もしも給食施設が被災したら? 〜熱海の土砂災害から考えるまちづくり〜
7月3日、熱海市で起きた大規模な土砂災害。原因は、盛り土によるものとも言われています。
あの熱海と同じような災害が相模原市内でも起こりかねない計画【津久井農場計画】をご存知ですか?
津久井農場計画とは…
ちょっと長い記事ですが、詳しく知りたい方はこちら↓を読んでみてください。
Twitterでは、津久井農場計画を考えるさんが詳しく情報を発信しています。
簡単にまとめてしまえる問題ではないのですが、一言で言うと、『津久井の峠にどこから運ばれてくるのかわからない土砂を積み上げて醸成した土地に牛250頭を育てる牧場を作る』と言う計画。
その計画の杜撰さや事業者の説明への不信から近隣住民の方は計画に反対をしています。
そして、今回の熱海での災害。
あの災害の映像や原因に関する報道を見て、津久井農場計画の事を連想した方も少なくないようです。
同じ相模原市内とは言え、正直なところ、津久井の方に関しては私はあまり馴染みがなく身近に感じることが難しいです。しかし、市内のこと、これからの相模原市のまちづくりとして無視はできない計画であると考え、情報には注目するようにしていました。
そんな中、目に入ったのがこちらのシミュレーション画像。
農場計画地は、相模原市の学校給食でおなじみのオギノパンの近くということは知っていたのですが、何しろ土地勘がない場所なのでいまいちイメージができずにいたのですが、このシミュレーションを見ると、オギノパンは土石流の行き先近くに立地していると確認することができました。
ということは、もし計画が進み土砂が積み上げられた結果、何らかの理由で土砂災害が生じた場合、オギノパンも被災することになるのでは?つまり、子どもたちの給食にも影響が?!
と思い、早速相模原市に問い合わせてみました。
Q1.オギノパンのパンを給食で使用している学校を教えてください。
【小学校】
旭、橋本、作の口、宮上、二本松、藤野、藤野南、川尻、湘南、広陵、広田、桂北、千木良、内郷、中野、鳥屋、根小屋、串川、津久井中央
【中学校】
上溝、田名、清新、上溝南、相陽、若草、大野北、共和、中央、大沢、旭、相原、小山、内出、北相、内郷、藤野、相模丘、中沢、中野、串川、鳥屋
【義務教育学校】
青和学園
となります。
Q2.オギノパンに限らず、パン工場が水害等で被災した場合の対応を教えてください。
パンの供給を担っている神奈川県学校給食会において、契約している工場間の調整を行い供給体制を維持することとなっております。
パン工場の被災状況や被災のタイミングによって、他の工場からのパンの供給が難しい場合は、献立を変更し主食を米飯にすることも含め、状況に応じた可能な対応を行ってまいります。
オギノパンのパンは小学校で19校(義務教育学校を含むと20校)、中学校で22校(義務教育学校を含むと23校)の学校で提供されており、特に中学校に関しては、市内の60%以上の学校で提供されている(利用率は40%ですが)ことがわかりました。
ひとつの工場が被災した場合、それだけ多くの学校の給食に影響が出ることになります。
被災した場合は、他の契約工場と調整するということになっているとは言え、緊急時にどこまで対応が可能なのか疑問や不安は残ります。市も業者も最善の努力を尽くしてくれるとは思いますが、それでも対応が困難な場合、一時的に給食が停止になる可能性もあるでしょう。
ですから、やはり避けられる災害は未然に防ぐための努力をすることが必要であると考えます。幸いにも津久井農場計画はまだ止められる可能性が残されています。
子どもたちの給食を作っている施設の安全を守るために市民として何ができるのか、今一度よく考えてみたいと思います。
なお、津久井農場計画について、今月25日に放送のBS-TBSの「噂の東京マガジン」で取り上げられるそうです。
ぜひ、見てみてください。
また、24日25日に行われるオリンピック自転車ロードレースでは現場の近くがコースになっています。どのような場所なのかを見ることができるかもしれません。