全東京首脳が集結、区民の仕事・生活を左右する『特別区長との意見交換会』
【社会ニュース】 平成二十九年二月二日に東京都(知事:小池百合子)は、都知事就任後で初となる『特別区長との意見交換会』を開いた。千代田区と大田区以外の特別区・二十三区の首長が出席し、都知事が「新東京~二〇二〇年に向けた実行プラン~(既報)」の趣旨等を説明。各特別区長が区民を代表し要望等を訴えた。
特別区民にとって『特別区長との意見交換会』は非常に重要だ。区長の手腕で区民の仕事・生活が変わる。一般の基礎的地方公共団体(市区町村、地方政府)と異なり、特別区には財務権限が無いと言える。これは区内の税金の一部が「都区財政調整制度」により一度、都にいき、協議を経て特別区に配分するシステムだ。この協議は「都区協議会(会長:荒川区長、西川太一郎、写真上)」と都知事で行う。報道現在、特別区を代表する八区長(荒川、港、板橋、新宿、文京、世田谷、練馬、墨田)が「都区協議会」で話し合う。『意見交換会』の前に第三回が開催された。
<区長達の決死のプレゼン>
特別区長達の意気込みは政令市の区長とは異なる。後者は市の職員で一般公務員だ。前者は区長と区議会議員の選挙があり、特別公務員。政策で結果を出せなければ、区民からは再選されない。特別区内の政策を決定付けるものは財源の多寡なので、如何に都から財源を獲得するかが特別区長の重大な仕事となる。『意見交換会』は、各特別区長が都知事に対する実質的プレゼンだ。
全特別区長と都知事が一堂に介するのは、小池都政では初めて。「都区協議会」は書面会議が多く、顔を合わせる事も少なく、八特別区長のみだ。一堂に介する事で特別区長達のそれぞれの力関係が見えてくる。
一番規模が大きい要望は、江東区(区長:山﨑孝明、写真上)だった。都知事が五輪後を見据えて江東区内の会場を「有明レガシ(遺産)」と称した面での有効利用を図る案に対して、江東区は新木場(辰巳国際水泳場や夢の島競技場など)までを含めた「湾岸レガシ」を提案。実現すれば規模は二倍以上となる。
足立区(近藤弥生、写真上)は、保育児と幼稚園児の就学前児童に対する施策を求めた。渋谷区(長谷部健)は、風俗求人などのラッピング広告のトラック規制を訴えた。目黒区(青木英二)は、特別区が対象外の「ふるさと納税」の打開を要望。
都知事は「現場に最も近い所にいらっしゃいます行政の長であられます皆さま方から、しっかりお話を伺いつつ、それらを盛り込みつつ、実行プラン・来年度の予算に都民ファーストの思いで実りのあるものにさせて頂きたい。」と述べた。
各区の主な要望は以下の映像の通り。
豊島区(高野之夫)
目黒区(青木英二)
葛飾区(青木勇)
中央区長(矢田美英)
杉並区(田中良)
北区(花川與惣太)
渋谷区(長谷部健)
品川区(濱野健)
中野区(田中大輔)
文京区(成澤廣修)
世田谷区(保坂展人)
新宿区(吉住健一)
板橋区(坂本健)
港区(武井雅昭)
墨田区(山本亨)
台東区(服部征夫)
江戸川区(多田正見)
『特別区長との意見交換会/東京都』
記事:金剛正臣×撮影:岡本早百合