完全給食実施率アンケート ツイッターアンケートからわかる給食の印象②
8月22日は横浜市長選挙の投票日です。
8人もの方が立候補者しており、非常に難しい選挙となっています。
私たちは横浜市民ではなく、横浜の行政について詳しくはありませんので、各候補の政策等について言及することは控えますが、やはり中学校給食は争点の一つとなっています。
候補者や支持者の方、投票先に迷う市民の方から
「横浜は政令指定都市で唯一給食がない!」
「ハマ弁をやめて完全給食実施を!」
「早く中学校でも完全給食を実施して!」
等の言葉が飛び交っています。
そうだそうだー!と思ってしまいそうですが、実はこれらの表現は横浜市の中学校の昼食の現状を正しく現していません。
横浜市は、今年度からハマ弁を法律上の給食に位置付けを変え、選択制デリバリー方式の給食にしましたので、横浜市の全ての公立中学校で給食を実施していることになりました。
その内容は、主食・おかず・牛乳が揃っていますので、完全給食です。
つまり、ハマ弁はやめていますので、「ハマ弁をやめて!」というのも既にクリアしています。
それなのに、こんなにも間違えた表現をする人が多いのは、やっぱり「完全給食」って言葉が良くないんだろうなぁ。どのくらいの人が正確に認識してるんだろう?
と気になり、またツイッターのアンケート機能を使ってみました。
《今年度の横浜市の公立中学校の完全給食実施率は何%だと思いますか?》
- 0%
- 30%
- 60%
- 100%
既に記した通り、横浜市は今年度から全ての公立中学校でデリバリー方式の給食を実施していますので、実施率は100%です。
しかし、結果は以下の通り。
半数以上が0%を選択。「横浜の中学校には給食がない」と言われているので、0%を選択するのはわからなくもありません。さて、30%と60%を選択した方は、何を思ってその割合を選んだのでしょうか。7月のアンケートと同じく「なんとなく」でしょうか。実施率と利用率(喫食率)の情報が混ざっているのでしょうか?それとも、2019年の神奈川県知事選の時に言われていた神奈川県全体の中学校給食実施率の数値に影響されたのでしょうか。デリ弁を給食とは呼びたくないという想いからでしょうか。
正答率が全く上がらないアンケートの途中経過を見ていて、「ランチボックス式の給食は給食に見えないのかもしれないな」、と思い、おそるおそる追加の質問を投げかけてみました。
相模原市の中学校給食の写真を載せ
《こちらの写真は某自治体の中学校給食なのですが、完全給食だと思いますか?》
- 完全給食
- 完全給食ではない
- 給食ではない業者弁当
- 写真だけではわからない
という選択肢にしたところ、結果はまたしても衝撃的なものに。
「某自治体の中学校給食」と提示しているにも関わらず「給食ではない業者弁当」を選択する方が最も多かったのです。正解は「完全給食」または「写真だけではわからない」です。
「横浜の中学校には給食がない」というイメージを多くの方が持ってしまっています。
多くの候補者や支持者が公約や演説で正確さを欠いた表現をしていることも原因の一つでしょう。(「デリバリー給食を実施しているのは政令市で横浜だけ」という表現をしていた候補者もいますが、ご存知のように相模原市もデリバリー給食を実施しています。いちおう政令市です。)
公約に正確な表現を求める理由は、2019年の相模原市長選・市議選での候補者の公約が意味不明な文言のオンパレードだったためです。当選した本村市長も「本来の親子方式」とよくわからない表現をしていました。よくわからない公約で当選した市長からどのような指示が出されているのかは私たちにはわかりませんが、就任から2年以上経っても公約実現に向けて動いているのかどうかよくわからないままです。
給食の方式や区分は以外と細かく別れていて、興味を持たないとよくわからないかもしれませんし、ご自身の育った環境で出ていた給食をイメージすると、デリバリー給食を給食とは思えない、言いたくないという気持ちになるのかもしれません。しかし、定義のはっきりしたものの話ですので、正確な理解と表現を用いないと、議論が噛み合なくなることがあります。
無駄な議論、論争の火種になることを避けるためにも、正しい表現を心がけることをお願いしたいです。
追加の質問に関しては、私たちのような単なる市民がSNSで気軽に実施したアンケートではありますが、ランチボックス式のデリバリー給食を実施している自治体の首長、担当課職員、議員の皆さんには結果を知ってしっかりと受け止め、検証していただきたいです。
追加の質問に使用した写真のようなものは一般的には「給食ではない」と思われてしまうのです。そんな給食を実施していながら「完全給食実施率100%」と言うなんて、恥ずかしいことだと思ってください。
それから、文科省の方にもこの結果を重く受け止めていただきたいです。
完全給食の定義がおかしいということです。
毎日、基本的に児童・生徒全員の分の用意ができて、温かいものは温かく、冷たいものは冷たい、お皿に盛りつけられた給食を多くの方が「完全給食」と認識します。そのように定義を変えることを求めます。(これは私たちがここで行っていても文科省までは届かないと思いますので、このブログを読んでくださっている皆さんのアクションをお願いします。)
繰り返しになりますが、横浜市長選挙は8月22日が投票日です。
横浜市の有権者の皆さん、ぜひ投票へ行ってください。