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ある裁判と裁判官と検察官について(参議院浜田聡議員のお手伝い)

2021.07.22 05:27

あつ~いと、あ~つい言っちゃう。猛暑だからもうしょうがないですね。

さて、昨日は参議院浜田聡議員のお手伝いに上がり刑事裁判での出来事について少し考えてみました。

先日、NHK党の党首の立花孝志氏の刑事裁判が東京地裁でありました。

下記:立花孝志YOU TUBEチャンネルより(2021年6月20日)

事件の概略と刑事裁判の概要について私が思っている認識において簡単に記します。起訴されている嫌疑は脅迫罪と不正競争防止法違反と威力業務妨害の3件です。立花氏は無罪を主張して争っています。6月30日に行われたのは証人尋問です。被告側の証人として元新宿区議の松田みき氏と元NHK集金人の斉藤忠行氏です。立花氏は無罪を主張しつつも3件の起訴容疑に関して自身が行った行為そのものについては認めており争っていません。もっとも、それらの3件の行為は立花氏自身のYOU TUBEチャンネルで動画としてその行為が広く世間に公開されており争う余地などありませんから当然のことではあります。立花氏側はその行為の目的や意図が何だったのかを争点にすべきだと主張しています。つまり、各法に対して立法根拠に照らして違法と言える、もしくはその法の意図する対象であるのかどうかを考えると違法とは言い切れないというのが立花氏側の主張だと思います。具体的にはNHK委託訪問員の持つナビタンと言われる電磁的な業務用機器からそこに収められている個人情報の一部を写し取ったという事案、その個人情報を保有していることを前提にNHK会長宅の前や渋谷のNHK放送センター前で街頭宣伝活動の一環としてNHK会長に面談を迫るような演説を行った行為が対象の容疑となっています。立花氏はこれらの容疑は正当な政治活動であり、多くの国民から負託を受けた政治家としてのNHKに関する問題提起と国民への周知し啓蒙する行動の一環であったことから、通常業務の一端に過ぎず法を犯す意図もNHKの業務を妨害する意図もなく、市場経済社会の公平性を阻害する行為でもないことから法を犯した事実は存在しない、もしくは政党業務行為である、よって無罪を主張するということです。ここでは、脅迫罪に関する容疑についてはあまり触れないでおきます。立花氏の東京都中央区議会議員二瓶文徳氏への動画での発言は不用意であったのかもしれません。相手が公人であることを前提にした発言であると立花氏は言っていますが、度を越していた印象も免れません。言論の自由や表現の自由はもちろんありますが、二瓶氏が畏怖や憂虞を募らせるような発言であったとすれば俄に是認できないことだと思います。ただし、二瓶氏には立花氏がそのような行為に至るような前提があったことは公人として受け止めるべきことだと思います。素人ながら、この件に関しては事前に和解を成立させた方が良かったのではないかという気がしています。

さて、話を戻しますと、証人尋問で松田みき氏は立花氏がNHK委託訪問員から顧客の個人情報を取得しようとして立花氏がデンモクを撮影したことを証人として明確に否定しました。当時、現場にいた松田氏の証言ですので証人として有効な要件を満たしていると思います。次に元NHKの委託会社に勤めていた訪問員の斉藤氏の尋問です。こちらの証人は立花氏も仰っているように当該裁判に全く関係がありません。立花氏は「よく裁判所もこの証人の採用を認めたな」と発言しているほどです。確かに3件の容疑と斉藤氏は関係がありません。証人として発言したのはNHKの委託訪問員をしていた頃に不正にナビタンに訪問記録を打ち込んだり(空打ち)、訪問時に宅急便の配達を装ったりしていることを発言しています。また、斉藤氏が委託訪問員を退職した理由として立花氏が唱える弁護士法第72条に違反する行為を行っているという動画を見て、自身の職務に疑義を持ったからであることを明らかにしています。立花氏はNHKの行っている不当な行為を公の場で明らかにすることができたことは自身の刑事裁判を有効で有益であり意義あることだと評しています。ただし、NHKの委託訪問員が訪問していないにも関わらず訪問したとして虚偽の記録をナビタンに打ち込む行為はNHKの仕業ではありません。委託訪問員が行った不正行為であり、その行為に対する被害者はNHKです。明らかにこの裁判とは関係がないことですし、NHKの不正ではなくNHK委託訪問員の不正であり、国民に直接の被害者は発生しません。NHKの不正を糺したり、NHKの委託訪問員の不埒な行為や強引な行為を糾弾することが政治活動の一環であり、正当な行為だと主張する立花氏の証人という役割に関しては無意味であったろうかと思います。

