お風呂場はとっても危険
寒い時期になると、お風呂場がおうちの中で一番あたたかい場所になっていることがあります。おうちの中で自由に生活しているペット、特に猫の場合はあたたかくて居心地の良い場所を求めてお風呂場に入り込むことがありますが、これが思いがけない事故の原因となってしまうことがあることをご存知でしょうか?
犬や猫はお風呂場が好き?
あなたの愛犬や愛猫はお風呂場が好きですか?もともと水遊びが好きな犬であれば、飼い主さんについて行き、一緒にお風呂に入りたがることもあるかもしれませんね。
また、お風呂場は水が出る場所ということを知っていて、蛇口から新鮮な水を飲むために入ろうとする子もいるようです。普段はシャンプーをされたり、体が濡れることを嫌う猫ですら、冬場はそのあたたかさにつられてお風呂場の中に入って、バスタブの蓋の上でうたた寝をする子もいると思います。このように、お風呂場は意外と犬や猫にとって人気のエリアのようです。
お風呂場の危険
しかし、お風呂場にはさまざまな危険が潜んでいるため、注意する必要があります。
お風呂場で使用するシャンプーや石鹸類、お風呂の洗剤や毛染め剤などは、どれも犬や猫が誤って口にしてしまうと大変危険なものです。「食べ物じゃないんだから、自分から食べたりしないわよ!」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、犬や猫は自分の皮膚や毛についたものを舐めて取ろうとするため、容器や壁に付着していた洗剤やカビ取り剤などが皮膚についただけでも、それを舐め取ることで中毒を起こすことがあります。
また、お湯を張ったバスタブの蓋の上に乗っていた際に、何かの拍子に蓋がずれて落ちてしまったら、バスタブのお湯の中に落ちてしまいます。もともと猫や小型犬などは泳ぎが苦手な子が多いですし、泳げる子でもバスタブは表面がつるつるして爪が引っかからないため、落ちてすぐに人が気付かなければ、パニックになって溺れてしまうことがあります。
さらに、バスタブのお湯を沸かしている途中や沸かした直後などはお湯がとても熱いため、全身やけどの危険も生じてしまいます。
お風呂場に入れないようにしましょう
このような危険を回避するためには、とにかく愛犬や愛猫をお風呂場に入れないようにすることです。脱衣場とお風呂場のドアは常に閉めておき、自由に出入りできないようにしておきましょう。換気などでどうしてもドアを開けなければいけない場合には、バスタブの中のお湯は抜いておき、洗剤などは犬や猫が届かないところに片付けておきましょう。どうしても愛犬や愛猫がお風呂場までついてきてしまうようなときには、必ず飼い主さんが目を離さないように注意しておく必要があります。
もしも、溺れてしまったら
それでも気が付いた時に愛犬や愛猫がバスタブの中で溺れてしまうようなことがあったら、次のような救急処置を行いましょう。
- まずは、水を吐かせましょう。猫や小型犬の場合は頭を下にして逆さにします。数回下に向かってゆすり、肺に入っていた水を口や鼻から出します。大きな犬の場合は腰を持って逆立ちのような姿勢にして、背中をやや強めにたたくようにして、気道から水を出してあげましょう。
- 次に、呼吸を確認しましょう。横に寝かせてお腹と胸が上下に動いているかどうかを確認します。もしも呼吸をしてないようであれば人工呼吸の必要があります。
- もしも呼吸をしていなければ、人工呼吸をしましょう。人工呼吸の方法として、まずは愛犬もしくは愛猫を横向きに寝かせます。息が漏れないように手で口を閉じ、鼻に口を当てます。1秒間、鼻からゆっくりと強く息を吹き込みます。このときに胸が軽く膨らむのを確認しながら行ってください。これらの動作を数回繰り返したあと、自力で呼吸するかどうかを観察しましょう。呼吸が戻らなければ人工呼吸を続けます。
- 呼吸が戻らない場合は、人工呼吸を行いながらなるべく早く動物病院に連絡し、獣医師の指示を仰ぐようにしましょう。
もしも、やけどをしてしまったら
もし、落ちてしまったお湯が40度以上の熱いお湯の場合は、すぐに全身に水をかけて冷やす必要があります。そして、濡れたタオルで全身をくるみ、急いで動物病院へ連れて行きましょう。犬や猫は全身を毛で覆われているため、やけどの状態がよく分からないことがあります。一見問題がなさそうでも、数日後に皮膚のダメージが現れることもあるため、必ずすぐに動物病院へ連れて行き、詳しく見てもらいましょう。
もしも、洗剤を舐めてしまったら
石鹸やシャンプーなどを舐めてしまったようなら、水や牛乳をスポイトなどで飲ませることによって体の中で薬品を薄めることができますが、カビ取り剤や漂白剤などは刺激性と毒性が強いため、確実な対応としてご自身では何も与えずに、一刻も早く動物病院に連れて行って処置をしてもらう方がよいでしょう。
まとめ
愛犬や愛猫の危険というのは、意外な場所に潜んでいます。「おうちの中だから安心」と思わずに、常に想像力を働かせて愛犬や愛猫の思わぬ事故を未然に防ぐように注意してあげましょう。