ZWR クライブ・ディアス専用ワイルドライガー レビュー
2021.08.10 09:26
今回のレビューは、1/35スケール ZOIDS ゾイドワイルド列伝 より、
“ZWR01 クライブ・ディアス専用ワイルドライガー” です。
TVアニメ “ゾイドワイルドZERO” に登場したエース専用のカスタムゾイドを中心にタカラトミーモール限定発売で展開していくゾイドワイルドの新シリーズ、“ゾイドワイルド列伝” 。
その第1弾キットとして、共和国軍のクライブ・ディアス中佐の愛機として活躍した、
“M型 ライオン種 クライブ・ディアス専用ワイルドライガー” が
発売されました。
3月のゼノレックス・バスターXA(とオプション2種)の発売以降、ぱったりと音沙汰のなくなったゾイドワイルド。
このまま正式なアナウンスもなくシリーズ終了となってしまうのか? と思っていたところにこの “列伝” シリーズのスタートが告げられました(実際の第一報はバスターXAの発売前)。
どうやら、“ゾイドワイルドZERO” に登場したカスタム仕様のゾイドたちをリースしていくシリーズらしいけど、発売は随分先だなぁ(それまでのワイルドシリーズの一般販売アイテムは、正式発表が発売の一月前くらいでしたからね)。
これは、列伝はあくまでモール限定のサブシリーズであって、一般販売ラインのメインシリーズも一月くらいのインターバルをとってからまた再開してくれるのだろう・・と、そのときは思ったりしたのですが、それから4ヶ月以上が経過してしまいました。
一般販売のラインは、マジで終わりなんかなぁ?
しかし、この間何度か訪れた近隣の実店舗では縮小こそされてはいますが、一応いまだにゾイドコーナーは残っています。
ただ象さん率高めで、どこも扱いに困っているような気がしてなりませんが(悲)。
しかしということは、タカトミ側からはっきりシリーズ終了だと言ってきてはいないのだろう、と勝手に解釈している僕です。
きっと今は充電期間なんでしょう。
列伝シリーズもその間の繋ぎなのだと思っていますが、一般販売ラインでもしっかり繋いでおいてほしいですよね。
ランダムキットなら出せるだろうに、なんで出さないのか? あれ、売れてたと思うんだけど・・
Vol.1を出したっきりであとに繋げないというのは、打ち切り感強くて印象悪いでしょうに。
・・と、冒頭から愚痴全開ですみません。本題に戻ります。
そんなわけでディアス中佐専用のワイルドライガー。
アニメ前作およびキットのファーストシリーズにおける主人公機のカスタム仕様で、2期OP冒頭のシルエット演出でもほかに登場するゾイドはすべてセカンドシリーズからの新型ばかりのなか、カスタム機とはいえファースト出身から唯一選抜とかなり印象に残る機体でありました。
当然、アニメ放送時からキット化の要望は高かったと思うのですが、アニメ終了から9ヶ月ほど経ってようやくの発売となりました。
まぁ、遅いよね。
しかもモール限定なので、購入するのもある程度熟したファンが大半だろうし。
なんでアニメ放送時のリアルタイムに一般販売できなかったのか・・
ゾイドが、キットとアニメとで微妙に設定が違うのは、そもそもキット発のコンテンツであり、アニメは第2期(いわば復刻版)からのメディアミックスだったから、旧シリーズではまぁ仕方のないことではあるのですが、端から完全な新シリーズとして始まったワイルドシリーズは設定統一してもよかったのではないか? と、今さらながらに思います。
やっぱり混乱したと思うんですよ。ワイルドシリーズで初めてゾイドを知った子供たちは。
あぁ・・またぐちぐち言ってしまっている・・
レビューに移ります。
まずはパッケージから。
同じタカトミの商品であるトランスフォーマーのジェネレーションセレクトシリーズを思わせる無地箱仕様。
おおよそのサイズは一般販売の同型アイテムと一緒ですが、天面がガバッと開くN式箱という種類の箱になっています。
なんというか、特別感のある箱ですね。
まぁ、カラー印刷ではないので、そういう意味では決してコストがかかっているわけではないのでしょうが、こういう一見地味な見ためにむしろ高級感を感じます。
TFジェネセレでは箱自体は共通デザインでクラス(サイズ)が共通のものでは使い回されています(日本版は専用のスリーブケースが付属)が、こちらでは箱に直接商品名やイラストが印刷されているので、それぞれ専用の箱になるようです。
では、復元していきます。
