「MODERN BRITISH BOOKPLATES」W.E.and D.J.BUTLER
このinstagramや当店サイトを見て頂いている方はかなりの本好きだと思うのでご存知かと思うのですが、一般的にはエクスリブリス/ブックプレート/蔵書票と言っても何のことかわからないかもしれません。
それは15〜16世紀頃から始まった、自らの蔵書の、特に見返し部分に貼り付け、その本が自分の所有物であると示すためのものです。
当初はその所有の帰属をはっきりとさせる意味合いで使われていましたが、すぐにその蔵書票の意匠にも凝るようになり、ヨーロッパの製本文化(ルリユール)、本を自らの感性で装飾する文化と相まって、美的な価値が高まったひとつの「文化」と言っていいでしょうか。
また古くはデューラーから、日本では武井武雄さんなど、多くの画家やデザイナーも愛書家のための蔵書票を作り、その文化を発展させました。
製本文化のない日本では今でもあまり一般的なものではないですが、蔵書票は愛書家にとって欠かせないものとなり、この蔵書票を集める熱狂的なコレクターも世界中にいます。
こちらの本はそんな蔵書票の世界が垣間見れる素敵な本です。
イギリスの主に20世紀の愛書家たちの蔵書票が、原寸大で幾つも掲載されています。
蔵書票の歴史は印刷の歴史のようにドイツから始まって広がったものですが、こちらの「MODERN BRITISH BOOKPLATES」ではやはりイギリスらしいデザインが多く見られるのが楽しいですね。
ウィリアム・モリスのアーツ・アンド・クラフツ運動の影響を受けていると思われるものや、ホームズのような鹿撃ち帽にパイプがデザインされているものなど、個人的な趣向とその国の文化が奥行きを持って感じられるのも、蔵書票を見る楽しみのひとつかもしれません。
こちらの本はお求めやすい価格の本ですので、気になった方は是非オンラインストアでご覧下さい。
当店在庫はこちらです。
「MODERN BRITISH BOOKPLATES」W.E.and D.J.BUTLER