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退屈と惰性と 改

KD インフェルノ レビュー

2021.08.15 05:18

 今回のレビューは、トランスフォーマー キングダム より、

“KDー10 オートボット インフェルノ” です。


 “戦え! 超ロボット生命体 トランスフォーマー” に登場したオートボットの

“救助員 インフェルノ” が、

キングダムで発売されました。


 アースライズでグラップルが発売されたことでその発売が確実視されていたインフェルノですが、結局アースライズには間に合わず(?)、ようやくキングダムでの登板となりました。

 日本では実に1年と3ヶ月のお預け・・いやぁ、待たされましたね(笑)。

 個人的な思い出話になりますが、初代アニメが放送していた頃、僕は小学校1、2年生だったのですが、一時期病院に通っておりまして、まぁいわゆる大学病院で、地下にそこそこ広い売店があったんですね。

 そこになぜかインフェルノ(もちろんオリジナルトイ)が置いてあったんですよ。

 今にして思うとびっくりですよね、病院の売店にトランスフォーマー置いてあるとか(笑)。

 ちなみに、今も手許に残っているオリジナルトイのうち、ホットロディマスは縁日の売店で、バスターは卒園した保育園のバザーで買いました。

 普通におもちゃ屋さん来てくれてたんです、バザーに。

 いい時代やった・・

 で、その売店に置いてあったインフェルノ、何度かねだった覚えがあるんですが、結局買ってはもらえず・・

 子供時代のことなんかほとんど覚えてないのに、そういうことは不思議とずーっと覚えてるものなんですよね。

 そんなこともあって、なんとなく思い入れあるんです、インフェルノ(笑)。マスターピース版も買おうかちょっと迷ったり。

 グラップルはモール限定でしたが、こちらは一般販売になったのは、一応は知名度の差というところなのかな?


 ではでは、レビューしていきます。


ロボットモード

 モノはオリジナルトイ同様、グラップルのリデコ(オリジナル的にはグラップルがインフェルノのリデコ、か)。

 基本的な構造と大半のパーツはグラップルと共通で、さすがにマスターピースのようなプロポーションの違いまでは再現されていません。

 頭部およびその基部とクレーンアームに代わる放水塔、脚部のホースが新規造形ですね。

 ガッチリというよりはスラリとした長身に精悍な顔付きはまさに熱血消防士といった雰囲気。

 ほぼ赤一色ですが、まぁそういうキャラですしね。

 細かい部分の塗装はしっかりされています。グラップルではオレンジのままだったワイパーも、ちゃんと黒で塗り分けられていますし。

 背中には頭部後ろから下がる放水塔が。

 肉抜きは前腕と太腿の内側にあるくらいでで、ほとんど目立ちません。

 各可動部、間接部などはグラップルから調整が施されているようで、全体に少し緩めだったグラップルよりも安定感が増した印象です。

 ただ放水塔基部の展開および収納時の可動が、個体差かと思いますが異様に堅い・・

 可動部が堅い(キツい)のではなく、固定用のダボが大き過ぎる感じです。

 バラして削れればいいんですが・・


武装など

消火ライフル

 消火ライフルってなんだろう?(笑)

 モノとしてはグラップルに付属のものと同型で、成型色も同じです。

 グリップ上部の左右に5㎜軸があり、銃口部分も5㎜の先端に3㎜軸という構造なので、カスタマイズやエフェクトパーツの取り付けが可能です。


バレル

 たぶん放水用のバレルです。

 やはりモノは、グラップルに付属の溶接用バーナーと同じもの。同様にシルバーで塗装されています。

 拳を回転収納すると現れる5㎜穴に直接取り付け、デフォルトでは右腕がその仕様に。グラップルとは逆ですね。

 こちらも先端が3㎜軸になっています。


放水銃

 ロボットモードでは頭部基部の左側に取り付け(右側に接続軸はありません)。

 5㎜軸への取り付けなので、ライフルの側面などにも取り付け可能。

 こちらも先端は3㎜軸です。

 また、インフェルノの特徴でもある頭部左右のウイングは取り外すことはできませんが、変形都合もあって後ろ向きに動かすことができます。

 というか、そのままの位置だと肩の突起とけっこう干渉します。


消火用ホース

 左右の脛側面に装備する消火用のホース。

 丸めた状態での造形で、もちろん伸ばしたりは不可能。

 5㎜軸での取り付けなので、取り外して別の位置に付け換えることも可能です。


ビークルモード

 消防車にトランスフォーム。

 オリジナルトイのモチーフは三菱ふそうT951という車種です。

 今回は実車というよりはそのオリジナルトイの雰囲気にかなり近いかたちでリメイクされています。

 車体そのものはグラップルの色違いでしかなく、当然変形パターンもまったく一緒。

 ただ、グラップルでは車体後部、ロボットモードの足裏に頭部(クレーン)基部を固定する際に使用する5㎜軸が破損しやすいという報告があり、僕自身軸を軽くペーパーがけして接続を緩めるという処理をしたのですが、今回のインフェルノでは該当基部の新造に伴い、軸が付け外しやすい形状、長さに修正され、破損の心配がほぼなくなっています。

