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Perspective's Blog

GDP:#8 GDP領域のCSV対象システム③

2021.09.15 02:47

こんにちは、パースペクティブの田中です。

 

前回は厚生労働省の「医薬品の適正流通(GDP)ガイドライン」(以下、GDPガイドライン)にて要求されている業務を行うために使用される可能性のあるシステムのうち、医薬品の管理に関わる業務で使用されるシステムをご紹介しました。今回は品質マネジメントに関わる業務で使用されるシステムをご紹介していきたいと思います。

今回の記事で対象となるシステムは患者の安全や医薬品の品質に直接影響を及ぼすことはありません。そのため、前回・前々回に取り上げたシステムよりもリスクが低いと判断されることになりますが、CSVの対象であることには変わりありません。これらシステムにおいては、リスクに相応しい活動内容を計画することで効率的にCSVを実施することができます。 


◎品質イベント管理システム(QMSシステム、品質管理システムとも呼ばれる) 

GDPガイドラインで求められている品質マネジメントに関わる下記の活動状況を管理し、実績を記録として残すためにITシステムを活用することができます。製薬会社向けに提供されているパッケージシステムを利用することでこれらの活動をまとめて管理することもできますし、汎用的な進捗管理システムを用いることで各活動のプロセスに合わせて個別に管理することもできます。 


 ◎教育訓練システム

 GDPガイドラインでは、「全ての教育訓練記録を保管し、教育訓練の効果を定期的に評価し記録すること」が要求されており、GDPに限らず製薬業界の規制領域(GxP領域)では職員に対する教育訓練がとても重要視されています。最近ではeLearningシステムを利用して職員がオンデマンドで講義を受講したり、受講者の理解度を判定したりすることも行われています。さらに、教育訓練システムにて下記の情報を一元的に管理することにより、当局や業務委託者等による査察時に即座に必要な情報を提示することが可能となります。


◎文書管理システム 

GDPガイドラインでは、品質イベントや教育訓練の他にも下記のような各種文書および記録を適切に保管することが求められています。 

<品質マネジメント関係>

<施設及び機器関係> 

<業務関係>

これら文書および記録について、電子形式でデータインテグリティを確保した状態で保管したり、迅速に承認フローを回したり、リモート環境でどこからでも閲覧できるようにするためには、文書管理システムの活用が最も有力な解決策となるでしょう。 


 前々回から今回までの3回にわたって、GDP領域でCSV対象となり得るコンピュータ化システムを具体的にご紹介してきました。 次回からはこれらシステムに対してどのようなCSV活動を行っていくことになるのかをご紹介していきたいと思います。