千利休の生涯を描いた小説『茶聖』を読了
2021.07.23 04:47
天下を治めるのは武力だけではなく、茶の湯!
安土桃山時代、「茶の湯」を一大文化として確立した千利休の生涯を描いた小説『茶聖』を読み終えました。
茶道に関する本は結構読んでいるので、基本的には知っている話ばかりでしたが、それでもこういう読み応えのある小説を読むと、その書き方によって人に対する見方や印象が変わって面白かったです。
ちなみに、「茶の湯こそ、武士たちの荒ぶる心と際限のない欲を抑える唯一の道具」というセリフが何度も出てくるんだけど、これだけは最近「どうなのかなー?」と個人的には疑問に思っています。つまり、そうではなかったのではないか?と思うのです。
千利休が古田織部を後継者として考えた理由が「逸脱にこそ茶人の真価がある」と考えたからというのは、他の本でも読みましたが、さすが「へうげもの」(=滑稽なふるまいをしてみせる者)の古田織部はカッコいいなー!
ちなみに今、古田織部の弟子だった小堀遠州を流祖とする遠州流茶道を学んでいますが、本小説では古田織部がまだ13歳の小堀作助(のちの遠州)を千利休に紹介するシーンも出てきました。