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こころ館はぬかどこ。

掃除と酵母、そして禅。

2017.02.13 03:46

お掃除できる系スタッフがやってきたことで、掃除に対する印象が一変したこころ館。

彼女の掃除の特徴は、酵母の力を借りること。床に、シンクに、テーブルに、仕上げの磨きを万能酵母液でキメる。こうすることで、不思議と部屋の雰囲気が明るくなるという。健康にもいいらしい。

「そんな大げさな」

とあまり本気にしていなかったのだが、実際に彼女が手がけた部屋に入って、認識を改めた。無機質で寒々しかった部屋に、ぬくもり的な何かが宿っている。いつまでも見つめていた癒しの空間。この部屋を大切にしよう、という慈愛の気持ちがわいてくる。

何より、とても活きき活きと掃除をするのがいい。掃除をしている時の彼女は、全身から「るん♪」という効果音が出ている(ふだんから出ているという説もありますが)。これまであまり積極的に掃除をしてこなかったこころ館にとって、彼女の姿は衝撃であり、イノベーションであった。

当初は「そうじ、楽しいんだ…へぇ…」と遠巻きに見ていたスタッフも、今では彼女に感化され、いそいそと掃除に励むようになっている。机を拭く。シンクの食器を片づける。その動作ひとつひとつが快い。


禅宗において、掃除は作務のひとつであり、いわば動く禅。マインドフルネスを取り入れるこころ館にも、禅の精神が流れている。禅にとっての掃除が「無」に近づくために考えることをシャットダウンする行程だとしたら、こころ館にとって掃除は「今ここ」に心を込める修練なのだなぁ、と悟った気持ちになりながら家の断捨離に没頭したら一夜明け筋肉痛に襲われています。悟りは遠い。