説明書は、いわゆる通常仕様のワイルドライガーを組み立てるための “復元の書(冊子)” と、ディアス専用機に組み換えるための “改造マニュアル(1枚もの)” の2部構成になっていました。
ボーン形態
もう何体作ったか・・すでになにも見ずに組めるようになって久しいネコ科のボーン。
ボーンパーツの成型色は明るめのガンメタリック(ちょっと青味入ってるかな?)で、牙や爪などはブルーグレー。肋骨および尻尾の先端は同様のブルーグレーで塗装されています。
今回はまずディアス専用機として復元しているため、通常仕様のブラストユニットおよびその連動パーツは組み付けていません。
そのため、常時首が下がった状態になっています。
ここにはなにか救済措置というか、新規パーツを組み込むなりしてせめて手動で切り替え可能なようにしてほしかったですかね。
とりあえずここまで、新規造形パーツはありません。
では、外装、武装を取り付けて復元完了。
クライブ・ディアス専用ワイルドライガー
通常仕様のタテガミクローに代えてキャノンブルのメイン武装(ブラストユニット)である9連キャノン砲を装備。
さらにその側面にAーZ対空速射砲、後脚外装にAーZ3連チャージミサイルを増設し、砲戦能力を強化したワイルドライガー。
角度にもよりますが、頭部側面に広がるタテガミパーツに背中のゴツ盛武装が相まって、ライオンというよりヤマアラシみたく見える・・
さすがに横から見るとネコ科の猛獣らしいプロポーション。
外装はブルーグレーとメタリックブルーがメインになっており、もともとの白いライガーとはかなり印象が異なっています。
前脚および後脚外装のメタリックブルー、頭部側面のタテガミと尻尾付け根外装の白いラインなどは塗装されています。
なお、塗装済みパーツはすべて個包装されていました。
共和国マークはシールで再現されています。
なにげにワイルドシリーズでシール貼ったの初めてかも・・
やはり、一見してライオンには見えないボリュームたっぷりの後ろ姿。
外装についてはカラーリング以外、基本的に通称仕様と変わらないのですが、唯一頭頂部のタテガミパーツのみ、9連キャノン砲との干渉を避ける意味もあるのでしょう、通常仕様のものよりぐっと短くなっています。
今回はこのタテガミパーツのみが新規造形。
ライダーの騎乗位置は通常仕様から変わらず、首許。
フィギュアも半透明の汎用タイプですが、これも新規造形、塗装済みのディアス中佐フィギュアにしてほしかったですね。
ハズブロ版では付いてくるんでしょ? アニメ登場キャラのフィギュアが(まだ1作目のだけだったか?)。
でもあのハズブロ版って、ゾイド本体もタカトミ版そのままじゃなくて、簡易版みたいなもののようですね。どういうことなんだろう?
エヴォブラスト(進化解放)形態
9連キャノン砲のカバー(ブレットシールド)を手動で開き、砲身を露出させることでエヴォブラスト形態に移行。
通常仕様のワイルドライガーでは電動歩行ギミックに連動してタテガミクローが展開し、自動的にワイルドブラスト(本能開放)形態に移行しましたが、ブラストギミックの換装に伴い連動ギミックは機能せず、形態移行は手動に。
結果として、通常形態でもブラスト形態でも常に首は下がった威嚇姿勢を維持。
ここは新規パーツの導入などで・・以下同文。
なお、進化開放技についてはとくに言及されていなかったと思います。
武装
9連キャノン砲
通常仕様のメイン武装であるタテガミークローの代わりに、キャノンブルのブラストユニットをそのまま装備。
通常時はカバー(ブレットシールド)で前面を覆っていますが、
進化解放(手動)することで2数類の形状の砲身、計9門が露出します。
なお、砲口はそれぞれ5㎜、3㎜穴になっているので、別売の改造武器やTFのエフェクトパーツなどを取り付けることが可能です。
後部にはライダーシートももちろんそのままあるのですが、付属のフィギュアはタイプが違うのでそちらへの騎乗はできません。
ブレッドシールドのディティールやユニット後部は塗装されています。
AーZ対空速射砲
9連キャノン砲の側面に装備された2連装の対空砲。
改造武器 バスターレーダーユニットなどに含まれているものがそのまま追加されています。
成型色はボーンパーツと同色で、砲身先端のみシルバーで塗装されています。
AーZ3連チャージミサイル
左右の後脚外装に装備される3連装の大型ミサイル。
やはり、改造武器セット バスターレーダーユニットなどに含まれるパーツがそのまま追加。
アニメデザインでは先端にカバーが被せてあり、発射時にカバーがパージされるのですが、そこまでは再現されていません。
完全再現・・?
