鑑賞ノート『1日1ドルで生活』
2021.08.07 02:38
現代日本を生きる私たちに足りない”豊かさ”
グアテマラの子供たちの輝く目、家族でない人を手助けできる寛容さ、
コミュニティによる助け合い、学校や起業によって自立を目指す女性たち。
日本にはない“豊かさ”が、映画の舞台となった村にはあった。
1日1ドルの生活は過酷だ。
開発援助を学び、そのリアルを知りたいと思ったアメリカの大学生たち。
彼らが体当たりで伝えてくれた貧困のリアルは、私たちの常識を超える。
日本では当たり前の生活インフラもない。
病気一つが命にかかわることだってある。
そうした環境では“小さな変化が大きな救い”になるという。
様々な生活の知恵やコミュニティの互助によって、生活を切り開く逞しさ。
貧しさの中にあって、他人に与えることを忘れない彼らの精神性。
私たちが失いつつある“心の豊かさ”があった。
「豊かさを追い求める前に、日々を生き抜く僕らのことを忘れないでほしい」
そうだ。人間として、忘れてはいけないことがある。
現代日本の”貧しさ”に気付かせてくれる素晴らしい映画でした。
今回の上映会では、10名の中高生も参加してくれた。
彼らは、きっと、アンソニーやローラやチノのことをいつまでも忘れないと思う。
この小さな光が、未来を大きく変えることを祈って。