三種の神器から消えつつあるカミ
中古のゲームを買う時には、常にリスクがあります。
ゲームが遊べればいいという考えの人にとっては、ゲームソフト(カートリッジやディスクなど)があれば問題ないでしょうけど、発売当時のママですべてのモノが入っている状態で入手したいコレクターにとっては、ゴールはそんなに近くにはありません。
ファミコンであれば黄色やピンクの注意書きが書かれた紙、CD系のタイトルであれば帯なんてモノが一般的ですが、アンケートはがきや広告、付属のシールなど、未開封で購入しないと内容物が解らないモノがたくさんあります。
ファミコンやスーファミのゲームの場合、パッケージにシュリンクがないため、未開封かどうかの判断は科学的な検証でもしないと無理でしょうし、そもそも出荷時期によって内容物が変わることもあるので、それらの内容物がすべて一致しない場合にバージョン違いにしてしまうコレクターさんには業の深さを感じずにいられません。
個人的にはゲームソフト、取扱説明書、パッケージが三種の神器で、この3点が揃っていれば問題なしとしています。
この三種の神器は、ゲームがハードとソフトに分離されたころから一般的な内容物だったモノと認識していますが、残念ながらここ数年の間にその一角が崩れつつあります。
紙の取扱説明書がなくなっているのです。
任天堂ハードの場合、サードパーティのソフトは従来のぶ厚い取扱説明書から簡易な操作ガイドや操作説明シートに変わってきています。
任天堂のタイトルに関しては、複雑なゲームに関しては操作説明シートが入っている場合はありますけど、通常は「電子説明書の見かた」を説明する紙が入る代わりに紙の取扱説明書がなくなりました。
紙がなくなった代わりに紙が入っているのは若干おかしな話ですが、ゲームに合わせた冊子を印刷するよりもテンプレの用紙を入れた上で電子説明書にした方が生産スピードは速まりますから、仕方がない部分はあります。
個人的にはこの味気ない状況がイヤなのですが、時代の流れですかね。
パッケージ版とダウンロード版の内容を揃えようとすれば、供給するために必要なパッケージ以外は不要のモノとなっていくのは致し方ありません。
しかし、この流れを最初に作ったのは、むしろPSVitaで、ハードのロンチの時点で、すでに紙の取扱説明書が入っていないタイトルがありました。
PS4も紙の説明書が入ってないタイトルが増えていますよね。
Xbox360の場合はプラチナコレクションあたりから、紙の取扱説明書を入れない流れができたような気がしますけど、個人的には通常版と廉価版を同一タイトルの別バージョンと認識している手前、いつあたりから紙の取扱説明書がなくなってしまったのか把握できていません。
Xbox Oneになると、当たり前のように紙の取扱説明書は全然入っていないですよね。
追加コンテンツの用紙はよく入ってますけど……。
個人的には、新作ゲームが供給されているハードについては極力中古のソフトを購入しないようにしているため、元々紙の取扱説明書の入っていない中古ゲームに巡り合ったことがないのですが、中古購入が当たり前の人の中にはすでに困っている方がいるのかもしれませんね。
何の情報もなく買った場合、何が欠品で何が存在しなかったのか、判断のしようがありませんから。
古いゲームソフトに関しては、完品かどうかの証明が困難ですが、新しいゲームソフトに関しては、まだまだ情報をストックするチャンスがあります。
完品にこだわりを持つ人ほど、そのあたりの情報をしっかりと溜め込んだうえでの収集をしていただき、できればいずれ情報発信もしてほしいです。
平成の次の時代のゲーム収集は、新品購入が当たり前。
そんな時代になるのかもしれません。
(パッケージ自体がなくなるという突っ込みはナシの方向で)