アメリカ進出を成功させる大事な考えと手順
アメリカという土地に進出してビジネスするためのシンプルな考え方と手順
アメリカでのビジネスは、複雑かつ困難に思われている方がいます。
文化の違い、言語の違い、遠隔であること、など日本でビジネスするよりも複雑な手順や思考が必要に見えます。
確かに日本人にとっては、日本でビジネスするより大変なのは当たり前です。
しかし、アメリカでビジネスすることがそんなに大変なら、なぜ海外企業はアメリカにおいて多数のビジネスを行っているのでしょうか。
海外企業にとっては、アメリカより日本でビジネスするほうが難しいのではないでしょうか。
日本はアジア圏でみても特異な文化であり、言語も複雑で、日本人の考え方も理解し難いことでしょう。
アメリカ進出をすることを複雑に捉えず、シンプルな要素に分解して手順に沿えば、日本人が考えているほど難しいことではないのかもしれません。
今回は、アメリカ進出をシンプルに考えてみたいと思います。
■アメリカの土地に種を植える(Planting a seed in American soil)
アメリカに進出してビジネスするということは、アメリカという土地でビジネスするということです。
アメリカに拠点を作るということで、現地の土地に種を植えないといけないとビジネスが始まりません。
支社や支店を単独で構築することだけが拠点を作るということではありません。
アメリカにいる知り合いを頼り、そこを拠点にすることで十分条件を満たします。
知り合いがいなければ、弊社のようなアメリカ進出の支援を行っている日本人企業を使う方法もあります。
初めの時期は、規模に応じた拠点を作る、種まき作業を行うことに集中することが重要です。
■アメリカの土地に根をはる(Take root in American soil)
アメリカ進出してビジネスするためにはアメリカの土地で根を張り、その土地の水分を吸い上げて成長しなければなりません。
これは、アメリカ人の関係者を作るということです。
一本の根っこで水分のある土に出会う確立は低いでしょう。
一 本、一本と根を張ることで、アメリカ進出してアメリカで水分を得られる土に出会う確率が高まります。
アメリカでビジネスをしている日本人を頼るだけでは根は広がりません。そんな日本人を活用してアメリカ人と関係を築く努力をすることに集中しなければなりません。
■アメリカの土地に根を広げる(Spread the roots in American soil)
この段階では、アメリカ人を伝って更なるアメリカ人と関係を持つことで、一本の根っこから更に根が広がります。
アメリカ人を最大限活用して、乾いた土地からでも水分を吸い上げられる体質を作る段階です。
今までに会ったアメリカ人を深堀して、更なる関係を築くことに集中する段階です。
根が広がるということは、外的要因に強くなるということです。
土地に根が張り広がっていると、ちょっとやそっとの風では倒れません。
アメリカの景気に左右されずビジネスで利益を上げ続ける体制を作り上げることが必要です。
根が広がっていない間に、木を大きくすると倒れやすくなります。
■実が成る(Made fruit)
アメリカの土地で水分を吸い上げ成長し、果実を収穫する段階です。
その土地から吸い上げた水分は日本に送ることができませんが、果実がなれば日本側に利益を享受できます。
つまり、この段階まで、アメリカ進出であげた利益は米国に投資し続けることに専念したほうが、よりアメリカのビジネスで成功するということです。
『桃栗三年柿八年』
果樹の種を植えたら、その実がなるまでに相応の歳月を待たねばならないことから、何事も成就するまでにそれ相応の年月がかかるということという意味です。
「桃栗三年柿八年」の後に、「梅は酸いとて十三年」「柚子は九年でなりかかる」「柚子は九年の花盛り」「柚子の大馬鹿十八年」「枇杷は九年でなりかねる」などと続けていいます。
■次の種を植える(Planting a seed)
種を別の土地に植える段階です。
西海岸のロサンゼルスから始めれば、次は東海岸のニューヨークに拠点を構えるなど、次の段階を考えます。
アメリカでは国民よりも市民の意識が強いと言います。
州というのは国で、州の集まりが合衆国です。
カリフォルニア州とニューヨーク州は異なる国と考えておいたほうが良いでしょう。
居住空間の広さやライフスタイルも異なります。
街を見渡せば、LAとNYでは同じ米国人でも着ている服が違います。
つまり、東海岸は東海岸のアメリカ人を活用して、一から根を張ることが必要です。
全体において最も大事な要素は、アメリカという土地に根を張るには、アメリカ人でなければなりません。
日本人は昔から地蔵という考えがあります。
地面の下の土の中にはまるで蔵のように、その土地で生きる人の命を育む力が貯蔵されているという考え方です。
この日本人的な考え方ですと、アメリカの土はアメリカ人の命を育むために優先されるべきと考えます。
つまり、アメリカは日本人のために存在する国ではなく、アメリカ人のために存在する国です。
その土地で水を吸い上げるにはアメリカ人でなければならないと考えます。
そして、アメリカ人を雇用し、アメリカ人が幸せに生活するために利益を使わなくてはいけないと考えます。
日本に利益を落とせるのは、果実を得られるまでアメリカ人を活用したアメリカ法人を育て上げた日本人だけに権利があると考えます。
この考えが、異なる土地の利益を力で奪い合う時代から、その土地に根付いている人と融合するという次の時代に進化した人類のビジネスのやり方ではないでしょうか。
次の時代に変化しようとしている時に、前と同じ奪うビジネスのやり方をしていると、その土地でのビジネスでの成功は難しい時代になってます。
米国において自分の国の利益は、自国民のためにあるという考え方は、過去の考え方に戻ったのではなく、一歩前に進みつつあるという見方もできます。
その土地で根付いている自国民が利益になるようなことを考えなければならない時代に入ったのかもしれません。
アメリカ進出するときの動機として、自社の論理だけでアメリカ進出しようとしないでしょうか?