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射撃の大学

メンタルが弱い人の対処法

2021.07.25 08:44

大会などに出ると、射台に入った時に緊張してうまく撃てなくなったり、猟場で獲物を目の前にして心臓がバクバクいって外してしまう、、なんて経験は誰しもにありますよね。


また、そんなに緊張してるわけじゃないのに、なんとなくギャラリーを気にして外したり、同じ射団の前の人のテンポにつられてペース乱されたり。


こんなふうに、色々とメンタル面は射撃に影響します。今回はそのメンタル面の影響をどう対処して行くか、と言うお話しです。



メンタルの影響は大きく2つある

まず、メンタルの影響は大きく二つあるので、対処法も実はそれぞれ分けて行うと効果的になります。


1.緊張系の影響

まずは「緊張する」類のもの。心臓の鼓動が速くなり、肩が上がり動きが鈍くなります。


これはそもそも悪いものではなく、体が「危機・危険」だと感じている時の反応で、体がアクセルを踏むのを避けて「ブレーキ」をかける事で身を守ろうとしている、体に備わった正常機能の一つなわけです。


ただ、本当に「危機・危険」かと言うと、そんな事は全くなく、ぶっちゃけ大会で負けても死ぬ事はないし、何かに襲われる事もありません。一人でいきなり熊撃ちに行きでもしない限り、体の反応ほど実際は「ヤバいわけではない」のですよね。


なので、これに一番効くのは「場数」です。


なぜなら、終わってみて「あ、痛い思いをしなかった」「なんか楽しかった」なんて言う経験を重ねる事で、身体も「あ、危険じゃないし、危機的でもないんだ、、」と理解してくれるので、結果としてそのうちひどい緊張は自然と無くなって行くのですよね。


逆に言えば、ただ「大丈夫」と言い聞かせるとか、手のひらに「人」と書いて食べる、みたいなおまじない的な事をやっても、「正常な機能を阻害してる」だけなので、自分を騙して嘘をつくような事になり、逆効果になったりします。


そんなことより、すごい緊張したけど「楽しかったー」「面白かったーー」と言う体験の方が、正直だし自分自身の反応を受け入れた上で体側が勝手に緊張しなくなってくれるので、結果的に緊張しなくなるのは早いんです。


なので、「緊張」してしまううちは、スコアや成果を求めず、目一杯緊張したけど楽しかった、と言う経験を身体にさせてあげるのが対処法として一番効果があるわけです。


2.ペースやテンポを乱される


二つ目のメンタル影響は、そこまで緊張しているわけではないけれど、外野が気になる、他の選手が気になる、などで、ペースやテンポを乱される事。


これに関しては、シンプルに「技術不足」と捉える方が良いです。


まず、大会でギャラリーはいますし、上に行くほど増えます。プレッシャーも同じで、人に言われようが言われまいが、必ずかかるわけです。


これは「風が吹いたから」とか「天気が悪かったから」とか「今日は暑かったから」と言ってるのと同じで、大会は暑い日も風の日も雨の日もあるし、同じ射団にどんな人と当たるかなんて毎回わからないんですよね。


だから、外した理由や負けた理由を「何かのせいにしている」のと、「メンタルのせいにしている」のは大して変わらないんです。


こう考えれば、対処法は簡単です。


メンタルの影響がある時でも、なるべく身体がいつも通りに動けるように、意識側ができる限りのサポートをする事。


要は、同じルーティン、同じセットポジション、同じ視点、同じコール、同じ初動を意識的にちゃんとしてやる事。


この反復練習が足りなかっただけなんですよ。


そして、これで外れたらそれは仕方ないのですから、しっかり切り替えて次、次とやって原因をいちいち探さない事。


この二つになります。

決して、メンタルが乱れるのが悪い事なのではなく、メンタルが多少揺らいでもきっちり安定して同じ動きができるような練習が足りなかったせいなのです。



つまるところメンタルは悪くない


これが一番大切な知識なのだと思います。まずそれは自分を守るための大切な機能であり、これを受け入れる事。そして、多少のメンタルの乱れがあっても、それ自体受け入れてそれありきで練習しておく。


これが、「自分を信じる」と言う事であり、その結果が本物の「自身」につながるのではないでしょうか。