令和3年7月 月例インターネット句会 Vol.113
木暮陶句郎 選
◎特選 8句
レース編む指に夏木蔭の触覚(星野 裕子)
雨傘の中へ朝顔市の艶(木村 佑)
裏返すポッケきのうの夏匂ふ(星野 裕子)
山梔子の花錆びてなほ妬心の香(岩佐 晴子)
観覧車日傘まわして見上げをり(安部じゅん)
カラフルな絵の具のやうな夏野菜(松本由美子)
落ちてゆくことも快感水中花(星野 裕子)
やはらかき手乗りインコや五月晴(松本由美子)
〇入選 30句
上州の山烟らせて五月雨るる(清水 檀)
雲の峰越えて故郷を出で来しを(里村 閑)
初蝉の心許なきこゑのして(井野 紫)
もう二度と逢はぬ日傘を開きけり(ななさと紅緒)
白シャツを干す路地裏の二階窓(竹俣 修)
源氏池平家池とて白蓮(稲葉 京閑)
振り返る心のゆとり半夏生(清水 檀)
青梅雨や入り口長き投票所(松本由美子)
夏服やふわりと翔んだ水溜り(佐々木一栗)
オカリナの鉄腕アトム梅雨明ける(堤 かがり)
水差に良き歪みかな花さびた(鈴木由里子)
ほうたるや身ぬちの水の揺れやまず(ななさと紅緒)
キャンバスを滑る絵筆の穂の涼し(杉山 加織)
等分と言ひて小さきや母のメロン(木村 佑)
故郷はテトラポットの浜の夏(岩佐 晴子)
岩清水蒼き河原の三波石(安部じゅん)
手花火を競うていまだ恋知らず(ななさと紅緒)
鷺一羽からの分水梅雨の明(中村 東子)
炎天を来るスカートの白さかな(杉山 加織)
勇み足すべてを夏のせいにして(木村 佑)
ディオールのルージュを差して巴里祭(星野 裕子)
麻のれん掛けて女将の割烹着(清水 檀)
聴診器はずし一献糊浴衣(安部じゅん)
メロン匂ふ買ひ物袋受け取りぬ(杉山 加織)
鬼百合の開かんとして力あり(小暮 肇)
短夜の波へ消えゆく島の唄(木村 佑)
背伸びして結ぶ短冊星祭(清水 檀)
雑踏に君との軌跡星祭(鈴木由里子)
羅をしやんと着こなす背中かな(井野 紫)
灯涼し湯町の空の縹色(杉山 加織)
互選
6点句
水替へてより不機嫌な金魚かな(木暮陶句郎)
七夕や夢二のをんな胸薄く(木暮陶句郎)
5点句
もう二度と逢はぬ日傘を開きけり(ななさと紅緒)
手花火を競うていまだ恋知らず(ななさと紅緒)
裏返すポッケきのふの夏匂ふ(星野 裕子)
4点句
短夜の波へ消えゆく島の唄(木村 佑)
落ちてゆくことも快感水中花(星野 裕子)
上州の山烟らせて五月雨るる(清水 檀)
炎天を来るスカートの白さかな(杉山 加織)
3点句
山梔子の花錆びてなほ妬心の香(岩佐 晴子)
不器用な蜘蛛の囲都会育ちかな(木村 佑)
沙羅の花まだ落ちきらぬ薄暮かな(大渕 洋)
2点句
草いきれ山の畑の塩むすび(大渕 洋)
白シャツを干す路地裏の二階窓(竹俣 修)
思い思いに転がりて三尺寝(高橋ちとせ)
雨傘の中へ朝顔市の艶(木村 佑)
等分と言ひて小さきや母のメロン(木村 佑)
勇み足すべてを夏のせいにして(木村 佑)
カラフルな絵の具のやうな夏野菜(松本由美子)
観覧車日傘まわして見上げをり(安部じゅん)
聴診器はずし一献糊浴衣(安部じゅん)
大夕焼オオタニサンの二刀流(安部じゅん)
オカリナの鉄腕アトム梅雨明ける(堤 かがり)
夢二忌の近づく露の青山河(木暮陶句郎)
灯涼し湯町の空の縹色(杉山 加織)
1点句
夕立やゴールエリアに蹴りの傷(竹俣 修)
雨上がり滝の音色も濁りけり(森田 遊馬)
くぐる時雨のやみたる茅の輪かな(高橋ちとせ)
半夏生晩酌の酒かえてみる(小暮 肇)
鬼百合の開かんとして力あり(小暮 肇)
武士の都青葉の段葛(稲葉 京閑)
万緑の重さを伏せる源氏山(稲葉 京閑)
万緑へ架ける石段八幡宮(稲葉 京閑)
ディオールのルージュを差して巴里祭(星野 裕子)
振り返る心のゆとり半夏生(清水 檀)
故郷はテトラポットの浜の夏(岩佐 晴子)
虹渡る夢の続きはまた明日(佐々木一栗)
みちのくや願ひの糸の大きかり(里村 閑)
風強き時おだやかに風知草(堤 かがり)
雑踏に君との軌跡星祭(鈴木由里子)
初蝉の心許なきこゑのして(井野 紫)
羅をしやんと着こなす背中かな(井野 紫)
人問へば家号でもどる胡瓜畑(ななさと紅緒)
やはらかく蘭鋳頭ぶつけ合ふ(木暮陶句郎)
いいをんなたるや汗などかかぬもの(杉山 加織)
互選結果
◎井野紫 選
(9) 上州の山烟らせて五月雨るる
(21) いいをんなたるや汗などかかぬもの
(46) くぐる時雨のやみたる茅の輪かな
(63) 炎天を来るスカートの白さかな
(97) 大夕焼オオタニサンの二刀流
◎稲葉京閑 選
(1) 沙羅の花まだ落ちきらぬ薄暮かな
