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気づき

2018.08.04 02:40

Facebook・清水 友邦さん投稿記事

自分の本当の心の声を聞かずに他人の言うなりのままに行動してなぜ苦しんでいるのかわからずに盲目的な行動を繰り返す大多数の人々の日常の恐ろしさに気がついたのなら

最も重要なことはそこから逃れる事、囚われから自由になる事しかありえないでしょう。

それは肉と皮を剥がれるのを大人しく待っている羊から百獣の王であるライオンに変容する事を意味しています。

以下、羊の群れの中で育った虎の子が、見つけられた虎に連れ出されて初めて咆哮する寓話「獅子の咆哮」

『羊飼い達は、毎日羊の群れをつれて、森や草原を歩きまわっていました。

あるとき、川辺で羊たちに水を飲ませていると、薮のかげから小さな動物の鳴き声が聞こえてきました。

不審に思って声のするほうに行ってみると、一頭のライオンが死んで、横たわっていました。

そして、そのそばに、生後まもないライオンの子供が、死んだ母親にすがりつくようにして泣いていました。

羊飼いはかわいそうに思って、ライオンの子をつれてかえり、それを羊の群れのなかにいれて育てました。

ライオンの子は、ほかの羊たちと同じように育てられました。

そして、ライオンの子はミルクを与えてくれる羊を母親だと思い、一緒にミルクを飲む羊を兄弟だと思いながら成長しました。

大きくなるにつれ、ライオンの子は、自分がほかの羊たちと少しちがっていることに気づきはじめました。

たてがみのところにふさふさした体毛があります。

けれども、ほかの羊のように全身をおおっているわけではありません。

声も羊より低音で、すこし奇妙です。それになにより、草を食べてもちっともおいしいと思えないのです。

羊は一日中草を食べて満足していますが、ライオンはそうではありませんでした。

まわりの羊たちは、ライオンの子を病気の羊という目で見ていました。

ある朝、羊たちはいつものように草原に散らばって、草を食べていました。

そこに一頭の大きなライオンがやってきました。

ライオンは羊の群れに襲いかかるために薮に隠れて羊たちに近づきました。

そして、どの羊を襲えばいいのか、羊の群れを眺めました。

大きなライオンは、そこに信じられない光景を目撃しました。

羊の群れのなかに一頭の若いライオンがいたのです。

まわりの羊たちはその若いライオンを怖がるわけでもなく、一緒に草を食べながらたわむれています。

大きなライオンは自分の目を疑いました。

こんな光景は今まで見たこともなかったし、聞いたこともありませんでした。

大きなライオンは藪から飛び出しました。

「ライオンだ!」

羊たちは四方八方に逃げはじめます。

自分を羊だと思っている若いライオンも、ほかの羊たちと同じように必死に逃げました。

大きなライオンは羊たちには目もくれず、若いライオンにむかって一直線に走りました。

若いライオンも全速力で走りましたが、大きなライオンの足にはかないません。

とうとう、追いつかれてつかまってしまいました。

全身を恐怖で震えながら、若いライオンは泣いて許しをこいはいじめました。

「メエー、どうか私を食べないでください。お願いですから、みんなのところへ返してください。メエー、メエー」

自分を羊だと思っている若いライオンは、哀れな声で必死に嘆願しました。

大きなライオンは、若いライオンを押さえつけながら言いました。

「おまえ、なにをバカなことを言ってるんだ! 自分を羊だと思っているようだが、ほんとうはライオンなのだぞ」

若いライオンは意味がわからないという顔つきで、言いました。

「私はライオンではありません。羊です。生まれたときから羊の母親のミルクを飲み、羊の兄弟たちと草を食べながら生きてきました」

言葉で説明しても無理だと思った大きなライオンは、若いライオンの首根っこをくわえて近くの沼までひきずっていきました。

「目を開いてよく見ろ! 私の姿とおまえの姿を見れば、 同じだということがわかるだろう」

若いライオンは、水に映ったふたつの動物の姿を見ました。

それは驚きでした。

水面に映っている自分の姿は大きなライオンの姿よりほんの少し小さいだけで、まったく同じ姿でした。

若いライオンは、その瞬間、すべてを理解しました。

長いあいだ、自分でも何かがおかしいと思っていました。

いくら羊たちのように振る舞っていても、そこにはいつも違和感があり何かがおさまりきれないもどかしさ、苦しさ、葛藤がありました。

一陣の風が吹き、彼ははっきりと自分自身を認識しました。

すると、突然内側から大きな力が湧きおこりました。

そして、それは抵抗できないほどの強烈さで一気に爆発しました。

若いライオンは全身をブルルッとふるわせると同時に、「ガオー!」というライオンの雄叫(おたけび)びをあげました。

それは、本来の自分自身を知った歓喜の雄叫びでした。』

(「TALES & PARABLES OF SRI RAMAKRISHNA」VEDANTA PRESS)

羊がライオンに成長したのではなくてライオンは最初からライオンでした。

問題は羊の社会で育てられた為に自分の本性がライオンだと知らずに自分が羊だと思い込んでいることにありました。

ライオンは羊社会の中で育つうちに自分は羊だとプログラミングされます。

思考が作り出す羊という偽りの自己を自分と思い込みます。

自分が羊だと思っている考えが外からプログラミングされたとは全く疑いもしません。

羊の家族や羊の仲間がその考えを補強するからです。

しかし、何かおかしい変だという感覚は常に付きまといます。

周りの羊とは声も姿も違うからです。

しかし、頭にはすっかり羊社会の信念体系が刷り込まれて羊の自我が形成されています。

外からの教育や経験による条件付けによるプログラミングが脳を支配してしまっているのです。

羊と思い込んでいるライオンは努力して羊を演じ続けるのです。

これが私たちに起きている事なのです。

頭の中の考えを自分と思い込んでいるのが自我です。

自分が羊だと信じ込んでいるライオンを言葉だけで目覚させることは容易ではありません。

ライオンがライオンになる為に努力する必要はありません。

羊の群れにいる若いライオンは気づいていてもいなくとも最初からライオンのままです。

自分がライオンと思っていないだけです。

最初からライオンですからライオンだという本性に目覚めるだけでいいのです。

羊と思いこんでいる夢から眼をさませばいいのです。

清水友邦著「覚醒の真実」より

羊だと思っている頭を静かにして自分の本当の姿を見ることが呼吸道です。

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