なお、装着時には後脚外装のフィンパーツを取り外す必要があるのですが、最初それに気付かず、
上画像のようにそのまま取り付けていたため、フィンが干渉して角度代えられないし、このままだと自分に当たるぞ。なにかジョイントパーツ噛ませたほうがいいな・・とか思ってしまっていた僕です。
みんな、ちゃんと説明書は読もうね。
タテガミクローも付属するので、通常仕様のワイルドライガーとして組むことも可能です。
実際には、頭頂部のタテガミパーツは短い新規造形のものしか付属しないので、完全な色違いの通常仕様にはできないのですが。
とりあえず首は上がるので姿勢はよくなりますね。
もちろんワイルドブラスト(本能開放)形態にも。
基本的に電動歩行との連動でこの形態に移行しますが、手動でも移行可能。
そしてタテガミクローを展開したまま首を上げることもできます。
電動アクション
まず通常形態で。
4本の脚で歩行。
ブラストユニット側面の軸が回転し、それに押されるかたちでAーZ対空速射砲が上下に可動します。
首は下がりっぱなしなので、口も最初から開閉します。
まぁなんというか、ずっと威嚇体勢でにじり寄っていく感じですね。
ブラスト形態で。
通常状態での動作に露出した9連キャノン砲砲身の前後動が加わります。
砲身は縦に並んだ3門が一体成型になっており、3列が交互に前後スライドする仕組み。
ただシャコン、シャコンとけっこう大きな音が出るので、その点はちょっとチープな感じはあります。
ちなみに、通常形態でもユニット内では当然同じ動作が繰り返されているわけですが。それをカバーで無理矢理押さえているという状況になります。
ついでに通常仕様でも。
こちらがワイルドライガー本来の電動歩行ギミックとなります。
歩行と同時に首が段階的に下がっていき、最後まで下りたところでタテガミクローが展開。以降、クローの振り下ろしと口の開閉動作が加わり歩行を継続します。
なお、L型やXL型ではその後また自動で通常形態に戻るのですが、このライガータイプは手動でしか通常形態には戻せません。
比較画像
通常仕様のワイルドライガーと。ボーン形態で。
通常仕様もブラストユニット(タテガミクロー)を外し、首を下ろした状態で。あ、連動パーツまで外すのは忘れてしまいました・・
ともあれ、この状態ではただのカラバリでしかりませんが、肋骨と尻尾先端に塗装が追加されているのでやはり特別感はありますね。
外装、武装を取り付けて。
遠距離への攻撃手段・・というかいわゆる火器の類いを一切装備しない通常仕様に対し、メインの格闘部武器を捨てて砲撃用武装をごつ盛りしたディアス機。
どちらが素体の特性をより引き出せるのか、正直疑問ではあります。
そもそもディアス中佐はこのライガーに乗る前、同じく対空速射砲を装備したトリケラドゴスに乗ってたんですよね。
で、最終的にオメガレックスに乗ったこと思うと、このライガーがむしろ異色なんだよなぁ。
ブラスト形態でも。
近接特化から遠距離攻撃特化へ。
まったく違うベクトルで改修されたことがよくわかります。
ともに通常仕様で。
カラーリングはもちろんですが、頭頂部のタテガミの長さでもけっこう印象が変わっています。
よりライオンっぽいのはディアス機かなあ。
やっぱり白いほうはウサギとかネズミっぽく見えてしまう・・
ブラスト形態でも。
タテガミクローのブレード部分はシルバーとかで塗ったほうが雰囲気がよいかもですね。
さすがにオマケパーツのようなものなので、成型色のままですし。
キャノンブルとも。
対空速射砲を除くと体高はほぼ同じですね。
