ブリキの電車♪
2021.08.05 07:35
目に見えぬ引力に導かれたように千住の僕の部屋に入っていた。
この部屋は、時間も空気も止まっている錯覚に陥る不思議な空間なんだな。
何を探しに入ったのかよく分からないけど、僕の目に飛び込んで来たのは、
チープなわりにプリティーなブリキの電車!
赤い電車と銀色の電車。
窓から溢れるように乗客の顔は、百点満点の良い笑顔!
なんか嬉しくなっちゃうよな。
僕が生まれた昭和40年代後半には、北千住にはたくさんの線路が走っていた。
市場に行く線路に、秩父から来る機関車の線路もあった。
昔住んでいたマンションの窓から銀色の線路を眺めているのが好きだった。
線路が多ければ踏切もそれなりにある。
踏切の手前で走り去る電車に手を振るのも好きだった。
夏の青空の下で、小さな僕は木陰に座って色鉛筆を選んでいた。
そうだ!久しぶりに色鉛筆で絵を描こうかな。
セミの鳴き声が聞こえる。昼下がりの踏切のあたりで…。
PS.この電車、「イチコー」というメーカーらしいよ。