 車体後部にはクレーンに代わって放水塔を搭載。

 インフェルノというと梯子車のイメージだったんですが、今回のこれは高所放水車というほうが正しいのかな?

 放水塔は基部で回転、可動するほか、スライド伸縮が可能。

 ロボットモードで頭部左側に取り付けていた放水銃は放水塔先端の、今度は右側に付け換えます。

 放水塔自体にもに放水銃と思われる突起があり、そちらにもエフェクトパーツの取り付けることができます。

 バレルは放水塔右側面に取り付け。ライフルも放水塔基部左右などに取り付け可能です。


比較画像

 少し前、思いがけず手に入ったオリジナルトイと、ロボットモードで。

 先にも言ったように思い出深いアイテムなので、手に入ったときは小躍りしたくらいです(笑)。

 本当、まったく予想してなかったからなぁ。

 いろいろ欠品が多いですが、まぁ気にしません。

 ともあれ、今回のKD版がオリジナルトイの正統進化であることは一目瞭然かと思います。

 変形パターン含めたパーツ構成はほぼ踏襲しつつ、アクショントイとての可動性能の向上、そしてなによりプロポーションを現代ふうにアップデートと、35年の技術の進化をまざまざと見せられた感じです。

 いや、すごい。

 しかしこれは、逆にインフェルノ、そしてグラップルが35年前のオリジナルトイの段階で変形トイとしてすでに高い完成度を誇っていた証明でもあるでしょう。

 まぁ、それは初期のトランスフォーマー(元ダイアクロンや元ミクロマン)ほとんどに言えることですが。


 ビークルモードでも。

 こちらでも車体のフォルムはほぼ一緒。

 KD版のほうが腕部の収まりがすっきりしています。

 ただ放水塔(梯子)のギミックについては、正直見劣りしてしまう感は否めません。

 というか、オリジナルは3段階スライドでこんなに伸びるのね・・(驚)


 ヘケヘケ版と。ロボットモードで。

 ビークルモードでのモチーフ変更もあり、ロボットモードの体型が大きく変わったヘケヘケ版インフェルノ。

 なにがあったの? というくらいに激太りしてしまっていますが、胸にビークルの運転席が来るレイアウトはオリジナルデザインを踏襲。

 そして顔そのものも、わりとオリジナルに近くはあるんですが、やはり顔の周りの箱とその左右にウイングがないとインフェルノっぽくないんだよなぁ。


 ビークルモードでも。

 ヘケヘケ版では消防ポンプ車に変形。

 梯子も放水塔もないため、やはりインフェルノぽっくないです。

 箱型の車体自体はなかなかに可愛くてよいんですけどね。


 PP版と。ロボットモードで。

 前3部作の最終章、パワーオブザプライムで、急にコンバイナー仕様で登場したインフェルノ。

 モノはユナイトウォリアーズ(海外ではコンバイナーウォーズ)版ホットスポットのリカラー頭部変更で、やはり本来のインフェルノ感はほぼなし。

 顔はまぁインフェルノですが。

 いわゆるスクランブル合体戦士のコアロボとしてその胴体に変形可能ですが、合体モードでの頭部もガーディアン(海外名ディフェンサー)のまんまで、合体時の名称もとくになかったような・・

