薬草
http://search.eisai.co.jp/cgi-bin/herbillust.cgi?herbid=2157 【ヤブラン】 より
科名: ユリ科 別名: ホクロ 生薬名: ダイヨウバクモンドウ(大葉麦門冬)
漢字表記: 薮蘭 原産: 日本 中国
用途: 林野の中の陰地に自生する多年草。花は上向きに咲き、実は緑色。秋に根を堀り乾燥し、滋養強壮・催乳・咳止めに用います。やぶに生えて、葉が蘭の葉に似ているのでヤブランと呼びます。漢方の要薬で、強壮・解熱・リウマチなどに用いられます。
http://sakuraso.jp/house/modules/flower/index.php/content0140.html 【ヤブランの薬効】より
<イー薬草ドットコムより、転載>
薬効 滋養強壮 せき・たん催乳(さいにゅう) 分布生育場所 科名:ユリ科/属名:ヤブラン属 和名:藪蘭/生薬名:大葉麦門冬(だいようばくもんどう)/学名:Lirilope platyphylla
日本全国の山地や浜の林の下に自生する多年草。庭園などにも植栽されている。
見分け方・特徴
ヤブランは、林下に多く自生する多年草草本(そうほん)で、根茎(こんけい)は太く短く堅い木質で、根にはひげ根が多数あって、根にはところどころに肥大した小塊があります。
葉は、平たく細長い線状で幅6~15ミリ、長さ30~50センチで、根元からでて多数が叢生(そうせい)します。葉質は少し厚く濃緑色です。
花は、8~9月に花茎(かけい)を出して、上部は円柱状に花穂(かすい)となります。
花の色は、紫色で2~5個ずつ集まってついて、日中上向きにほぼ平開して、直径約7ミリで、花被片(かひへん)6枚、内側の3枚は少し大きく卵形、雄しべ6、雌ずい1があります。
果実は、球形で直径約7ミリで、熟すと黒くなり、種子は果実を破って露出します。
ヤブランはヤブラン属で、ジャノヒゲはジャノヒゲ属で、ヤブランとジャノヒゲは、よく似ていますが、大きな違いは、ヤブラン属の雄しべの葯(やく)は尖っていることと、種子がヤブラン属の場合は、いづれも紫黒色であって、ジャノヒゲ属はすべて碧色ですので区別ができます。
採集と調整
ヤブランは、初冬に根の肥大部分だけを掘り取り、水洗いして天日でよく乾燥させます。
これを生薬(しょうやく)名で、大葉麦門冬(だいようばくもんどう)といいます。
薬効・用い方
ジャノヒゲの麦門冬(ばくもんどう)と同様の目的で用います。
おもに漢方薬に配合される重要な生薬ですが、民間では単独でも用いていて、滋養、強壮、催乳、せき止めには、1日量6~10グラムとして水0.3リットルを、約3分の1量まで煮つめて3回に分けて温服します。
その他
名の由来は、林縁などの藪(やぶ)に自生して、葉が蘭に似ていることから、江戸時代のころに、ヤブランの名になったという
「農業全書・1696」には、薬種類の麦門冬(ばくもんどう)には、「大小二種あり、大きなるはやぶの中に多し。紫花をひらく。性もっともよし」との記述がある
また、「用薬須知(ようやくすうち・1726)松岡玄達」には、「大葉のもの其根最も肥えて味甘し、ヤブランと呼ぶ。小葉のもの蛇の鬚(じゃのひげ)と名づく。根また細小、功用相同じ」という記述がある
ジャノヒゲの肥大した根部を乾燥したものが、麦門冬(ばくもんどう)とされると同様に、ヤブランの根にも肥大する部分があって乾燥したものを、大葉麦門冬(だいようばくもんどう)といい両方を薬用に用います。
庭園などにも多く栽培されていて、とくに葉に黄白色の縦じまが入ったオキナヤブランが有名です。
https://www.akashi-clinic.com/kurashi/046.html 【潤いの生薬「麦門冬」】 より
潤いの生薬「麦門冬」
この秋、ブドウの房を逆さにしたような沢山の小さな青い実を付けた植物を、どこかで見かけませんでしたか?
