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死立探偵通信

★業務報告03 塩澤が去年やった仕事。

2017.02.16 13:54

去年はけっこうめまぐるしく忙しかった。 去年を中心にした、一昨年から今年にかけての塩澤の仕事を整理してレポートしておきます。気に入った本があったら、読んでみてください。書店でもアマゾンでも売っています。 去年は作家として二冊、編集者として二冊の本を手がけた。編集者として、最初から自分で本の形を想定して原稿製作をやったのは久しぶりで、椎根和の『完全版 平凡パンチと三島由紀夫』を編集して以来だから四年ぶりだと思う。 これはきっかけがあり、これまで、マガジンハウスを辞めてから、自分の原稿が本になるのが嬉しくて、自分の本ばかり作って、それなりに商売にしてきた経緯があった。それがあるとき、昔いっしょに仕事していた石川次郎から「シオ、お前も昔は編集者やっていたんだから、自分の本ばかり作ってないで人の本も作ってやれよ」と言われて、しばらくぶりに編集仕事もしてみようと思ったのである。 

編集者と作家と二冊ずつ、本を作ってみて、いま感じていることは、編集者も自分が好きなように本が作れれば、こんなに面白い仕事はないな、ということだった。編集者には作家としての自分がとても作れないような本が作れる。去年、編集者としてやった仕事は、二冊とも、新人作家を育てるような、コンを詰めなければならない作業だったせいもあり、作っている最中は色んな人と打ち合わせとかくり返して、あれこれしゃべるのは結構ヘビーで、作家の方が楽だなと思ったこともあった。 わたしはあまり注文仕事はやらない。作家として原稿を書く場合、自分の書きたいテーマを取材し、河出書房の担当者以外は誰にも相談せず、原稿を書きあげたあと、自分で書いた本を自分で編集する。完全に一人だけの作業なのだが、最初から落とし所というか、最後の本の完成したときのイメージを決めているので、意外性はなく、原稿書きもしんどいが、仕事はわりあいスムーズに進むことが多い。  編集者として著者にこちらが考えているような原稿を書かせるのは大変だが、好きな人間としか仕事しないので、人間的なコミュニケーションも深まって、楽しい。作家と編集者を一人で兼任すると、本作りが本当に孤独な作業になる。   

去年わたしが茉莉花社ブランドとして発表した四冊を紹介しますが、いずれにしても、四冊ともある程度評判になったので、良かったと思っている。  

まず、作家として作った二冊の本というのは次の二冊です。 

■格闘者〜前田日明の時代②〜 四六判600ページ。上製本。3000円。

全三巻のうちの第二巻。前田とはずっと前に本を作ろうと約束していたので、その約束を果たしたもの。  産経新聞の書評です。一冊目は朝日新聞に推薦の書評が載りましたが、二冊目は産経の人が面白がって著者インタビューをしてくれました。

写真がおじいさんでイヤだね。

朝日新聞の書評です。僕の本は朝日新聞が取り上げてくれることが多いのです。

■北の男 第一部・激流篇 四六判500ページ。上製本。2300円。  

スクワランで有名なハーバー研究所の会長・小柳昌之の一代記。北海道の炭鉱町での誕生から、18歳で上京、三年浪人して慶応大学の経済学部に通ったあと、弁当販売などを経験したあと、池袋で始めたレストランが大繁盛する45歳までを書いています。人生の幸運とはなにか、自分の夢を叶えるにはどういう生き方をしたらいいかを考えた本、これは日刊ゲンダイが書評で取り上げてくれました。  


つづいて、編集者としてやった仕事です。これも二冊です。  

■〜アルファの伝説〜村井邦彦の時代 

  四六判360ページ 上製本 定価2500円  著者はもとポパイのライターの松木直也。古い付き合いの人です。  この本については、いずれ執筆予定の『忘却図書館』でもふれるつもりですが、二十五年近い、雌伏の物語がある本です。 

朝日新聞で宮沢章夫が書評を書いてくれました。  

音楽業界では話題の本になっているらしい。  

今発売中の『バーフアウト』に山崎が書評を書いてくれた。そのほか、毎日新聞、週刊新潮、サンデー毎日、レコード芸術などで書評に取り上げられた。

 ■─人生の「絶対」を信じて生きた─杉村太郎、愛とその死  

四六判360ページ 上製本 定価1600円 

塩澤がマガジンハウス時代に担当編集した『絶対内定』の著者、杉村太郎の七年にわたる原発不明ガンの闘病記。杉村は五年前に47歳でなくなった。書いたのは奥さんの杉村貴子さん。

杉村が結婚したとき、うちの女房と杉村の夫婦と四人で食事した。それが初対面。二〇年くらい前の話。そのころの彼女はかわいい、二十歳を過ぎたばかりの女の子だった。それ以来の付き合い。それがいまは杉村の跡を継いで、四十代の女盛り、女ながら就活塾・我究館、語学学校・プレゼンスの社長でがんばっている。それが原稿書きもがんばっていい作品を書いてくれた。この本は発売直後、アマゾンのカテゴリー別の闘病記部門で第一位を獲得した。 

 これも先日、日刊ゲンダイが書評に取り上げて紹介してくれました。

わたしが作る本はいつも定価が高いが、この本は1600円と思い切って買いやすくした。アマゾンでは★★★★★が14コ付いている。    

編集仕事は原稿書きの重圧がなく、楽しい。このあとも自分の本だけでなく、人の本も作っていくつもりでいる。  

アマゾンとのリンクの仕方が分からないので、それはやりません。 面白そうだと思ったら、書名を検索して,買って読んでみてください。面白くなくても代金は返しませんからそのつもりで。 (終)