サン=サーンス:オペラ『サムソンとデリラ』より
2021.08.08 16:05
サン=サーンスは旅行好きで頻繁に北アフリカを訪れていました。その他スペインや北欧、北アメリカにも行ったことがあるそう。コロナ禍真っ最中の私たちからしたら、なんて羨ましい生活なんだ…
『サムソンとデリラ』は紀元前のパレスチナを舞台とした旧約聖書の物語です。旅行からインスピレーションを受けてか、エキゾチックなスパイスを効かせています。しかしただ民俗的であるのではなく、気位の高いサン=サーンスが見た景色は上品さをまとっています。
「あなたの声に我が心は開く」は美女デリラがサムソンを誘惑するアリア。それまで抗ってきたサムソンもついに落ちて、神から得た力の秘密を打ち明けてしまいます。
ヘブライ人のサムソンとペリシテ人のデリラは敵同士。妖艶な愛の告白は勿論罠であり危険視していたわけですが、こう甘く歌われてはね…
「バッカナーレ」はサムソンを捕らえたペリシテ人の勝利の舞。神殿で派手に踊りますが、この後サムソンは神の加護を受け神殿を崩壊させます。