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一号館一○一教室

新たな在日留学生像とは

2021.08.09 11:40

                              黄 文葦

仕事の関係で、筆者は在日留学生と接する機会が多い。昔の留学生と違って、在日中国人留学生の姿が変わりつつある。アルバイトに明け暮れる人が減っていく傾向がみられる。正真正銘の進学希望の留学生がかなり増えてきた。 勉強時間以外に、休日に日本列島をあちこち旅する留学生も大勢いる。これは昔の貧乏な留学生には考えられないことである。勉強のほか、ゲームに熱中している留学生も少なくない。多額のお金を費やし最新のゲームソフトを購入し、ゲームに夢中になり過ぎて勉強の時間がなくなる。これは極めて少ないケースだが、最もいけないことだろう。 

 もちろん、アルバイトをする留学生は今でもいる。しかし、留学生のアルバイトに対する認識もある程度変わった。多くの人が短時間のアルバイトを希望し、アルバイトを通して、日本社会を認識しようとしている。単にお金がほしい、あるいは学費が足りないからアルバイトをするわけではなくなっているようだ。親から「勉強に専念してください。アルバイトは禁止だ」と言われた留学生も結構いる。 留学生がいろんな角度から日本経済にかかわっている。ほとんど親のお金とはいえ、日本でマンションを買う留学生もいる。

中国人留学生の間で流行しているお金の稼ぎ方に、「代購」というものがある。つまり、中国国内の人々のために日本製品の代理買い付けをする。もちろん、それは大規模な取引となると違法になってしまう可能性がある。 留学生の姿が変化する背景はやはり中国経済が発展していることが影響している。

また、留学生は日本の観光産業にとって大きな潜在市場となるであろう。例えば、留学生が初めて来日する際に、両親が同行するケースをよく見かける。どうしてもわが子の勉強と宿泊の環境を自分の目で確かめたいためだ。子供の日本留学期間中、何度も日本に訪れる人もおり、日本留学を決める前に「学校見学旅行」で日本に来る学生もいる。 在日中国人留学生の中、ペットを飼う人が少なくない。特に猫を飼っている人が多いようだ。 

先日、一人の留学生が猫の物語を語ってくれた。今、留学生の家の中で飼っている猫は三年前中国から連れてきたという。その猫は十年前、自宅の近くで見つかった生まればかりの子猫であった。かわいそうなので、保護して家で飼うことになった。 三年前、日本留学を決めた際、どうしてもその少年期から一緒に遊んでいて、一緒成長してきた猫と離れたくないので、猫ちゃんと一緒に日本へ、と決意した。

猫が飛行機に乗るのは、赤ちゃん扱いみたい。猫もチケットが必要だ。留学生が猫と一緒に飛行機に乗って、成田空港で猫が健康診断を受けたみたい、無事に合格… 留学生が日本で猫との同居生活を楽しく過ごしている。「留学の生活、猫がいなかったら、本当に考えられない。親と離れても寂しくないですよ」という。