脳腸相関の再発見
「ガッツ(guts)がある」「腹がすわっている」など、メンタルを褒める言葉には、洋の東西を問わず、消化器官を示す言葉が使われているのは不思議です。
「脳腸相関」という言葉を最近よく耳にしますが、先日もテレビの科学番組で紹介されていました。
腸内フローラ(腸内細菌叢)の良し悪しで、メンタルやパフォーマンスが決まってくるそうです。
脳からの影響としては、緊張やストレスで急にお腹が痛くなったり、慢性的に胃腸の調子が悪くなるという経験はされている方も多いと思います。
腸からの影響としては、腸内細菌が作る物質を神経が受け取り、不安感や多動など感情にも影響を与えているそうです。
脳と腸は、迷走神経や肝臓を通して、互いに情報を伝え、応答し合っているそうです。
アスリートの腸内フローラは、多様性があってバランスが取れており、潰瘍性大腸炎を持つ人の腸内フローラは、単一で偏っているケースが多いという研究結果も紹介されていました。
また、アスリートの腸内フローラは、 筋肉を動かすために糖が分解されてできる乳酸を効率よく分解し、肝臓に手渡し、また糖として再利用できる能力に優れているそうです。
そして、ストレスにも強いのでメンタルも安定していて、パフォーマンスを上げられるそうです。
糖の消費が激しいマラソン選手が試合中に飲むスポーツドリンクは、糖分の補給と腸内環境を整えるものが開発されているそうです。
また、潰瘍性大腸炎や、パーキンソン病、アルツハイマー、うつ病などの治療薬として、腸内フローラの移植や、食品、医薬品として利用する研究が進められているそうです。
今や乳酸菌サプリも、腸内環境改善だけでなく、ストレスマーカーの研究結果まで示し、精神的ストレスの緩和もできる機能性表示食品として流通しています。
アーユルヴェーダでは、食物の質が心と体に影響を与えると、5000年以上前から教えてくれています。
また、体の組織や生命力の源となる食物を消化する能力を整えることを何より大切にしています。
食生活の変化や、抗生物質などの薬の使用によって腸内フローラが偏りがちな現代人は、もう一度、先人の知恵「医食同源」を見直した方が良さそうです。
科学知識と技術が、螺旋状に一巡しながら進化しているようです。
その進化のおかげで、地球上で我が物顔に振る舞っている人間も、小さな細菌やウイルスにも気配りしつつ、共生していく必要が明らかになりました。
脳のケアはTM(超越瞑想)で、腸のケアは医食同源で、相乗効果でストレスフリーの健康的な毎日をお過ごしくださいませ。
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※参考メディア
NHKヒューマニエンス 40億年のたくらみ「“腸内細菌” ヒトを飛躍させる生命体」
NHKスペシャル タモリ×山中伸弥「超人たちの人体~アスリート 限界への挑戦」