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ChildDoctor

2017.02.06 16:32

今、チャイルドドクターというNPO組織のケニア支部で活動されている方のゲストハウスにお世話になっています。

色々と彼女の組織についてお伺いできるチャンスがあったので、備忘録までに。

最近、色々と思い悩んでいる事もちょっと腹落ちできました。



▼理想像

この団体の掲げる理想のGOALとして、

「障害を抱えた子の周りの親や兄弟などの家族までもが幸せになる世界」

「障害を抱えた子を中心に家族の団結が増すような社会の実現」(彼らを腫れ物のように扱うのではなく)

という理想像があるそうです。


今まで日本のNPO・NGO系の組織には少し偏見があったのですが、聞けば聞くほど素晴らしい活動をされているなぁと感じます。



▼課題感

ただ、もちろんそこには色々と難しい課題があるようです。

そこで、時系列に沿って抱える課題感を纏めてみました。



※産前※

□シングルマザーの家庭が多い

アフリカのような途上国全体が抱える課題かと思いますが、男性がSEXしたいだけで避妊せずにそのまま妊娠に至ってしまうケースが多いのだとか。

そのような場合、男性は責任を取らずに逃げてしまうので、女性側はなんとか生活をやりくりしなくてはいけません。

シングルで子育てとなると職にも容易に就けないため、彼女らが家に居ても自立していけるような内職などのバリエーションの多さも必要になって来ます。


□妊娠しても病院に来ない

本当は妊娠後は定期検診などに来るべきで、そこである程度の赤ん坊の状態など分かれば、予め対策がたてられます。

ただ、多くの場合、お金がないなどの理由で通院が遠のくそうです。

そうすると、蓋を開けるまで(産んでみるまで)分からないというリスキーな状態です。


□お産時の衛生面

前述の、来院率の低下による事前把握の欠如によって、最適なフォローが出来ないケースが多いそうです。

突然の妊娠によって、スラムなどの衛生面が最悪な所で産まざるを得ない。かつ、ちゃんとした助産師が派遣されずに産んでしまうとか。

子供を産むにあたって必須となる医療設備や衛生面の確保が難しい壁のようです。

脳性麻痺の子供の発症率自体は日本とあまり変わらないそうですが、このように後処置ができにくいために悪化してしまうケースが多いのも途上国ならではの課題だと思います。



※産後※

□コミュニティからのいじめが多い

周りの理解が足りないために、水をかけられたりなどの嫌がらせを受けるケースがあるようです。根本の原因は脳性麻痺なんですが、医学的な理解が低いためにそういう事を受けてしまうのだとか。

一部の地域かもしれませんが、呪いとか祟りみたいな扱いをされるようです。

耳が聞こえないとか目が見えないような外部的な障害は分かりやすいですが、脳内など内部の障害のケースの場合は想像しにくいために理解できないのだそうです。


□リハビリに来ない

バス代が無いなど、経済的な理由から、1~2年するとリハビリに来なくなってしまうケースがあるようです。

これも途上国ならではですね。

また、多くの場合、諦めてしまうケースもあるのだとか。

酷いケースの場合、他の医者に断りなく行ってしまって変な治療を受けてしまう事もあるようです。(現地の医者もビジネスなので、「うちはもっと安く早くリハビリ完了できるよ」と嘘をつく)


こうした様々な課題から、最悪のケースとして死亡に繋がってしまうケースがあるようで、


幼少時(2~5歳ほど)食べ物などを喉につまらせて窒息死してしまう

青年時(12~15歳ほど)体が硬直してしまう(成長期の発達が悪い方向に働く)ことで死に至る

というフェーズもあるようです。




▼解決策

前述のような課題感に対し、具体的にどういった活動で解決されているのかもお聞きする機会を頂けました。

□リハビリ業務

障害者本人に対する本業の部分ですね。ここはまぁ割愛で。


□親族向けの勉強会

毎回、参加者が増えているそうです。(直近だと80~90人規模とか)

そもそも参加者数が増えていると言う事は、ニーズがあることの裏返しでもあると思います。

また、副次的なメリットとしては、周りの人間の医学的な理解も進むので、変ないじめも無くなります。

更に、障害者を持った親族同士のコミュニティで苦労などを共感し合えるのも良いことだそうです。多くの場合、呪いとか祟りとかと誤認されてしまうために、親族はその障害者の子を家の中に閉じ込めてしまうのだそうです。でも、この勉強会によって「自分の家庭だけじゃないんだ」「ちゃんとした病気なんだ」という理解が進み、ポジティブに変化するのだとか。


□内職斡旋

前述のシングルマザーのようなお金が無い家庭への援助策として、内職業務も一部提供しているようです。これには2つメリットがあります。

①そもそもの経済的な自立を支援できる。

②リハビリに来る理由ができる。


後者の②の方が「なるほど~」と思ったのですが、前述の『お金が無い』『諦めてしまう』ケースは、これでカバーできます。むしろ、お金を得るために内職を斡旋してほしくて、そのついでにリハビリに来るケースもあるのだとか。

順番が前後してますが、こういったインセンティブを加えるやり方は素晴らしいと思います。ちなみに、斡旋する内職は、羊毛の汚れ取りとかそんな内容でした。


□ブログなどの広報活動

現地の職員含め、定期的にブログ更新しています。

これは継続されている事が凄いと思います。多くの場合、こう言う更新系のメディアって面倒くさくなって続かないので。。

また、こちらも副次的な事として、外部の人にブログを書いてもらうプログラムがあります。無料でChildDoctorのインターンシップ体験ができるプログラムとセットで、体験者にはFacebookなどでも自身のブログをアップしてもらう、という内容です。

サイバーエージェントに居て身に沁みて感じていますが、こう言った多くの活動は、いかに拡散させられるかも重要なファクターなので、このような手法は素晴らしいと思います。




という感じで思ったことをツラツラと。。

ちょっとまだ具体的なビジネスでの解決策など全然つかめてないのですが、この旅の中で色々と深堀って行きたいと思います。