9連キャノン砲についてはキャノンブルのそれそのままなので、帝国との共闘が決まってから供与を受けた、ということだったのかな。
結局アニメは飛ばし飛ばしでしか見なかったからなぁ・・
ブラスト形態でも。
ディアス中佐の戦闘スタイル的にはキャノンブルをそのままもらってさらに強化したほうがよかった気もしますが、なるほど、あんなストーリーがあったわけですね。
しかし、セカンドシリーズ最初のアイテムが、ワイルドライガーのバリエショーンであるビーストライガーとキャノンブルだったわけですが、お互いのブラストユニットが交換可能ということで、以降同様の機体が続々登場し、様々なユニット交換ができるのだろうな・・と思っていましたが、結局その後はまた内蔵式がほとんどになりましたね。
というか、セカンドシリーズのM型で完全新規だったのってキャノンブルとスナイプテラだけだったし・・
以下、画像
本家タカトミのゾイドシリーズなので、アクションポーズというものはほぼとれませんが、武装ゴツ盛りなので、撮る角度でそれなりに画になりますな。
キャノンブルからライダーフィギュアを拝借して、背部ブラストユニットのシートにも搭乗させて2人乗りに。
そういえば、ワイルドシリーズでは複座タイプのゾイドは出てきませんでしたね。
アニメでは2人乗りのシーンもあったっけか。
進化解放! エヴォブラストっ!!
トランスフォーマー、WFCトリロジーシリーズのエフェクトパーツ(画像はスカイリンクルに付属のものだったかな)が相性抜群。
さすがに付けたまま電動歩行させると、重さのせいで動作が不安定になりますけどね。
タテガミクロー装備でワイルドブラスト。
なんか冷気属性ライガーみたいでこれはこれで格好いいな。
頭頂部のタテガミが短くなってるのが地味にいいんですよね。
対空速射砲だけ付けてみる。
ファーストシリーズの機体は3㎜軸が少ないので、やはり武装にはちょっと不向きですよね。
レオのライジングライガー、リュックのキャノブルと一斉攻撃。
対オメガレックスかな。
以上、“ZWR クライブ・ディアス専用ワイルドライガー” でした。
パーツの追加と塗装で、アニメ仕様のゾイドたちを再現する列伝シリーズ。
そのトップバッターとして、今回のディアス専用ライガーはシリーズのクオリティとプレイバリューをしっかり示してくれたと思います。
やっぱり塗装でぐっとよくなるんだよな、ゾイドは。
自分じゃなかなかできない(というかやらない)けど。
電動アクションキットとしての出来はすでに保証されているので、そこについてはなんの心配もありません。
まぁ、メイン形態で首が下がりっぱなしという点について、なんらかの処置をしてほしかったという思いはあります。
ディアスのライガーというと、やっぱり2期OP冒頭のシルエット、すっくと脚を踏ん張り、顔を上げて立っている印象が強いので・・
あと、新規パーツこそ頭頂部のタテガミパーツのみで、ミサイルのカバーはオミット、ライダーフィギュアも一般販売品と同等で未塗装と、アニメ版の完全再現を謳うには少々詰めの甘いと感じる部分もありました。
ともあれ、まずはワイルドシリーズの命脈を繋いでくれたことに感謝です。
ゾイドワイルド列伝は、すでにシリーズ第5弾までの発売が決定していますが、さら続くというのであれば、アニメ第1作からの登板も少し期待しています。
デザートカラーのガブリゲーターとか、ステゴゼーゲの背ビレを持ったナックルコングとか、欲しい。
もちろん、一般販売のメインシリーズ再開も待っていますよ。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。