PSP
a、病態ですが、特徴は、病初期からの易転倒性に加え、進行すると、垂直性眼球運動障害や認知症を伴うことが特徴とされています。
b、特徴的身体所見ですが、PDに比べると、初期から転倒、嚥下障害が目立つ、とされています。
また、身体所見では、体幹部の固縮、核上性眼球運動障害がみられることがあります。
診察の様子は、下のリンク先を参照してください。
c、鑑別のポイント(典型例)ですが、画像のMRIの中脳被害部の萎縮が有名です。
ただし、これは、いわゆるPSP-RSの所見であり、他のPSPタイプでは、典型的な臨床症状・MRI画像所見を欠くことも多い。
PSPは、これまでにさまざまな診断基準が提案されたが、感度と特異度がトレードオフになって、確立したものがない。
(ただし、典型例は抑えておく必要があり、診断基準は表5に書いてある)
治療としては、確立したものはありません。パーキンソニズムに対しては、LDOPAが試みられることがあります。そのほか、三環系や抗うつ薬が有効の報告あり、このほかにも、マイスリーが有効という報告もあります。しかし、内服は、ジストニアや前頭葉を部分的に効果ですが、限定的なことがほとんどです。
<キーワード>
核上性眼球運動障害
随意的には眼球運動制限があるのに、OCR(人形の目現象)が保存されていることです。
下の診察動画の1:00-の診察を参照ください。
<外部リンク>
0:40- 下方向優位の眼球運動制限(この動画では、上方向も障害)
1:00- OCR(人形の目現象)の保存>これがいわゆる核上性眼球運動障害です。
1:45 歩行は大股で胸を張った歩行(PDの前屈で小刻みと対照的)
MRIの中脳被害部の萎縮が典型とされています。
難病センターの診断基準です。
眼球運動の異常です。PSPに多いとされています(もっと詳しく)。
診察で誘発するための動画です。