映画『返校 言葉が消えた日』
コロナ禍で知り、実際にプレイした台湾発祥のゲーム『返校』。
プレイしたのは去年で、すぐに映画の情報を知り。
あーー日本では公開決まってないのかーー
と嘆いていたら、その数ヶ月後に公開が決定。
観たい、と思ってから1年。
まだ緊急事態宣言下だけれど、無事に観にいくことが出来て本当に嬉しい…。
久々に、公開初日に映画館に飛び込んだかも。
『返校 言葉が消えた日」
監督:ジョン・スー
出演:ワン・ジン/
ツォン・ジンファ/フー・モンボー/
チョイ・シーワン/リー・グァンイー/パン・チンユー/
チャウ・ホンジャン
映画のあとに制作された、Netflixでのドラマも先に完走。
ゲームの軸を中心に、ドラマは以前の話を加えて繋げ、映画にはラストにだけ、少しのエピローグが加えられてた。
この最後が…
映画の中のセリフでもあり、現代へ向けたメッセージのようにも捉えられて。
最後の最後でグッと涙が込み上げてきた。
『返校』はホラーゲームのジャンルであり、映画もダークホラーと謳ってる。
けれど、単にホラー要素を描いたのではない。
だってそもそも、台湾の歴史に残る、悪しき時代背景が主軸なのだから。
台湾の独裁政権が言論弾圧し、密告者は国から賞賛されると奨励していた“白色テロ時代”(1940年代後半から約40年間)が舞台となる。
日本の教科書には恐らく載ってない。
プレイすれば、または映画を観て知る台湾の歴史は、今からしたら信じられない政策だった。
言論の自由が当然の今だから。
ただ、戦争映画のような史実ものでもない。
あくまで、その時代にいた生徒、学校で描き、人の心の小さな揺らぎが罪悪感となってこびりつき、紐が解かれてゆく。
怖さだけでない。歴史のうんちくでもない。
ゲームで感じた、切なさや歯痒さがちゃんとベースにあり、リスペクトを感じて感動してた…。←
若き頃の精神的不安定さと、時代の危うさが映画でも上手く絡みあうのが見所。
映画も、少し切り口を変えたドラマも、トリガーは一緒。
ゲーム内に登場した奇妙なお化けに、ファン歓喜。
ちょっとだけリアルから足が浮き上がる分、昔観た『学校の階段』のようにも観えて。
知ってる日本人には、親しみがあるかもしれない。
子供の頃から『学校の階段』シリーズは特に大好きだったもんだから、個人的にも勝手にワクワクした。
『学校の階段』はエンタメ満載だったけど、
今作は実在した歴史があるため、比べればあまりに重たい『新・学校の階段』なのかもしれない。
衣装の制服には、番号が縫われている。
映画→ドラマの昔→ドラマの現在、
の順で、番号が古かったのが細かくてツボ。
あのキーアクセサリーは、映画・ドラマと同じ物を使っているのかしら。
ゲーム制作会社の【Red candle】を思わす、赤いキャンドルにも、ファン歓喜。
【Red candle】のゲームを初めて知ったのは『環願 DEVOTION』。
こちらもどちゃくそ怖いのに、最後はあまりに切ない人間性がドラマティックだったな…。
今は販売中止となっていて、私も未プレイ。
実況動画で知りました。←
思うと、コッチも映画化出来そうな気がするよ…。
残念なのは、上映館が思ったより少ないこと。
TOHO新宿あたりやると思ったんだけどなぁ。
他の夏映画に押されたか、、。
そして、「言葉が消えた日」という副題。
公表された時から違和感だったけど、本編観賞後も違和感は残って、ちょっと残念だった。
“消えたその日”ではないし、発禁本や思想の自由を奪われた点から、言葉、というチョイスでは無かったように思える。
なんなら、言葉は消えていなかったのだから。
ラストシーン、ちゃんと観たかしら。
とはいえ、私はそのプロではないし、宣伝と、広く伝えるために必須と考えられた結果なのだけど…。
歴史ものを扱うと、とんでもない力強さを発揮する昨今の韓国映画。
そこに負けじと制作したように感じる、今作、台湾映画。
切り口と、最後まで込められたリスペクトによって、最高のホラー映画となっていました。涙)
はぁぁぁ、
ゲームやってて良かったぁぁぁ。
コロナ禍で1番大きく得られた感覚かもしれない…。まさかの)
映画の前に再プレイしようと思ったけど、
元を追わないようにやめたんだよね。
鑑賞したから、帰って再プレイしよーーー。