 正直、なんで出したのかよくわからないアイテムでした。

 まぁ、もっとわからないのはわざわざ新規型出だしたコンバイナージャズですが・・


 ビークルモードでも。

 こうなるともうPP版はUW版ホットスポットの色違いでしかありません。

 そもそもこのデザインからがオリジナルのホットスポットのビークルとも違うし・・

 運転席の形状とかは、実写版センチネルプライムが変形したローゼンバウアー化学消防車っぽいですね。

 基型のグラップルと。ロボットモードで。

 本体の変更箇所は頭部および背中にたたんだ長物とそれらの基部。

 武器腕は左右違いなんですね。

 顔付きはけっこう違っていて、それぞれしっかりアニメデザインが再現されています。


 ビークルモードでも。

 基本車種は同じもので、消防車仕様と建設車仕様。

以下、画像

 可動性は良好。

 とくに足首は非常に柔軟に動き、かなりの大股開きでも安定して接地、自立させることができます。

 腕部はそのまま横向きに水平近くまで上げられますが、先にも言ったように頭部左右のウイングが干渉する場合があるので注意。

 まぁ、ウイングを後ろに倒せばいいだけですが。


 立て膝もばっちり。

 足首が真っ直ぐ伸ばせるので、この体勢でも安定させやすいです。

 ちなみに、膝関節には簡易クリックが入っているので保持力も十分。

 グラップルも同様だったのですが、遊び過ぎたせいかすでに気付かないくらいに・・


 腕部も肩と前腕側面にそれぞれ5㎜穴があり、ウエポナイザー等を使ったカスタマイズも容易かと。

 やってないけど(笑)。


 ロボットモードでも放水塔を展開し、前に向けることは可能。

 放水っぽいエフェクトパーツがなかったので、一番それっぽく見えるラングに付属のエフェクトで。

 スタンド対応穴は腰裏にあります。


 火災発生! 救助要請あり。

 オートボットレスキュー部隊出動、現場に急行せよ!

イ「了解! オートボットレスキュー部隊、直ちに出動する!

※レッドアラートはシージ版(サイバトロンモード)です。アースモードの日本発売、お願いします。

イ「こちらインフェルノ、現場に到着した。ただちに消火活動を開始する!

   レッドアラートは避難者の誘導を、ノヴァスターは私のフォローだ。

レ・ノ「「了解!! 

※ノヴァスターのブラスターから出ているものは噴煙タイプの消化剤です。


ノ「後方で爆発!? 

イ「なんだとっ!?

イ「危ないレッドアラート! 壁が倒れてくるぞ! 逃げるんだ!

レ「ダメだ、今私がここを離れたら避難者たちが!

レ「うわぁぁぁっ!

イ「 レッドアラートぉぉっ!



レ「ハッ・・! 私はいったい・・避難者たちは?

イ「 みんな無事だ。君が身を挺して守ってくれたおかげでな。

  もちろん、君も無事でよかった。

レ「インフェルノ・・

イ「レッドアラート・・

ノ「え? 男同士の友情・・だよね?

 なんというか、複雑な関係性のレスキュー部隊である(笑)。


 大丈夫だよノヴァスター、パートナー候補は3人(オリジナルも含めたら4人)いるから。

 仕様的にはやっぱりPP版がいいかな。



 以上、“KD インフェルノ” でした。


 グラップルが発売されたときは、まぁ数ヶ月後には来るよね、とか思っていたのに、まさか1年以上も待たされるとは・・

 もっとも、間を置かずに発売されていたらグラップル同様、頭部基部の軸破損の畏れがあるままだったかも知れませんし、結果としてはよかった、と思っておきましょう。

 可動部、間接部の渋みも調整されているように感じますし、気兼ねなくガシガシ遊べる安心感は嬉しいです。

 変形はオリジナルトイを踏襲したもので、ボイジャークラスとしてはかなりシンプルなものですが、放水塔の可動等でビークルモードでもしかっり遊べますし、差し引きゼロとしていいでしょう。

 インフェルノが、オリジナルトイおよびアニメデザインに忠実にリメイクされたのは、通常ラインでは初めてだったと思いますが、もう当分、これ以上のものは登場しないでしょうね。

 それくらい完成されています。

 ただ、グラップルもですが、イメージより少しばかり小さいかなぁ。

 単体で見るぶんにはなにも問題はないんですが、ほかの面子と並べると少し気にはなります。

 ロボットモードはともかくとして、ビークルモードはもう一回り大きかったらなぁ・・とか思ってしまいますね。

 同時発売のウルトラマグナスと並べたりすると、とくに。

 いっそリーダークラスでもよかった気もします。

 リーダークラスだったら、放水塔ももう1段階伸ばせたでしょうしね。

 まぁ、それもあえて言うなら・・という程度のことです。ご了承を。


 さて、初代オートボット戦士(ミニボット除く)、残るはトラックスとスキッズですか。

 トラックスは間もなく、スキッズは次期シリーズとされるレガシーでの発売が噂されていますが・・

 キングダムWAVE4の正式発表がなかなかされないのはなんでなのか?

  先日のハズブロファンファーストフライデーはそれを期待してたのに・・

 このところ肩透かしが続くなぁ。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。