証人としては無意味であろうとも、空打ちはNHKに対して行った委託訪問員の詐欺的行為であり、本来、NHKにとっては被害が発生する行為です。また、宅急便の配達を連想させるような訪問方法をNHKの委託訪問員がしている場合においては訪問の相手先が異議を唱えると不法な侵入と解釈されかねません。立花氏はこれらの証言について「明らかな犯罪行為」を検察官の前で証言しているのに検察官は斉藤氏の発言を聞こうという姿勢を見せなかったと非難しています。代わりに、何故か裁判官が斉藤氏の証言に興味を持って真剣に聞き入ったことを立花氏は歓迎しています。

この件に限らずよく言われていることですが、私は裁判官に多少の社会的な常識が欠如しているのではないかと思います。まず、裁判官は起訴内容や立花氏の主張内容と凡そ関係のない証人を採用したり、証言の内容が裁判の内容に関りを持たないにも関わらず状況を容認するどころか関心を示すなどの行為は理解に苦しみます。また、検察官ですが、本件とは関係ないとして異議を3度も唱えたということですが、裁判官が異議を却下しています。立花氏本人が当該裁判と関係のない証人だと明言しているのですから、ある意味、検察官の言う異議申し立ては的を射た指摘であると言えます。裁判官はジャッジするのみならず法廷の秩序を維持し双方の主張を尊重しなければなりません。裁判官が被告人の主張を裏付けたり補完したりすることのない証言に関心を持ち、尋問を継続することは望ましいことではないと思います。

検察官の当該裁判に関係のない証言を聞く必要がないという主張は全うであろうと思います。たとえその証言が法に触れるような内容であったとしてもです。検察官は如何なるシチュエーションであろうともTPOを無視して耳を傾けないといけないとは思いません。法廷で起訴内容と関係のない違法行為についての発言が被告人以外の口から発せられても検察官は精察しようがありません。検察官は裁判官に認められなくても意義を申立てするしかないのは理解できます。空打ちや弁護士法第72条違反に関して争っている法廷ではないことから正当な意義だと思います。

以上のことから立花氏の6月20日の刑事裁判での証人尋問における検察官の異議申し立てに私は疑義を感じません。一方、立花氏が検察官が他の違法行為に関する証言に検察官が耳を傾けようとしない姿勢を非難することもやむを得ないのかもしれません。要は、当該裁判とは関係のない証人を採用した裁判官に問題があり、裁判官が自ら関係のない証人を採用したことから尋問を最後まで許可するしかなくなったのではないかと憶測します。

検察官について少し考えてみようと思います。検察官は大きな権限を持っています。

下記:検察庁ホームページより

検察官が事件に関して容疑を捜査して起訴するか否かの裁量を持っています。刑事裁判の有罪率は99.9%と言われております。「100人の真犯人を逃しても1人の無辜(むこ)を罰するなかれ」が刑事法の鉄則だと言われています。冤罪を決して生まないという姿勢から起訴された場合は有罪判決が下る可能性が極めて高い状況です。

その一方で検察官は捜査対象の約6割近くを起訴猶予としています。これだけ起訴猶予が多くなるのは上記に記した「100人の真犯人を逃しても1人の無辜(むこ)を罰するなかれ」という思想に起因していることに外なりません。検察官が生殺与奪の権のような絶対的な権限を有することに対して少なからず疑問に思ったりもします。

 検察官は捜査を的確に進めた上で私は容疑者全員を起訴して、その判断を裁判に委ねるのも一案ではないでしょうか。そして、裁判官こそが生殺与奪の権を唯一に有してジャッジするのも役割としては良いと思います。起訴猶予になった6割ほどの容疑者の中には多くの犯罪者が隠されているのでしょう。

 検察官は色々な捜査手法を有しているのですから起訴する確率をもっと高めないといけないと思います。“疑わしきは罰せず”ということを常套句としてはいけないと思います。

最後に私は正当業務行為による違法性を阻除されるケースは限定的でなくてはならないと思います。医師による正当行為、警察による正当行為、自衛隊によるによる正当行為、看護による正当行為などです。トラブルが発生すると多くの者は自身の正当性を唱えます。法を犯した場合においてはそれらの主張は極めて限定的であるべきだとすることは社会秩序を維持するうえで当然のことであると思います。あらゆる主張はルールを守って唱えなければなりませんし、あらゆる行為は適法であって然りであります。政治活動についてもそうであって欲しいと願ってやみません。法治国家日本において過激な革命や改革を私は望みません。私にはさだまさしの歌唱のように耳元でやさしく唱えてくれれば十分なのです。しあわせについてや天までのぼれや夢の吹く頃のように。それで多くの者に十分に伝わると思うのです。より共感の輪を広げ易い活動と環境が整えばと思います。

最後までご拝読を賜りありがとうございました。