提案『家庭での理科的学び』
昨今痛切に感じるのが子供達の理科的学びの欠如です。おそらく自然に接する日常が少なくなっているからでしょうか。
太陽と影の関係性を学んでいると影踏みをしたことのない生徒さんが以前おられました。共働きや習い事の増加、世知辛い世の中で子供だけでの遊びや遊び場所の減少などいろいろな要因があるのでしょうが、遊びを通して学ぶはずの理科的内容が遊びではなく学習で初めて出会ってしまうとても残念極まりない経験値不足が起きています。
子供には本来自分自身の生命を最大限に活用し、自らをより高い次元に向かわせ完成させようとする力を持っています。そして多くの経験を通して新たな発見をしたいという気持ちを秘めて行動を起こします。よって私達大人は子供の持つ小さな科学者としての目を如何なく発揮できるような環境を与え、子供自身が何を求めどのような行動を起こしているのかを確りと受止めるべきであると考えています。
家庭の中で学べる取組みは屋内・屋外共に存在します。それらは外遊びや散歩や庭や畑仕事やお手伝いや日常生活など視点を変えるだけで多く発見することができ、アイデアを搾り出すことで多くの発見や刺激を子供に与えることが出えきます。子供のふとした発言をもとに行動を起こしたり、子供の発する『なぜ、どうして』に確りと向き合い対応することもあるでしょう。
常々感じることですが子供が不思議だな、面白いな、楽しいな、こうしたらどうかな、調べてみよう観察しようと行動変容が起きて来るご家庭のお子さんはすこぶる頭の回転が速いものです。これは受身の姿勢ではなく自ら行動するということで鍛錬されているからでしょう。しかし子供自身がそのような芽を出しても親御さんが子供主体で行動を起こせない場合は残念ながら伸び悩みになることもあります。
あるお子さんが「ママは忙しいの。だっておうちのお仕事と妹のお世話があるから・・・」と寂しいそうにいった表情が忘れられません。きっと家の中での様子を鑑みて、言っても無駄なんだと悟ってしまっているようでもありました。私からすればこの小さな子供の気遣いは、子供の幸せに繋がるものと大きな成長を逃す両面があるのです。親御さんが忙しいときにこそ子供が吐露する言葉には真剣に向き合うべきです。
家庭の中にはいろいろな取組みが可能です。磁石の接着非接着、転がるものと転がらないもの、浮くもの沈むもの、立ってられるものとそうでないもの、生き物の成長と観察、種の発芽と未発芽の条件、日向と日陰、溶けるものと溶けないもの・・・挙げたら限がありません。親御さんのアイデア一つで子供の成長を最大限に引き出せるでしょう。レッスンではお子さんの性質とお母様とのご希望をお伺いして働きかけを行っています。