2021年度前期修了
日本の大学では、一般的に、前期(4月〜7月)と後期(10月〜1月)で分けて、13〜15回の授業(lecture)や演習(workshop)を行う。
私が所属している東北芸術工科大学では、80分授業15回を1セメスターとして科目設定がされている。(非常勤で出勤している法政大学では、100分授業だが、オンライン時代の授業時間としては、正直80分くらいがちょうどよいと感じている)
さて、昨年(2020年)のパンデミックとは異なり、今年度は大学側も学生側もそして私自身も新しいオンライン型の学習方法に慣れ、非常に効率的にかつ有意義な学習形態が確立できたと感じた。
本日、前期の授業を終えて、一段落したところで、受講生から多くのメッセージをいただいた。
とてもうれしかった。
私が20年以上前の大学生のころ、受講した授業のほとんどはクソだった。地方の国立大学に在籍してこともあり、教員の教えるレベルが低く、やる気もなく、それによって学生が全体的にモチベーションが低くなっていった。
大学生だったころの私を知っている人はご存知だと思うが、当時私は、語学の授業以外の講義で、常に一番前の席に座り、授業のたびに教員と議論をした。そうとう面倒くさい学生だった。一部の教員からは煙たがられていたし、怖がられたとも思う。私は、大学は研究機関ではなく、教育機関だと捉えている。授業料を払っているのだから、相当の価値を提供するのは当然だと思っていた。
その考えや背景があるから、「大学の授業は大学生のためにあるべき」という視点を常に意識して、大学生と向き合ってきた。授業は面白くなければならないし、テーマは身近でなければならないし、常に鮮度を大切にしなければならない。教員の立場であるからこそ、大学生以上に、今のトレンドを把握しなければならないし、私が知らない情報については、常に敬意を払って、教えてもらえる仕組みづくりも行ってきた。
他の授業やイベント、社会状況を考慮した、適切なワーク量を配分し、評価や指導を繰り返していくうちに、学生の表情の変化をみて、良かったのか悪かったのかを把握して、ようやく15回の授業(講義&演習)を終えることができた。正直必死だった。
そして、昨夜は久しぶりに徹夜をした。
とある担当科目で、先週、最終課題を課し、提出された200人分の評価を行った。
200人分の顔と名前はほとんど一致しないのは、申し訳ないが、オンライン授業で、カメラもオンにしない中では、判断のしようがない。
それでも、なんとか個々人の過去のワークと結びつけさせながら、最終課題を評価をした。
そして、その授業を終えて個別にいただいたメッセージをみていて、本当にやってきてよかったと感じた。
「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」
リクルート創業者が伝えてきたメッセージ、じんわりと伝わってきた。
前期が終わるタイミングで、大学に大きな虹がかかった。
大学生の皆さんもお疲れ様でしたが、自分にもご褒美をいただいた感じがして、ちょっと涙でた。