海に潜るダイバーのように
こんにちは。
こころの健康支援室 そらいろのmirineです。
先日の大雨で被災された皆さまに心からお見舞い申し上げます。
もし必要なことがありましたら、以前ブログでご紹介した情報等もお役立てください。
「深い海の底に、ダイバーが潜っていくのは
そこに、古代の船と宝物が眠っているからです。
薄暗い水の中には、汚れ朽ちた木材や土塊や
錆びた鉄の塊しか見えないかもしれません。
でも、それらを引き上げて、汚れを落とし錆を磨けば
宝石と黄金が、きらきらと姿を現します。(石井ゆかり「青い鳥の本」より)」
石井ゆかりさんの「青い鳥の本」というのはビブリオマンシーという占いのための本です。
ビブリオマンシーは、たまたま開いた本のページに書かれた文章を読む、本を使った占いのことです。
先に引用したのは、「青い鳥の本」の一番最初に書かれている「占い」です。
自分の心の奥底を見に行こうとする時、私たちはこのダイバーのようなのかもしれないと思いました。
この奥に何があるのか定かでなく、暗く、よく見えないけれど、汚れ朽ちた木や土のようなどうしようもないものしかないように見える。
それでも、この奥底に沈む何かも分からない何かをすくい上げに行かないともうどうしようもないことは分かるから、こわごわ足を踏み入れる。
カウンセリングを受けたり、自分自身とよく向き合う人は、どこかでこんな感覚を覚えたことがあるのではないかと思います。
「青い鳥の本」のダイバーのように、最初から宝物が眠っていると信じられれば、もう少し勇気もわくかもしれませんが、宝物があるなんて到底思えないし、なんならグロテスクな怪物とかの方がよっぽど出てきそうだと思えるかもしれません。
ダイバーの方もきっと、海に潜る時は、どこかに一抹の怖さを持ちながら潜っていくのではないかと思います。
慣れ親しんだ場所とは違う理の世界の中に足を踏み入れていくのです。
自分の心の奥も、普段あまり慣れ親しんでいない人にとっては、何が潜み、何が出てくるか分からない未知の世界です。
向き合うのは時に勇気がいります。
その道のりが一人であれ誰かと一緒であれ、その勇気が報われてほしいなと思います。
たとえ「宝」に値するものが見つけられなかったとしても、自分の世界を旅する経験は、きっと勇気をふりしぼるに値するものだと思うのです。
かしこ