11月に入った今は、もう実は落ちてしまったかと思いますが、案外あなたの身近の庭園や街路樹の植え込みにまだあるかもしれません。
AとB、とても似ていますね。
どちらもユリ科※ですが、麦門冬(B)はジャノヒゲ属、藪蘭(A)はヤブラン属です。
両者は花と実のつき方と色で見分けられます。麦門冬は下向きに咲き実は瑠璃色。藪蘭は上向きに咲いて実は黒(図は熟していないので緑色ですが…)です。
葉の姿から麦門冬は”蛇の髭”と呼ばれますが、その細い葉から”龍”(蛇にはヒゲはありませんね)の髭をイメージしたもの言われています。
ちなみに蘭のようなすっとした葉からの”ヤブ蘭”と言いますが、その葉じゃジャノヒゲより少し幅広です。ヤブ蘭といいつつ、蘭の仲間ではありません。
もし気づいたら、どっちかな…とぜひご覧になってください。
この麦門冬の根(膨大部)は生薬で、気道・皮膚・粘膜を潤す作用があり、痰を切れやすくしたり、肌の張りをよくする効果があります。空咳・痰の切れにくい咳、口腔乾燥(シェーグレン症候群)、皮膚乾燥症に対する治療に用います。
麦門冬を含む処方:麦門冬湯 温経湯 当帰飲子 清暑益気湯 清肺湯など
※植物の分類はこの数十年で変遷を遂げています。
ヤブランは、新エングラー体系・クロンキスト分類ではユリ科ヤブラン属でしたが、APG III分類体系ではキジカクシ科に分類されるようになりました。
新エングラー体系は旧分類なのですが、現在日本の植物図鑑・植物園ではこれが広く使われていて、日本薬局方の記載もこれになっています。
c.f.
新エングラー分類体系
1900年ごろにドイツのエングラーが提唱した分類で、修正・発展したもの。植物の形態・構造的特徴と進化を考慮した分類。被子植物を双子葉類と単子葉類に大別します。双子葉類をさらに合弁花と離弁花に分けます。
クロンキスト体系
1988年にアーサー・クロンキストが提唱した分類。双子葉類を合弁花と離弁花に分けていた概念をなくしました。さらにいくつかの科も変更されています。
APG分類体系
1990年代にAngiosperm Phylogeny Group(被子植物系統発生グループ)により提唱されたゲノム解析による分類の一つ。2009年のAPG III分類が広まりつつあるが、現在も検討が続けられている。
https://www.kanpoyaku-nakaya.com/matuba.html 【松葉(まつば):生薬、漢方薬の通信販売は中屋彦十郎薬局】 より
●松葉(まつば、マツバ)
「基源」
マツ科の常緑針葉高木、アカマツの葉を用いる。薬用にはアカマツを用いることが多く、市場品はアカマツが主流品。中国ではタイワンアカマツやユショウなどのマツの葉を松葉という。日本の二葉松にはアカマツのほかにクロマツがあり、クロマツが海岸に沿って多く見られるのに対し、内陸ではアカマツが多い。
木肌が赤褐色のためにアカマツという。
「産地」
北海道南部から九州、朝鮮半島、中国東北部に分布する。
「成分」
ピネン、ジペンテン、リモネン、フェランドレン、ボルネオール、ビタミンA,C、クエルセチンなどが含まれる。
「民間療法」
新鮮な松葉を焼酎につけた松葉酒や松葉を布袋につめて浴槽にいれると松葉湯になる。松葉茶もある。松葉で炭酸を作って飲むのが天然のサイダーとして親しまれている。
1日10~15gを煎じる。
赤松葉
赤松葉 中国 刻み 500g
(税込価格)2,808円
http://www.babakanpou.co.jp/contents/minkan/matsu.html 【アカマツ(マツ科)】より
