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堺市立錦小学校創立150周年記念事業実行委員会

「ゆずり葉」の詩

2021.08.14 00:27

「ゆずり葉」の詩

錦小学校の正門を入ってすぐ右手に、「ゆずり葉」の木と「譲り葉」の詩の石碑があります。

本校卒業生の詩人の河井酔茗さんの有名な詩です。

錦小学校の児童の皆さんに代々伝えて行きたい「詩」です。

「ゆずりは」

子供たちよ。

これはゆずり葉の木です。

このゆずり葉は

新しい葉が出来ると

入り代わって古い葉が落ちてしまうのです。

こんなに厚い葉

こんなに大きい葉でも

新しい葉が出来ると無造作に落ちる

新しい葉にいのちをゆずって――。

子供たちよ

お前たちは何をほしがらないでも

すべてのものがお前たちにゆずられるのです

太陽のめぐるかぎり

ゆずられるものは絶えません。

かがやける大都会も

そっくりお前たちがゆずり受けるのです。

読みきれないほどの書物も

幸福なる子供たちよ

お前たちの手はまだ小さいけれど――。

世のお父さん、お母さんたちは

何一つ持ってゆかない。

みんなお前たちにゆずってゆくために

いのちあるもの、よいもの、美しいものを、

一生懸命に造っています。

今、お前たちは気が付かないけれど

ひとりでにいのちは延びる。

鳥のようにうたい、花のように笑っている間に

気が付いてきます。

そしたら子供たちよ。

もう一度ゆずり葉の木の下に立って

ゆずり葉を見るときが来るでしょう。