Mr.インクレディブル スーパーヒーロー一家の活躍 その1
<スーパー・ヒーローの世界>には、3つのルールがある。
1、その正体を人間に知られてはならない。
2、スーパー・パワーを乱用してはならない。
3、家族を守れなければ、スーパー・ヒーローとは呼べない。
世界の多くの危機を救ってきたスーパー・ヒーローたち。
しかし15年前、その破壊力に満ちたスーパー・パワーが一般市民の被害を拡大していると訴えられ、敗訴。
今後、スーパー・ヒーローとして活動することを禁じられてしまう。
世界有数のスーパー・ヒーローだったMr.インクレディブル(声:クレイグ・T.ネルソン/三浦友和)も、一般市民として生活することを余儀なくされる。
妻と子供たちをこよなく愛する彼は、現在は、保険会社の一サラリーマン。
また、Mr.インクレディブルの家族は、全員がスーパー・パワーの持ち主。
夫と「職場結婚」した元スーパー・レディ、インクレディブル夫人(ホリー・ハンター/黒木瞳)は、今では主婦として子育てと家事に追われている。子供の反抗期と、ヒップのサイズが悩みの種。
負けず嫌いで目立ちたがり屋の長男ダッシュ(スペンサー・フォックス)は、スーパー・ダッシュを使えばどんなスポーツでも一番なのに、母親にその使用を禁じられているのが不満。
反対に、特殊なバリアで身を守れる長女のヴァイオレット(サラ・ヴァウエル/綾瀬はるか)は、とっても内気で自分に自信がもてない思春期の少女。
普通の女の子のように恋がしたいけれど、自分のスーパー・パワーのせいでそれができないと悩んでいる。
ただひとり、彼らの弟ジャック・ジャックだけは、スーパー・パワーがまだ不明だった。
ある日、Mr.インクレディブルの元に、一通の手紙が届く。
そこに書かれていた「あなたはまだ世界を救える」という言葉に、彼はスーパー・スーツを身にまとう。
同時期、元ヒーローたちが次々に行方不明になる事件が、世界が勃発していた……。
スーパー・ヒーローの活躍を通して家族のきずなをコミカルに温かく描いた、ピクサーならではのフルCGアニメ。
ダイナミックかつユーモラスなそれぞれのスーパーパワーを生かしたアクションシーンの連続が実に楽しく、またその見せ方や乗せ方の上手さは神業的。スーパー家族それぞれの個性も多分に生かされており、 スーパーマン(Mr.インクレディブル)、ファンタスティック・フォー(イラスティーガール、ヴァイオレット)、X―MENなどアメコミスーパーヒーロー(フロゾンはシルバーサーファー、ジャックジャックはハルク、ダッシュはフラッシュ)のオマージュがたっぷりで、「ウォッチメン」のように、ヒーローの活動が法律で禁止されている世界で、過去の栄光を忘れられず密かに活躍したりスーパーパワーを隠し市民に紛れ込んで生活するのに苦労するスーパーヒーローの人間性や葛藤をコミカルに描いているし、悪役がかつてのスーパーヒーローのマニアで、スーパーヒーローになるために他のスーパーヒーローを殺したり市民を救う真似事をしてスーパーヒーローになろうとするのがユニークです。
吹き替え版の三浦友和、黒木瞳、綾瀬はるか、宮迫博之の演技もハマっています。