確かにアメリカは相手を下の名前で呼ぶ文化はあるけれど…
おはようございます、Jayです。
“アメリカは相手が年上でも下の名前で呼んだり日本語のような敬語はない”とお感じの方、確かにそういう部分はあります。
でもだからと言って英語に敬語や礼儀がないわけではありません。
軍隊で上官に対して返事をする時に“Yes, sir/ma'am.”と言ったりしますし、“Will/Can you 〇〇?”とお願いする時に“Would/Could you 〇〇?”にすると丁寧な言い方になります。
他には子供が友達のお父さんお母さんを呼ぶ時は下の名前でなく“Mr./Mrs. 〇〇(苗字)”です。
仮に今私が子供時代の友達の親と再会しても“Mr./Mrs. 〇〇”と呼びます。
しかし私も大人になっているのでおそらく向こうは「もう下の名前で呼んでいいよ。」と言ってくれるでしょう。(もし何も言われなければ引き続き“Mr./Mrs. 〇〇”です)
日本のような敬語はないけれど、もしかしたら日本以上に重要視するのが「〇〇博士・〇〇大統領」などの敬称です。
敬称を得るためにすごい努力をしてきたので、その敬称を付けて相手を呼ぶという事はその相手へ敬いの気持ちを表しています。
例えば基本的に“Mr./Mrs. 〇〇”は失礼ではないですが、博士号を取得した人の中には“Mr./Mrs.”よりも“Dr. 〇〇”(ドクター〇〇)と呼んでもらいたい人がいます。
例えばとあるズーム会議でアメリカの大学教授が“Dr. ロザリオ”と呼んでもらうように市の建設関係の委員に何度もお願いしているのに、この委員は無視して“Mrs. ロザリオ”と呼び続けました。
この事が公になって炎上しました。
↓こちらがその動画です。
“たかだか敬称でしょ?”や“でもお願いしている相手が明らかに年上だからいいんじゃない?”とお感じの方もいらっしゃるかもしれません。
確かにどう呼ばれようと気にしない人もいれば彼女のように敬称をすごく大切にする人もいます。
そしてその後者の方達に対して「〇〇と呼んでください」と言われたのにそれを無視するという事はその敬称を得るための努力を踏みにじったり軽視する事なので大変失礼です!(年上だろうと何だろうと)
1:05~別の男性が同じ過ちを犯しますが、彼は「Dr. ロザリオです。」と彼女の訂正に彼は即座に謝罪してそれ以降はちゃんと「Dr. ロザリオ」と呼びました。(手を胸に当てているのは自分の非を認めていて、日本で言う頭を下げるのと同等)
ちなみに彼女のリクエストを無視し続けた最初の委員はクビになりました。
もう一つ敬称に対して起きた事をご紹介させてください。
ジャクソン州立大学アメフト部ヘッドコーチ(野球やサッカーで言うところの「監督」)のディオン・サンダース氏がインタビュー時に記者から「ディオン」と下の名前で呼ばれました。
これに対してサンダース氏は「コーチ・サンダース」や「コーチ」など敬称を付けて呼ぶようにお願いしたのですが、相手はそれを無視して再び「ディオン」と呼んだためにサンダース氏は退席してインタビューは打ち切りとなりました。
エンジェルスの大谷翔平選手は投手とバッター(野手)の二刀流ですが、このサンダース氏は現役時代にアメフトと野球の二刀流でした。
そしてメジャーリーグのワールドシリーズとアメフトのスーパーボウル共に出場したアメリカスポーツ界で知らない人はいないほどのすごい人です。
だからと言うわけではないですが、相手が自分と関係ない・興味のない分野であろうとも相手が敬称で呼んでほしければ必ずそうしてください。
私は今までに一度だけテニス元世界1位だったピート・サンプラス氏にインタビューした事があります。
彼に質問する時に“Pete”とは恐れ多くて言えず(言う気もなく)、“Mr. Samprus”と言いました。
もう一度思い出してみてください。
最初にアメリカには“Yes, ma'am/sir.”という敬語があると言いましたが、この“ma'am/sir”も敬称です。
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