獣医療業界ビジネスヒント《動物医療市場で新規事業に挑戦する際のTips》第4弾
ゲスト:QAL startups取締役社長 久野 知
獣医療を起点とし、人とペットの間にある課題を解決するスタートアップスタジオ「QAL startups」。その中心メンバーにして、獣医師・連続起業家である生田目康道(QAL startups代表取締役)が獣医師業界の様々なキーパーソンとの対話を通じ、様々なビジネスヒントを提供していく連続対談シリーズ。
動物医療市場における事業開発が主なテーマであり、動物医療や動物病院市場への新規参入を検討している法人、新規で独立起業を考えている起業家予備軍の方向けの対談内容です。
目次
■新規参入企業が成功するためには
■スタートアップへの希望
■事業を興すうえで必要なこと
■新規参入企業が成功するためには
生田目:動物医療における参入事業は、自社の事業のみに特化しているものや、ペット市場・獣医療市場のどちらかにのみ焦点を当てているものが多く、業界内のルールや、動物医療の本質、ビジネスの本質をしっかり意識できている企業や事業はほとんどないのが現状です。
久野:そうですね。この業界自体が閉鎖的であるという面も1つの理由だとは思いますが、そもそも外部から新規参入するための情報を集めることが難しいですね。実際にどのような要望があるのかといったニーズに関する情報だけでなく、獣医師数の推移や、動物病院数、動物病院規模の変化といった統計データについても正しい情報を得ることは難しいと思います。
生田目:正しい情報をキャッチすることができないから、現場のニーズを解決するような事業を作ることができていないのでしょうね。また、大前提として、本質的に動物医療は、「目の前の動物を救うこと」と「飼い主様のため」が根本にあります。そのため、この業界に新規参入して成功するためには、単独で事業を作っていくのではなく、それを今担っているスペシャリストたち、そして業界内の企業とのアライアンスをしっかり組む必要があると思います。ただ、そのようなアライアンスをちゃんと組めるような場が足りていないのが現状です。
久野:確かにその本質を理解していないと、動物医療の領域との連携は難しいですね。自分たちが参入したいと考えている狭い範囲の理解だけでなく、全体の構造を理解していないと、やはり新規参入はしづらいと思います。もっと言えば、表面的な事柄だけでなく、産業や市場としての構造を理解することがなによりも大切になってくると思います。あくまでペットファンとしてのビジネスと、動物医療ビジネスには違いがありますからね。ただ、そうは言っても、飼い主様側に動物医療という面だけを押し付けて普及させることは難しいと思うのですが。
生田目:そうですね。そのバランスは大切だと思います。だからこそ、動物医療側から情報開示や働きかけをもっとすることが大切になると思います。
■スタートアップへの希望
久野:最近、スタートアップイベントに参加する獣医学生や獣医師が増
えてきたと感じます。それは、獣医療業界を発展させるうえでとても良い傾向だと思いますが、こういう場所に参加する為には、もっとビジネスに関する知識も必要だと思います。
しかし、獣医学生や獣医師がビジネスに関する知識を身に付ける機会が現状は少ないので、そういうことをしっかりと学べる場を作っていきたいと思っています。
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