ストラヴィンスキー:3つの小品 etc.
今日はロシア生まれの作曲家、ストラヴィンスキーについて。
好きな作曲家、というよりはサバサバした皮肉っぽさを気に入っているという感覚。天才作曲家に対して恐れ多い言い様とは思いますが…
クラリネット専攻生が必ず学習する3つの小品、試験にコンクールに、何度も演奏してきた思い入れの深い作品です。1・3楽章は変拍子、2楽章は拍子指定なしですが、たゆたう1楽章、舞う2楽章、激する3楽章かなと思っています。
楽譜に書いてあるスラーやスタッカート、アクセントの指示が非常に細かい。誰だかの演奏に対してストラヴィンスキーは違う曲だと言ったらしい。きちんと読んでいくのは苦労しますが、忠実に演奏すると華やかに仕上がります。
こちらは先々代のパリ音楽院教授、ギイ・ドゥプリュの演奏。古い録音だからか、半音高くなっています。
1楽章はロシア民謡の寒さを感じます。こちらはヴォルガの舟歌↓
2楽章は舞う鳥を想起させます。ストラヴィンスキー自身の『ひばり』にも似ていると思います。
ストラヴィンスキーといえばバレエ『火の鳥』も名作。
3楽章の激する鼓動は『春の祭典』だなぁと感じます。
同時期に作られた兵士の物語も忘れちゃいけない楽しい作品。悪魔にそそのかされ大切なヴァイオリンを渡してしまった男の没落話。この動画は別言語ですが(イタリア語かな…)、オリジナルのナレーションはフランス語です。41:55からのダンスが好きです。
ストラヴィンスキーはカメレオンのように作風が変化していったと言われたりしますが、エボニーコンチェルトはJazz風味のビックバンド編成。3つの小品だってこの要素を含んでいます。変化していくのは当然ですが、そもそも持ち合わせていた部分でもあると思う。
こちらクラリネットソロはミシェル・アリニョン。
ストラヴィンスキーの多様性に脱帽。