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RUN ON !!

特別な舞台

2021.08.06 08:00

7月23日に開幕し、繰り広げられてきた熱戦も、早いものであと数日で閉幕となりますね。

開催について議論が重ねられてきたこの大会ですが、選手たちにとっては人生を左右する大きな舞台。
大げさと思われるかもしれませんが、誇張ではなく、本当に人生を懸けて臨む舞台です。

スポーツというものは、趣味レベルで生涯続けることはできるかもしれませんが、トップアスリートとしての最高のパフォーマンスが発揮できるのは、20代、30代という選手が殆どです。
(10代で世界を制したり、40,50になっても活躍し続ける選手も居ますが…並々ならぬ努力だと思います)
この大会に出たかどうかでその後の人生が決まるといっても過言ではありません。
ですから選手がこの一瞬に賭ける思いは、きっと世の中の人々が想像するより遥かに大きいものだと思います。

選手の生涯を賭けた戦いを目にする度、ウルっときてしまうのは年齢のせいなのか…
はたまた現役中に感じていた自分の想いを重ねているのか…
どちらにせよ、やはり心が大きく動いている事には間違いありません。

皆さんは、人生を賭けた挑戦というものをしたことがありますか?
実際に命を懸けるかどうかは別として、「あ、ここの選択で自分の人生が変わるな」という場面に立ち会い、選択したことがあるかどうか。
自分はそんな大層なもの…と思うかもしれませんが、例えば進学の進路選択や、就職、結婚なんかも、実際は人生の大きな岐路であり、特別なチャレンジと言えると思います。

チャレンジというものは何も身体を酷使するものだけではありません。
私は最良の選択肢を考え、実行することそのものが挑戦なのだと思っています。
(アスリートにとってはたまたまその最適解が体を苛め抜くことだったりするわけです…)

ですからどんな方でも今の人生は選択肢を選んだ結果であり、その選択がどんな結果をもたらしたとしても、選択した、という事実は尊重されるべきだと思います。
私自身も陸上を引退してからついつい忘れがちになってしまっていますが、自他の頑張りを認め、尊重することを忘れないようにしたいです。

さて、よく聞かれる質問に、「五輪とそれ以外は違いましたか?」というものがあります。
これは選手の置かれた環境によって本当に考え方が違うと思うので一概には言えませんが、個人的には「YES」です。
私は3度世界選手権に出場したことがありましたが、同じ国際大会でも、やはり五輪は何とも言えない独特の雰囲気がありました。
世界選手権でも規模は小さいですが選手村は設けられますし、セキュリティも厳重だし、競技をする上でのルールも、顔ぶれも一緒だし…
それでもやっぱり、他の国際大会を上回る、ピリピリとした緊張感のようなものを感じました。

ただ、だからといって特別なことをするというよりかは、緊張感に包まれながらも、いかにいつもと変わらず平常心を保てるか、そちらに重きを置いていたと思います。

自国開催となったら、その緊張感がどれほどのものなのか…きっと想像をはるかに超えたものだと思います。
そんな中パフォーマンスを発揮し闘い抜く選手たちには心から拍手喝采を贈りたいです。

そして、応援の声というものもまた、応援者自身が思っているより選手の力になります!
究極的には自分の為に頑張っているアスリートですが、それが誰かの力になっていると分かるのは、非常に嬉しいことなのです…
是非、人生を賭けた戦いの舞台に立つ選手たちにエールを送って頂きたいです!

余談ですが…選手村の中ってどうなっているのか気になりませんか?
私が出場したのは2008年の北京。あの時は選手村の開発に伴って地元の方が苦労したというお話も聞きましたが…
それくらい広大な敷地で、中はバスでないと移動できないくらいでした。
中にはコンビニのようなお店はもちろん、(競技用ではありませんが)少し体を動かせる公園のような場所や美容室、ゲームセンターなんかもありましたね。
セキュリティはとても厳重で、選手村入り口でIDをチェックするセキュリティゲートでは、小銃を抱えた軍人さんが立っており、毎回航空機に搭乗する際のようなX線による手荷物検査がありました。

(ちなみにその3か月ほど前に行われた大会で北京に行ったときは、遠くの景色が見えず、汚い話ですが鼻をかむとティッシュが真っ黒になるくらいの大気の状態だったのですが…本番の8月ではこれでもかというくらいの晴天、クリアな大気。様々な噂が飛び交いましたが、この3か月で一体何が行われたのでしょうね…笑)

あれから10年以上も経っていますし、会場が日本なので、選手村内の設備はもっと発達していると思います。(感染症対策方面での施策もあると思います)

少し前に工夫を凝らした段ボールベッドが話題になっていましたね。
色々な工夫が凝らされた選手村も、沢山の方の想いが結晶となったものですから、是非とも注目したいものです。

東京での熱戦はまだまだ続きます!
皆で応援しましょう!


Today's Photo

2008年、北京にて。当時のマイル(4×400mR)日本代表のメンバーです。
後ろに見えるのが通称「鳥の巣」と呼ばれる競技場です。
運命的なことに、2015年に行われた世界選手権でも再度こちらの会場に訪れることとなりました。
現在はあまり使われいないそうで、ちょっと寂しいですね。


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