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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

仏王処刑14-ピルニッツ宣言、戦争へ

2021.08.12 11:36

新たに招集された立法議会は新人ばかり、それもそのはずロベスピエールが提案して、立憲議員は立法議員になれないと決議したのである。立憲議員といえども政治に慣れていたわけではないのに、もうやりすぎというものだ。さらにパリ市長バイイが辞職して、選挙の結果ジャコバン派のペチヨンが当選、これが国王夫妻の運命に大きく影響する。

フランスは貴族領から機械的に県に分けられたが、行政組織ができず税収は予定の10分の1、教会財産国有化を担保としてつくられた債券アッシニアは暴落し、食料品は高騰して貧民は不満を募らせるが、彼らは実質選挙権がなかった。まるでフセイン政権崩壊後のイラクのようだ。

なんとパリの宮殿に、あのフェルゼン様がかつらをかぶり、化粧までしてやってきた。そして偽の旅券を手に逃亡計画を提案する。王妃は賛成したが、ルイ16世は、自分達を解放するのは、外国の軍隊だけだ、と言ったということだ。

普墺ザクセン3国の「ピルニッツ宣言」は、フランスの愛国派を刺激した。彼らは、経済状況の悪化を忘れさせるため、実は戦争をしようとしていたのだ。彼らの錦の御旗は外国の干渉への対抗だが、むしろ「革命の輸出」を狙っていた。虐げられた国民はこぞってフランス革命軍に味方するだろうと。。