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阿部寛、リー・シンジエ、トム・リン監督が登壇!映画『夕霧花園』初日舞台挨拶オンラインレポート

2021.07.25 12:05

7月24日、公開初日を迎えた映画『夕霧花園』(ゆうぎりかえん)の公開初日舞台挨拶が東京・渋谷のユーロスペースでおこなわれ、映画のメインキャストを務める阿部寛、リー・シンジエと作品を手掛けたトム・リン監督が登壇しました。昨今の事情などによりそれぞれオンラインの登壇となりましたが、撮影時さながらのアットホームな雰囲気でトークが進みました。

そして最後に阿部は「ほんとうに戦争は悲しいものだなと実感しました。戦争自体がむなしいものであってどちらかが加害、被害というのはないのが戦争なんだと思います」と映画で取り上げられている戦争というテーマへの所感を述べながら「いま様々な形で社会が分断されている状況ですが、この映画を観て深く何かしら深く考えていただければと思います」とメッセージを送り、イベントを締めくくりました。


イベント概要

■日時:7 月24 日(土) 10:00の 回(上映終了後30分間)

■登壇者:?阿部寛(あべ・ひろし/57)、リー・シンジエ(マレーシアよりオンライン/英語名:アンジェリカ・リー/45)、トム・リン監督(台湾よりオンライン/45)

■イベント開催場所:ユーロスペース(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 3 階)


―――以下レポート

Q:まずはご挨拶と初日を迎えての感想を一言ずつしますお願いいたします。

阿部寛さん 「オリンピックも始まってお忙しいなかご来場ありがとうございました。この作品は3年前にマレーシアで撮影しました。暑い中、9ヶ国のキャストとスタッフが集まって集中して作りました。いよいよ日本で公開されるということでうれしく思っています」

リー・シンジエさん 「(日本語で)はじめまして、こんにちは。(阿部に対して)こんにちは阿部さん、お元気ですか。観客の皆さん映画を観に着て頂いてありがとうございました」

トム・リン監督 「ご覧になっていただいた観客の皆さんに感謝します。この作品がどういうメッセージを伝えようとしているのかご覧なればわかると思います。とにかくポジティブでプラスのエネルギーを皆さんにお伝えしたいと思います。」


Q:本作が皆さんにとって初のタッグだったかと思いますが、過去作・過去の出演作など

からそれぞれ他のお2人の印象はどんなものでしたか?また、実際にお会いしてみてその印象はかわりましたか?

阿部寛さん 「トム・リン監督は人間を深く描いていて優しさに満ち溢れている作品を撮られて、本作も形は違って戦争の話しですけども。シンジエさんは、現場で緊張すると思ってご本人の作品は見ないでいました。現場では気を使っていただいてさし入れもたくさんもらいました。監督も集中力と特別なこだわりを持って撮影に挑んでいる姿が印象に残っています」

リー・シンジエさん 「お二人と会ってほんとうにラッキーで、すごく期待していました。日本の俳優さんとお仕事をしたこともなかったですし、ほんとうに貴重な機会をいただきました。みんなで同じ方向を向いて、まるで事前の了解があったかのようでした」


Q:映画では秘密を守り通す有朋の姿が印象的でした。皆さんが秘密にしていることはござ

いますか?

阿部寛さん 「そうそう、マレーシアで撮影していてそれも夜だったんですが、監督に言ったら怒られるかも知れないんですが。大きな照明をたいていたら、マレーシアは昆虫が多くて、大きなカブトムシが飛んできて、それを何匹か捕まえて控室に連れて行ったんです(笑)」

リー・シンジエさん「そうですね。撮影で休憩を取っていたら、阿部さんのマネジャーが来てと言うので阿部さんのところに行ったらカブトムシがいたんですね。わたしは昆虫が苦手で、肌の上にカブトムシがいるのはちょっと…(笑)」


