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軽くて耐久性が高い屋根材 スレート

2021.08.19 03:00

重さは粘土瓦の半分以下

「スレート」とは、もともと粘板岩(ねんばんがん)を薄い板状にしたもので、この原料である粘板岩の英語(Slate)が語源です。現在、天然石のスレートはほとんど流通しなくなり、現在は主にセメントを板状に成型した人造のスレートを「化粧スレート」と呼んでいます。「コロニアル」や「カラーベスト」とも呼ばれていますが、どちらも化粧スレートの商品名です。粘土瓦(陶器瓦)に比べ半分以下の軽さで、耐久性(約30年)も比較的高く、シンプルなデザイン性とローコストな点で“屋根材の定番”となりました。

人造のスレートは、コストが低く済む点や、加工性や耐久性が高いのが特徴です。色あせしやすく、8~10年で塗装などのメンテナンスが必要(色あせしないため30年塗膜が持つという商品も登場しています)となります。また、人造スレートは、かつては石綿とセメントを原料とするものが使用されていた為、屋根を葺き替える場合、アスベストが含有されている屋根材かどうかを確認することが大切です。それにより、工事や廃材処分の方法がかわります。2006(平成18年)労働安全衛生法施行令改正で石綿の含有量が重量の0.1%を越えるものの製造などが禁止され、人造スレートにも使用されなくなりました。しかしそれ以前の人造スレートは注意が必要です。



商品選びのポイント

塗装と下葺き材ルーフィング

人造スレートでは、コーティングなどの塗装を確認することが求められます。どんなコーティングがなされているかによって、その後の屋根の寿命も大きく変わります。また、屋根の下の防水層であるルーフィング(下葺き材)にも、アスファルトルーフィングやゴムアスなど、さまざまなタイプがあり、寿命が変わってくるので確認すると良いでしょう。



1分間で理解するスレート


チェック! 屋根材選び4つのチェックポイント

《屋根材の重さはどれくらいか》

耐震性能の問題から重さには注意が必要


《屋根換気を行えているか》

換気が充分でないと結露につながるおそれがある


《屋根の勾配はどれくらいか》

勾配状況によって取り付けできる屋根材の種類が変わる


《メンテナンスがどれくらい必要か》

単純な価格ではなくメンテナンスの必要性を見極めることが重要


ワンポイント

今でこそスレートといえば、人造スレートが主流ですが、それ以前は天然スレートのみで高級感のある屋根材として世界の大型建築物で使用されていました。フランスのモン・サン・ミッシェル修道院やパリのルーヴル美術館や、日本では建築家辰野金吾が設計した東京駅の屋根材としても使用されています。あの独特の重厚感とある種の“品”はスレートを使ったからこそ生まれたのかもしれませんね。



リフォマガ2021年3月号掲載