■ 解説
マツは赤松と黒松に区別されます。アカマツは塩に弱いので山の高い所に多く、クロマツは平地や海の近くに多い特徴があります。幹の膚が赤いレンガ色だから赤松であり、もう一方は黒褐色なので黒松なのです。また、アカマツは葉が細くしなやかで全体的なやさしさから雌松(めまつ)とも呼ばれ、クロマツは太く長く全体がゴツゴツしてたくましいので雄松(おまつ)とも呼ばれています。薬用としてはアカマツ、クロマツ両方ともに用いて良いようです。
■ 形態
常緑の高木で高さ35m、直径1.5m位にもなります。日本での分布地は本州の青森から九州の屋久島までの山々で、日本の針葉樹としては最も分布範囲が広く、乾燥してやせた荒地にもよく育つタフな木です。雌雄同株(雌花と雄花が同じ木につくもの)で4~5月頃に花を咲かせます。松竹梅の上位に位置する松は、日本人の祝い事に昔から登場しますが、それは非対称の樹形や緑色の美しさ、荒れ地に根を張る強い生命力に日本人が強いあこがれを抱いたからだと思います。
■ 薬用途と用い方
松葉の成分にはビタミンCとKが多量に含まれ、その他にも蛋白質、糖類、テレピン油、鉄分、リン、カルシウム等様々なミネラルを含み、馬鹿にできない働きを持っています。中国の古書にもマツの効用についての記述が数多くあり、拾い上げて紹介してみますと次のようになります。①松葉や鱗のような樹皮などを煎じてお茶代わりに飲み続けていると心臓病や貧血。神経痛、リウマチ、ボケ予防等に良い。②松葉を5~6本噛んでいると歯痛によい。③松葉を煎じて飲み続けると高血圧に良い。④松葉の生や乾いたものを煎じてお茶にして飲むと滋養強壮、喉痛、声枯れに良い。⑤乗り物酔いにも松葉を噛んでいると良い。とのことです。我が家の庭にも松の木が2本あり、毎年、その手入れに頭を痛めていたのですが、今回、色々な事を調べていくうちに松にも意外な効用があることがわかり、そのうちボケ予防か歯痛にでも使ってみたいと思います。
http://www.sakumayakkyoku.jp/kanpo/dtl.html?id=93 【松の健康食品】 より
漢方の不妊症の勉強会で、ピクノジェノールの説明がありました。
ピクノジェノールとは、フランス海岸松の樹皮から抽出される成分とのことです。日本では健康食品として取り扱われますが、海外では医薬品として用いられているそうです。
ピクノジェノールと耳にし始めて当初は『痛みに良い。』『月経痛に良い。』などと人伝えに聞いていました。最近ではピクノジェノールは『抗酸化作用がある。』とよく聞きます。
酸化で思いつくのは、『活性酸素』、『紫外線』、『サビ』、『老化』、『ストレス』、『無酸素運動』など、酸化には良いイメージがありません。
しかし、ピクノジェノールの抗酸化作用は、ビタミンCやEの数十倍の作用だそうです。
その他に、漢方の薬草に松節(しょうせつ)と言うものがあります。これはフランス海岸松ではないですが、松の節(ふし)の部分を用いた薬草です。節には松の自然治癒力が凝縮されていると言われ、関節や筋肉の痛みや痺れなどに用いられているそうです。
松節もまたビタミンCやEの数十倍の抗酸化作用があるといわれています。
私が学生の頃、恩師の教授に病気とは酸化から起こるんだよと教えられました。
最近では、女性の月経関連の症状にも大変良いと言われており、子宝を望まれている方も多く愛飲されて、良い結果に結ばれている方も多いようです。
色々な松の健康食品が商品化されています。松の食品で、病気予防はいかがでしょうか??