Q:阿部さんからご来場の皆様に最後にメッセージをお願いいたします。

阿部寛さん「この映画を観てどう感じましたでしょうか? ほんとうに戦争は悲しいものだなと実感しました。戦争自体がむなしいものであってどちらかが加害、被害というのはないのが戦争なんだと思います。いま様々な形で社会が分断されている状況ですが、この映画を観て深く何かしら深く考えていただければと思います」


【予告動画】


[作品概要]

日本ではあまり語られることのない第二次世界大戦におけるマレーシアの歴史と共に一組の男女の切ない恋が紐解かれていく。物語は亡き妹の夢である日本庭園造りに挑んだヒロイン・ユンリンと日本人庭師・中村が出会ったことで動き出す。キャメロンハイランドの美しい景色を舞台に、日本軍による占領という主従関係にあったマレーシアと日本という国の因縁を超えて惹かれあう二人だが――。戦中の1940年代、戦後の1950年代、1980年代からなる三つの時間軸を通して描かれる。

監督は台湾恋愛映画の名手トム・リン。爽やかな青春映画や恋愛映画を手掛けてきたトム・リンが今作品では舞台をマレーシアに、戦争という歴史から見えてくる人間の光と闇のコントラストを巧みに描き切った。ユンリン役は香港・台湾映画界をメインに活動するマレーシア出身のリー・シンジエ。日本では『The EYE 【アイ】 』やツイ・ハーク監督の『MISSING ミッシング』などで知られ、2012年の大ヒット韓国映画『10人の泥棒たち』でのジュリー役も話題となった。

今作では時代に翻弄されながらもたくましく生き抜く女性を好演した。日本人庭師・中村役は日本を代表する俳優の一人である阿部寛が務めた。昨今のイメージにはない繊細で幻想的な役どころ。庭師であり多才な芸術家、そして終戦時、日本軍により埋められたとされる莫大な埋蔵金「山下財宝」にまつわる秘密を握るスパイ疑惑をかけられる稀有なキャラクターを演じ、新たな魅力を発揮した。台湾を代表する女優であり、監督としての活躍も目覚ましいシルヴィア・チャンが1980年代のユンリンを担当。

その他キャストには『眺めのいい部屋』、『ドラゴン・タトゥーの女』、『オーシャンズ13』など出演のジュリアン・サンズなど出演のジュリアン・サンズら実力派や、映画監督のホー・ユーハンがカメオ出演し個性豊かに作品を彩る。

原作はマレーシアの作家タン・トゥアンエンの小説「The Garden of Evening Mists」。ブッカー賞ノミネート、マンアジア文学賞と歴史小説のウォルタースコット賞を受賞している。

[ストーリー] 

1980年代、マレーシアで史上二人目の女性裁判官として活躍するユンリンはキャリアアップのため連邦裁判所事を目指していた。かつて愛した中村がとある財宝にまつわるスパイとして指弾されているのを知り、彼の潔白の証拠を探すことを決意する。ユンリンにとって忘れることのできない約30年前の記憶を手繰り寄せ、想いが交差していく――。

リー・シンジエ 阿部寛 シルヴィア・チャン

ジョン・ハナー ジュリアン・サンズ デビッド・オークス タン・ケン・ファ セレーヌ・リム

監督:トム・リン

脚本:リチャード・スミス 原作:タン・トゥアンエン 撮影:カルティク・ビジェイ 美術:ペニー・ツァイ・ペイリン 衣装:ニーナ・エドワーズ ヘアメイク:ニッキー・グーリー、ビビー・チャウ 特殊メイク:カレン・タン、グレース・チョン 編集:スー・ムン・タイ 音楽:オン・サン

2020/マレーシア/120分/カラー/ビスタ/5.1ch

提供:マクザム、太秦 配給:太秦 後援:在京マレーシア大使館 協力:大阪アジアン映画祭

字幕:川喜多綾子 字幕監修:山本博之

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