味はトマトに似ています。
https://www.i879.com/hanablog/flower/2021/07/02/11157/ 【ほおずきはどんな植物?~季節・遊び方・漢字~】より
さて、今回は夏らしくなってきたということで、夏の風物詩「ほおずき」についてご紹介したいと思います。
ほおずきの赤・オレンジ色の部分が何なのか、皆さんはご存知ですか。
親しみのあるほおずきですが、今回は改めてご紹介しています。
◆ほおずきはどんな植物?
まずは、ほおずきがどんな植物なのか、から見ていきたいと思います。
学名:Physalis alkekengi 英名:Winter Cherry,Bladder Cherry 科名:ナス科
属名:ホオズキ属 原産地:南アメリカなど
ほおずきは、ナス科の植物。
あの提灯のような姿からでは、なすに似ているようには思えませんが、科名で見るとなすの仲間だったのですね。
最近は家庭菜園で、なすを育てている方も多くなってきているそうです。
もし、自宅でなすを育てているという方は、ほおずきと似ているところがないか観察してみるのも面白いかもしれません。
また和風なイメージのほおずきですが、原産地は日本ではなく、南アメリカといわれているのだそうです。原産地もちょっと意外ですよね。
<ほおずきの季節>
うちわとほおずき
赤い提灯にも、風船にも見えるほおずき。
そんなほおずきも、花を咲かせることをご存知ですか。
ほおずきの花が咲く時期は、5月~7月ごろ。
そして、あの赤い部分がきれいに色づくのは、8月~9月ごろです。
お盆でほおずきを飾る地域が多いため、夏の印象が強いのかもしれませんね。
<ほおずきの赤い色の部分は何?>
ほおずきの赤色の部分とは
「ほおずき=赤い膨らんだ部分」 というイメージが強いですが、あの赤い部分はいったい何なのでしょうか。実は、ほおずきの赤い部分は、ガクが大きく膨らんだものなのです。
ガクとは、花びらを支える部分のこと。
ほおずきは花が咲き終わると、ガクが発達して大きくなり、果実を包み込むように袋状になっていくのです。
そして包み込んだ果実が熟すのと同じように、ガクも赤・オレンジ色になっていくのだそうです。他の植物にはない、不思議な特徴ですよね。
◆ほおずきの花
ほおずきのガク(赤・オレンジ色の袋の部分)に注目してきましたが、ここではほおずきの花についても紹介したいと思います。
ほおずきの花は、先にご紹介した通り、5月~7月頃に花を咲かせます。
花の色は白・クリーム色。
派手で目立つ花というよりも、小さくしとやかに咲いているような花です。
ほおずきを育てるという方は、ぜひ花にも注目してみてくださいね。
◆ほおずき・ほうずき・ほおづき?
ややこしいですが、「ほおずき」です。
ほおずきの名前の由来や、漢字を見るとややこしさが軽減されるかもしれません。
チェックしてみてください。
<ほおずきの語源・由来>
ほおずきの名前の由来は、さまざまな説があるようです。
ここでは4つのほおずきの語源・由来をご紹介します。
・ほおずきが赤く染まることから、頬を連想させるという説
・膨らんだ様子が頬を連想させることと、ほおずきを鳴らして遊ぶ際に頬を突きだしているからという説
・ホホ(ホオ)という虫が付きやすい植物のため「ホホ付き(ホオ付き)」となり、ほおずきになったという説
・実を包んでいる部分が赤く、火が付いて見えることから「火火着(ほほつき)」となった説などなど……。
ほおずきの名前の由来・語源は諸説あるようですね。
<ほおずきを漢字で書くと?>
ほおずきの実
ほおずきの漢字表記には、主に3種類の書き方があります。
1つ目が鬼灯。
この鬼灯は実(身を包んでいるガク)が赤く見えることが、怪しげな雰囲気だということから付けられたのだそうです。
鬼が持っている、提灯ということなのでしょうか……。
2つ目が酸漿です。
「ほおずき」とも読みますが、同じ漢字で「さんしょう」とも読まれているのだそうです。
主にこちらの「酸漿」という漢字表記は、生薬名で使われることが多いのだそうです。
3つ目は法月。
法月は、お花屋さんやホームセンターで使われていることも多い表記です。
由来は詳しくわかっていないようですが、お客さんが簡単に読めるように、この「法月」という漢字を使ったのかもしれませんね。
◆ほおずきの楽しみ方
ここでは改めて、ほおずきの楽しみ方をご紹介します。
鑑賞する以外にもほおずきには、楽しみ方がたくさんあるようです。
<鑑賞>
だんだん赤くなってくるほおずき
皆さまがご存知のように、もちろん鑑賞することは、ほおずきの楽しみ方の1つです。
ほおずきを育てている方は、緑色からだんだん赤くなっていく様子も注目してみてください。
季節の移ろいを、感じることができると思います。
<葉脈だけにする>
ほおずきのライト
和風な小物を扱う雑貨屋さんなどで、ほおずきを葉脈だけにして作られているアイテムを見たことがある方もいらっしゃるのでは。
葉脈だけになったほおずきの中に、ランプや小さな人形が入っているものもありますよね。
実は、ほおずきの葉脈だけを残す方法は、意外に簡単です。
葉脈だけのほおずき
ほおずきを葉脈だけにする方法は、ほおずきを水に浸しておくだけ。
バケツなどに水を溜めたら、そこに1週間程度ほおずきを付けておきます。
すると、表面の赤色の部分がはがれていくのです。
ある程度、表面がはがれてきたら、歯ブラシなどで優しく擦ると、よりきれいに葉脈だけを残すことができますよ。
ほおずきの葉脈は、茶色・オレンジ色に近い色をしています。
そのままでもかわいらしいですが、葉脈を他の色で染めたい時や白っぽい色にしたい時は、漂白剤を入れてさらに1週間ほど置いておくことがおすすめです。
完成したら、日陰に置いておくようにすると、水を乾燥させることができます。
無理にタオルなどで水分を拭き取ろうとすると、葉脈が裂けてしまうので注意してくださいね。
<舌の上で鳴らす>
子どもの頃に、ほおずきを口の中に入れて、遊んだことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
上手にブーっという音が鳴ったときは、嬉しいですよね。
ほおずきを鳴らす遊びは、平安時代から楽しまれていたのだそうです。
ぜひ、自宅にほおずきがあるという方は、チャレンジしてみてください。
きれいな音ではないかもしれませんが、お子さんと一緒に楽しめると思いますよ。
<食べる>
食用ほおずき
ほおずきは観賞用だけでなく、食用としても楽しまれています。
食用のほおずきの実は、甘みと酸味を感じることができるのだそう。
そのため、ジャムになったり、イチゴのようにケーキに使われていたりします。
8月~10月頃に収穫されるようなので、機会があった時には食べてみたいですね。
◆最後に
ほおずき
今回は夏の風物詩でもある、ほおずきについてご紹介しました。
赤・オレンジ色の部分が、ガクだったのは驚きでしたね。
これからお盆になると、ほおずきを見かける機会も増えてくると思います。
ほおずきを手に取る機会があった時は、改めてほおずきを観察してみても面白いかもしれませんよ。