(2) 夕立やゴールエリアに蹴りの傷
(7) 不器用な蜘蛛の囲都会育ちかな
(31) 山梔子の花錆びてなほ妬心の香
(83) 七夕や夢二のをんな胸薄く
◎星野裕子 選
(18) もう二度と逢はぬ日傘を開きけり
(20) 水替へてより不機嫌な金魚かな
(41) やはらかく蘭鋳頭ぶつけ合ふ
(75) 虹渡る夢の続きはまた明日
(104) 夢二忌の近づく露の青山河
◎森田遊馬 選
(1) 沙羅の花まだ落ちきらぬ薄暮かな
(9) 上州の山烟らせて五月雨るる
(15) 風強き時おだやかに風知草
(31) 山梔子の花錆びてなほ妬心の香
(92) 落ちてゆくことも快感水中花
◎小暮肇 選
(9) 上州の山烟らせて五月雨るる
(23) 白シャツを干す路地裏の二階窓
(29) 裏返すポッケきのうの夏匂ふ
(64) 草いきれ山の畑の塩むすび
(91) 短夜の波へ消えゆく島の唄
◎松本由美子 選
(5) 七夕の短冊裏も願ひあり
(29) 裏返すポッケきのうの夏匂ふ
(48) 万緑の重さを伏せる源氏山
(71) ディオールのルージュを差して巴里祭
(102) 人問へば家号でもどる胡瓜畑
◎大渕洋 選
(23) 白シャツを干す路地裏の二階窓
(60) 手花火を競うていまだ恋知らず
(63) 炎天を来るスカートの白さかな
(68) 半夏生晩酌の酒かえてみる
(83) 七夕や夢二のをんな胸薄く
◎竹俣修 選
(7) 不器用な蜘蛛の囲都会育ちかな
(18) もう二度と逢はぬ日傘を開きけり
(34) 観覧車日傘まわして見上げをり
(91) 短夜の波へ消えゆく島の唄
(105) 灯涼し湯町の空の縹色
◎ななさと紅緒 選
(20) 水替へてより不機嫌な金魚かな
(25) 思い思いに転がりて三尺寝
(36) オカリナの鉄腕アトム梅雨明ける
(63) 炎天を来るスカートの白さかな
(105) 灯涼し湯町の空の縹色
◎清水檀 選
(1) 沙羅の花まだ落ちきらぬ薄暮かな
(18) もう二度と逢はぬ日傘を開きけり
(31) 山梔子の花錆びてなほ妬心の香
(52) 故郷はテトラポットの浜の夏
(53) カラフルな絵の具のやうな夏野菜
◎堤かがり 選
(25) 思い思いに転がりて三尺寝
(30) 振り返る心のゆとり半夏生
(89) 鬼百合の開かんとして力あり
(92) 落ちてゆくことも快感水中花
(100) 雑踏に君との軌跡星祭
◎岩佐晴子 選
(17) 初蝉の心許なきこゑのして
(18) もう二度と逢はぬ日傘を開きけり
(49) 等分と言ひて小さきや母のメロン
(56) みちのくや願ひの糸の大きかり
(60) 手花火を競うていまだ恋知らず
◎中村東子 選
(28) 雨傘の中へ朝顔市の艶
(29) 裏返すポッケきのうの夏匂ふ
(36) オカリナの鉄腕アトム梅雨明ける
(76) 聴診器はずし一献糊浴衣
(104) 夢二忌の近づく露の青山河
◎高橋ちとせ 選
(53) カラフルな絵の具のやうな夏野菜
(69) 万緑へ架ける石段八幡宮
(83) 七夕や夢二のをんな胸薄く
(91) 短夜の波へ消えゆく島の唄
(101) 羅をしやんと着こなす背中かな
◎里村閑 選
(6) 武士の都青葉の段葛
(63) 炎天を来るスカートの白さかな
(70) 勇み足すべてを夏のせいにして
(83) 七夕や夢二のをんな胸薄く
(91) 短夜の波へ消えゆく島の唄
◎木村佑 選
(5) 七夕の短冊裏も願ひあり
(20) 水替へてより不機嫌な金魚かな
(45) 雨上がり滝の音色も濁りけり
(60) 手花火を競うていまだ恋知らず
(76) 聴診器はずし一献糊浴衣
◎佐々木一栗 選
(29) 裏返すポッケきのうの夏匂ふ
(34) 観覧車日傘まわして見上げをり
(49) 等分と言ひて小さきや母のメロン
(60) 手花火を競うていまだ恋知らず
(97) 大夕焼オオタニサンの二刀流
◎鈴木由里子 選
(9) 上州の山烟らせて五月雨るる
(20) 水替へてより不機嫌な金魚かな
(64) 草いきれ山の畑の塩むすび
(70) 勇み足すべてを夏のせいにして
(83) 七夕や夢二のをんな胸薄く
◎安部じゅん 選
(7) 不器用な蜘蛛の囲都会育ちかな
(18) もう二度と逢はぬ日傘を開きけり
(20) 水替へてより不機嫌な金魚かな
(29) 裏返すポッケきのうの夏匂ふ
(92) 落ちてゆくことも快感水中花
◎杉山加織 選
(20) 水替へてより不機嫌な金魚かな
(28) 雨傘の中へ朝顔市の艶
(60) 手花火を競うていまだ恋知らず
(83) 七夕や夢二のをんな胸薄く
(92) 落ちてゆくことも快感水中花