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梨の日

映画『返校 言葉が消えた日』

2021.07.30 10:32

コロナ禍で知り、実際にプレイした台湾発祥のゲーム『返校』。


プレイしたのは去年で、すぐに映画の情報を知り。

あーー日本では公開決まってないのかーー

と嘆いていたら、その数ヶ月後に公開が決定。


観たい、と思ってから1年。

まだ緊急事態宣言下だけれど、無事に観にいくことが出来て本当に嬉しい…。

久々に、公開初日に映画館に飛び込んだかも。





『返校 言葉が消えた日」


監督:ジョン・スー

出演:ワン・ジン/

ツォン・ジンファ/フー・モンボー/

チョイ・シーワン/リー・グァンイー/パン・チンユー/

チャウ・ホンジャン



映画のあとに制作された、Netflixでのドラマも先に完走。


ゲームの軸を中心に、ドラマは以前の話を加えて繋げ、映画にはラストにだけ、少しのエピローグが加えられてた。


この最後が…

映画の中のセリフでもあり、現代へ向けたメッセージのようにも捉えられて。

最後の最後でグッと涙が込み上げてきた。



『返校』はホラーゲームのジャンルであり、映画もダークホラーと謳ってる。

けれど、単にホラー要素を描いたのではない。

だってそもそも、台湾の歴史に残る、悪しき時代背景が主軸なのだから。



台湾の独裁政権が言論弾圧し、密告者は国から賞賛されると奨励していた“白色テロ時代”(1940年代後半から約40年間)が舞台となる。


日本の教科書には恐らく載ってない。

プレイすれば、または映画を観て知る台湾の歴史は、今からしたら信じられない政策だった。

言論の自由が当然の今だから。


ただ、戦争映画のような史実ものでもない。

あくまで、その時代にいた生徒、学校で描き、人の心の小さな揺らぎが罪悪感となってこびりつき、紐が解かれてゆく。


怖さだけでない。歴史のうんちくでもない。

ゲームで感じた、切なさや歯痒さがちゃんとベースにあり、リスペクトを感じて感動してた…。←


若き頃の精神的不安定さと、時代の危うさが映画でも上手く絡みあうのが見所。

映画も、少し切り口を変えたドラマも、トリガーは一緒。



ゲーム内に登場した奇妙なお化けに、ファン歓喜。

ちょっとだけリアルから足が浮き上がる分、昔観た『学校の階段』のようにも観えて。

知ってる日本人には、親しみがあるかもしれない。

子供の頃から『学校の階段』シリーズは特に大好きだったもんだから、個人的にも勝手にワクワクした。


『学校の階段』はエンタメ満載だったけど、

今作は実在した歴史があるため、比べればあまりに重たい『新・学校の階段』なのかもしれない。



衣装の制服には、番号が縫われている。

映画→ドラマの昔→ドラマの現在、

の順で、番号が古かったのが細かくてツボ。

あのキーアクセサリーは、映画・ドラマと同じ物を使っているのかしら。



ゲーム制作会社の【Red candle】を思わす、赤いキャンドルにも、ファン歓喜。

【Red candle】のゲームを初めて知ったのは『環願 DEVOTION』。

こちらもどちゃくそ怖いのに、最後はあまりに切ない人間性がドラマティックだったな…。

今は販売中止となっていて、私も未プレイ。

実況動画で知りました。←

思うと、コッチも映画化出来そうな気がするよ…。



残念なのは、上映館が思ったより少ないこと。

TOHO新宿あたりやると思ったんだけどなぁ。

他の夏映画に押されたか、、。


そして、「言葉が消えた日」という副題。

公表された時から違和感だったけど、本編観賞後も違和感は残って、ちょっと残念だった。

“消えたその日”ではないし、発禁本や思想の自由を奪われた点から、言葉、というチョイスでは無かったように思える。

なんなら、言葉は消えていなかったのだから。

ラストシーン、ちゃんと観たかしら。

とはいえ、私はそのプロではないし、宣伝と、広く伝えるために必須と考えられた結果なのだけど…。




歴史ものを扱うと、とんでもない力強さを発揮する昨今の韓国映画。

そこに負けじと制作したように感じる、今作、台湾映画。


切り口と、最後まで込められたリスペクトによって、最高のホラー映画となっていました。涙)



はぁぁぁ、

ゲームやってて良かったぁぁぁ。

コロナ禍で1番大きく得られた感覚かもしれない…。まさかの)



映画の前に再プレイしようと思ったけど、

元を追わないようにやめたんだよね。


鑑賞したから、帰って再プレイしよーーー。