NO46 こだまでしょうか 金子みすゞ
こだまでしょうか 金子みすゞ
「遊ぼう」っていうと
「遊ぼう」っていう。
「馬鹿」っていうと
「馬鹿」っていう
「もう遊ばない」っていうと
「遊ばない」っていう。
そうして、あとで
さみしくなって、
ごめんね」っていうと
「ごめんね」っていう。
こだまでしょうか、
いいえ、誰でも。
1996年にイタリアのリッツォラッティは、人類が誰とでもこだまのように響き合う能力を持っていることを証明する脳細胞の存在を偶然に発見しました。マカクザルを使って脳の活動を計測中、彼が昼休みにアイスクリームを食べていたところ、それを見たマカクサルの脳内で、食べる時に活動するある細胞が反応していることに気付いたのです。つまり、相手の行動を見ただけで自分も同じ行動をしていると感じ取る細胞を見つけたのです。鏡に映すみたいと、後にミラー細胞と名付けられました。誰かのあくびを見ると、自分もあくびをしてしまうのはミラー細胞の仕業かもしれません。
他の人の話や行動に共感したり、一緒に行動することに楽しさを覚えたりするのは、
このミラー細胞と関係があるように思われます。他の人と共にあることがいかに大切であるか、今、皆さんもコロナ感染のステイホームの中で日々感じていることでしょう。
金子みすゞの名前は皆さんも知っているでしょう。『私と小鳥と鈴と』の詩で有名です。山口県の仙崎村に生まれ、昭和5年に26歳の若さで亡くなりました。ミラー細胞の存在を、科学的な発見の前にこんな素晴らしい詩に残してくれていたのです。
コロナ禍の中で、皆さんは様々な困りに直面していることでしょう。先生方も同様です。自宅待機や学校行事の中止で大変な思いをして卒業した3年生に、横浜市立桜丘高校の先生が、次の短歌を贈ったという新聞記事が目に留まりました。
< 白マスクの上の静かな目を見れば、何とかしなきゃ、しなきゃ、と思う >
この気持ちは、皆さんが日頃接しておられる先生方も同様です。
有隣(徳のある人の周囲には同じ様な人が自然に集まってくる)本サイトの管理人は富永有隣が収監されていた石川島監獄の跡地に住んで居ります。