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Hana ノ Namae

アイを集めて エゾアジサイ

2022.07.25 09:57
(2021/7/23 花巻市大和坊)


蝦夷紫陽花(えぞあじさい)

アジサイ科アジサイ属/落葉低木


青や紫や藍色等の小さな装飾花(萼が発達したもの)が集まって一つの大きな花の固まりを作るアジサイの花。

“集(あつ)まる”を意味する“あづ”+藍色を意味する“真藍(さあゐ)”で『集真藍(あづさあゐ)』。そこから音が転じて「あじさい」。


では、現在の漢字表記の「紫陽花」はどこから来たのか?というと、由来は中国の唐の詩人・白居易(西暦772-846年)の下の詩にまで遡る。


 何年植向仙壇上   

 早晩移栽到梵家   

 雖在人間人不識   

 与君名作紫陽花

 

 (書き下し文)

 何れの年に植えて仙壇上に向かう

 早晩移し栽えて梵家に到る

 人間に在りと雖も人識らず

 君に名を与えて紫陽花と作す

 

 (意訳)

 いつごろ仙人の世界で植えられたのだろう

 いつ、この寺に移し植え替えられたのだろう

 人間の世界にありながら誰もその名前を知らない

 君に紫陽花と言う名を与えよう


これを日本の平安時代の歌人で学者の源順(みなもとのしたごう・911-983年)がアジサイのことだろうと思い、アジサイに「紫陽花」の字を当てたと言われ、それが広まって定着した。

しかし、実はアジサイは日本の固有種で、白居易の生きていた時代の中国にアジサイは存在せず、この詩の"紫陽花"は恐らくライラックのことではないかと考えられている。


一般的によく見る毱のように丸く装飾花がつくものを"手毬咲き"と言い、このタイプを"ホンアジサイ(本紫陽花)"と呼ぶ。

原種はホンモノの花=花序の周りをぐるっと装飾花が取り囲む"額咲き"タイプで、これを"ガクアジサイ(額紫陽花)"と呼ぶ。

ガクアジサイの原種で、山地・山里に咲くものは”ヤマアジサイ(山紫陽花)”、海岸に咲くものは”ハマアジサイ(浜紫陽花)"。

ヤマアジサイの北方種で、北日本・主に日本海側に咲く、装飾花が薄青~水色のものが、北方を意味する”蝦夷”を頭につけて『蝦夷紫陽花(えぞあじさい)』。

(2022/7/25 十和田市・御鼻部山)


花言葉

・花全体:移り気/浮気/変節/和気あいあい/家族/団欒

・青〜紫花:冷淡/無情/辛抱強い愛情