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二宮尊徳さんの教え

2017.02.04 10:32

〈人道を尽くして天道に任す〉

天道は自然そのものだ。

人道は天道に従うけれども、人がこしらえるものなのさ。人道を尽くして、あとは天道に任せるんだ。人道をよく尽くさないのに天道を恨んだりしちやいけんぞ。

庭の落ち葉は、天道で無心に日夜積もる。これを掃除するのは人道だ。しかし掃いてもまた積もる。これに心をわずらわせて、気づかいしながら、一葉落ちるごとに、ホウキをとって立つようでは、塵芥のために使われているようなもんで、愚かなことだなぁ。木の葉が落ちるのは天道だが、人道として毎朝一度掃いたらよいことだ。そのあとでまた葉が落ちてもそのまま放っておいて、無心の落ち葉に使われることのないようにすることだな。

一方、人道をゆるがせにして、落ち葉を積もり放題にしておくのはいかんぞ。日に一度は掃くこれが人道というものなんだ。

愚人でも悪人でもよく教えてやることだな。教えてやつても聞かないからといって、それに心を労わしてはいかん。聞かなくても見捨てないで何度でも教えてやるんだな。教えても聞かないからといって見捨てるのは、慈しみの心に欠けるし、教えてその通りにせんからといって見捨てるのは知恵に欠けるぞ。

不仁や不智というもんは、徳を積もうとする者にとって、一番恐れることなのさ。仁と智の二つを心掛けて、自分の徳というものを完全なものにしていくことだな。