器用貧乏
器用貧乏とは、(以下 goo辞書引用)
「なまじ器用であるために、あちこちに手を出し、どれも中途半端となって大成しないこと。」
と、ある。
私は、自分の事をこの「器用貧乏」だと信じて疑わなかった。
コサージュだって作るし、ピアスなんかも作ったりも出来る。
美容に関して言えば、通常のサロンワークに加え、メイクに着付け、エクステにネイルだって出来る。
人が「器用ね〜。何でも出来るのね〜。」と、
煽ててくれる度に、「器用貧乏なんで…」と卑下したものである。
そんな私が、今日仕事を終え、
あとわずかで卒園する息子を迎えに行くと
可愛い息子が、黄色い布がボロボロに破れて、つばの厚紙が突出した保育園の帽子を被り
笑顔で走ってくるではないか!
あまりにも可哀想過ぎる…
そう心を痛めた私は息子に誓った。
「その帽子!母ちゃんが直してみせる!」と。
そして宣言通り、子供達が寝静まってから、裁縫箱を取り出しチクチクと、、、
チクチクと、、、
チ、、、ク、チ、ク、と、、
あれ…おかしい。私は器用なはず。
なぜこんな事に…
ひどい。あまりにも酷い出来だ。
料理写真が美味しく見えるというアプリのフィルターをかけても
全然うまくみえない。
そもそもなぜ黄色い帽子に黒の布をチョイスしたのか。
いや、それ以前に切りっぱなしの布をそのまま縫いつけているあたり、、、
不器用過ぎる。
途中で目立たない黒の糸に変えたことが
より一層不器用さを引き立てている…
ここへきて「器用貧乏」な以前に器用ですらなかった事が発覚してしまった。
そう言えば、逆上がりも側転も逆立ちも出来た試しがない。
跳び箱など4段が跳べたかすら怪しい。
家庭科でミシンにボビンケースをセットする事に躓き、
自分でやったことさえないのだ。
どの面下げて己を器用だと思っていたのか…
顔厚忸怩の思いである。
何より、明日から卒園まで
この無様な帽子を被って過ごすことになる息子が不憫でならない…
いや、その前に帽子を目にした息子に絶対怒られる。
明日の朝が恐ろしい…
6歳児が怖い38歳の母であった…